長大橋技術センター

コンクリート保護工

コンクリートを塩害から守る、表面被覆の高度化の検討をしています。

マスコンクリート表面被覆

本四高速海峡部長大橋の基礎は海洋環境下にあり、潮風や海から飛来する海塩粒子による塩害(コンクリート内部に塩化物イオンが侵入し内部の鋼材を腐食させる劣化現象)が生じやすいため、対策が必要となります。また、吊橋アンカレイジなどの大規模なマスコンクリート構造物は施工時の収縮によりひび割れの発生が避けられず、これらのひび割れは塩分などの劣化因子の侵入経路となり得ると考えられます。

このような状況にある海峡部橋梁のマスコンクリート構造物を長寿命化するためには、劣化因子の侵入抑制が重要となります。そのため、多くの基礎において、コンクリート表面被覆が施されています。本四高速では、「海峡部橋梁マスコンクリート表面被覆要領」(以下「要領」と言う)を制定し、それに従って施工を行っていますが、更なる高度化のための研究開発も行っています。

塩害のメカニズム
塩害のメカニズム
大鳴門橋
大鳴門橋
南備讃瀬戸大橋
南備讃瀬戸大橋

品質規格の高度化

マスコンクリート構造物は温度変化によってひび割れが大きく開閉するため、要領では非常に高い伸び性能(ゼロスパン試験で2mm)を要求しています。この要求性能の精緻化を目的として、実構造物のひび割れ開閉量の計測などを実施しています。また、ひび割れ幅は低温時にコンクリートが収縮するときに最も大きくなるため、低温時における伸び性能の確認なども実施しています。

計測対象ひび割れ
計測対象ひび割れ
伸び性能試験
伸び性能試験

維持管理手法の検討

本四海峡部橋梁に施工されているマスコンクリート表面被覆は、既に施工から数十年を経過している箇所も多く、劣化した塗膜の補修方法が課題となっています。そこで、現地での試験施工などにより、適切な補修法の確立に向けて検討を行っています。

試験施工での劣化塗膜の除去状況
試験施工での劣化塗膜の除去状況

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