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情報誌「瀬戸マーレ」

アートのすすめvol.1 瀬戸内の個性ある美術館を巡ろう 現代アートを身近に鑑賞

瀬戸内圏にある、数多くの美術館・博物館でつくる、「せとうち美術館ネットワーク」。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館をスタートに、それぞれの館の魅力を紹介していきます。

色鮮やかなモニュメントと大壁画がお出迎え

受賞暦4回の建物は、建築を勉強する学生の見学も数多くあります
受賞暦4回の建物は、建築を勉強する学生の見学も数多くあります

JR丸亀駅前にある、「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」。日本で数少ない駅前美術館です。駅から同館には、黒・赤・黄と色鮮やかな3つのモニュメントが誘い、馬が描かれた大壁画が出迎えてくれます。

ここに収蔵するのは、国際的画家で三越の包装紙をデザインしたことでも知られる猪熊弦一郎の作品。
彼が少年時代を丸亀市で過ごした縁で、市政90周年事業として美術館が建設され、開館して18年になります。「市民に質の高い美術を見せたい」との、猪熊弦一郎の思いが込められた美術館だけに、誰もが鑑賞しやすい雰囲気が魅力。コンクリート打ちっぱなしの建物の美しさに魅せられて、ふらりと立ち寄る旅行者の姿も、目に付きます。

やすらぎのある空間で心癒やして

開放感がいっぱいの館内 自然光で作品の鑑賞も

エントランスホールにある作品「GETA」
エントランスホールにある作品「GETA」 撮影:高橋章

建築家・谷口吉生設計の建物は、開放的で心地よい空間。1階はミュージアムショップ、3階にはコーヒーショップがあり、館全体が市民の憩いの場にもなっています。小さな玄関を入ると、3階までの吹き抜けがあるエントランスホールが。天井がとても高い展示室では、ゆったりと自然光で作品を鑑賞できます。

世界的水準と評価される企画展と、猪熊作品の常設展を開催。約2万点の猪熊作品は、年数回入れ替えられ、各回、テーマに添って展示されていて、さまざまに変化した彼の作品を楽しむことができます。
大きなアクリルケースには、禁煙したときに手慰みに作ったという、小さなオブジェが数多く並び、どれも味があって、見ていて飽きません。

常設展は一部写真撮影も可能。作品鑑賞のポイントやエピソードなども、展示会場の係員が親切に教えてくれるので、まさに現代アートを気軽に楽しむことができる美術館です。

PROFILE

猪熊弦一郎
genichiro inokuma

1902年~1993年。高松市生まれ。
1921年旧制丸亀中学校(現・丸亀高校)を卒業し、東京美術学校(現・東京藝術大学)で藤島武二氏に学ぶ。1938年渡仏、1955年からニューヨーク滞在。1964年国立近代美術館賞を受賞。
1975年から冬の間はハワイへアトリエを移し、多数の作品を制作。
三越の包装紙「華ひらく」のデザインや、1948年から40年間に渡る小説新潮の表紙絵の制作など、幅広い分野で活躍。

猪熊弦一郎
撮影:高橋章

DATA

住所/〒763-0022 香川県丸亀市浜町80-1
TEL/0877(24)7755
営業時間/午前10時~午後6時(入館は午後5時30まで)
休み/年末12/25~31、および展示替期間
(詳しくはお問い合わせください)
料金/一般300円、大学生200円、高校生以下無料
※企画展は、その都度設定
HP/http://mimoca.org/

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 アクセスマップ

せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてアートの魅力の発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて教育普及活動にも力を尽くしています

PROFILE

せとうち美術館ネットワークアドバイザー
鳴門教育大学大学院教授(美術教育学)
山木 朝彦

1955年東京生まれ。
美術科教育学会理事。美術館と学校の連携など鑑賞教育をテーマに美術教育研究を精力的に展開。
編著として『美術鑑賞宣言』(日本文教出版)がある。

せとうち美術館ネットワークアドバイザー 鳴門教育大学大学院教授(美術教育学) 山木 朝彦

せとうち美術館ネットワークの詳細については、ホームページにてご紹介しています。
http://www.jb-honshi.co.jp/museum/

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