長大橋技術センター

点検・診断

新技術による点検・診断の効率化について検討を行っています。

近赤外線を用いた塗膜の点検・診断法の検討

本州四国連絡橋は、海上に建設される鋼構造物であることから、重防食塗装が採用されています。重防食塗装は、下に示すように無機ジンクリッチペイント、エポキシ樹脂塗料、ふっ素樹脂塗料から成る多層の塗装です。本州四国連絡橋の維持管理においては、鋼材表面の無機ジンクリッチペイントの塗替が非常に困難なことから、下塗が損耗する前に塗替えを完了させる予防保全を基本とし、定期的な塗替塗装を実施しています。そのためには、上塗の損耗と、中塗が露出したことを検出することが重要となりますが、上塗塗膜の損耗速度は、日射の有無、風の強弱など自然環境条件により大きく異なり、また中塗露出の判定は、上塗と中塗の塗色が似ているため目視による判別が困難になっています。このため、上塗の損耗と中塗の露出を効率的に検出できるかどうかについて現在検討を行っています。

重防食塗装のイメージ図
重防食塗装のイメージ図

現在、上塗と中塗の近赤外線領域における分光特性の違いに着目し、神戸大学との共同研究として、試験体による室内試験、実橋における塗膜の劣化調査を赤外線カメラを用いて実施しました。今後、赤外線カメラを用いて上塗の損耗や中塗の露出を効率的に検出・評価する方法について検討を継続していきます。

実橋の可視画像
実橋の可視画像
赤外線画像
赤外線画像

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