ホーム > 瀬戸マーレ vol.20 > アートのすすめ vol.19
情報誌「瀬戸マーレ」

アートのすすめvol.18 アートに染まる街でミュージアムロードを散策しながら美術館巡り

美術作品をはじめ、建物やそれらを取り巻く街並みそのものが絵になる美術館・博物館があります。 神戸の洗練された旧外国人居留地の一角にある神戸市立博物館は、ギリシャ神殿風の建物が異国情緒を漂わせています。 倉敷市立美術館は、白壁やなまこ壁の家並みが美しい倉敷美観地区のすぐ近くにあり、建築家・丹下健三設計のスケール感あふれる建物が存在感を放っています。 季節や時間帯によって表情を変える街並みや建築を楽しみながらアートに触れられるひとときは、心に潤いをもたらしてくれます。

明石の魅力を形成してきた秘密に迫る明石市立文化博物館

作品をさえぎるものがなく、間近でじっくりと鑑賞できる展示室。作品を年代順やモチーフで分けるのではなく、展示室を巡ると一つの物語が完結するようなレイアウトや解説が心憎い
正面入口を入ってすぐの吹き抜けの白亜のホールは、銀行時代に業務エリアだったところ。天井の模様や柱が洗練されていて美しい。展覧会によっては、ここにも作品が並べられる。取材時は、特別展「ターナー展」を開催中。

神戸港開港とともに外国人の商館や住居が建てられ、居留地返還後は貿易商社、銀行などが進出し、海外交易の中心となった神戸旧外国人居留地。当時の面影を残す一画に、神戸市立博物館があります。昭和10年建築の旧横浜正金銀行を再生・活用した建物は、ドリス様式の列柱や御影石の外装が重厚で、国の登録文化財に選ばれています。
コレクションは、そんな神戸の歴史を伝える資料が豊富で、神戸市灘区桜ヶ丘町の丘陵地帯から出土した銅鐸・銅戈など、常設展で昔の生活や外国との文化交流の様子を見ることができます。また、教科書でおなじみの『聖フランシスコ・ザヴィエル像』などの南蛮・紅毛美術や古地図なども所蔵。これらはテーマに沿った企画展で展示・紹介されています。さらに国内外の美術品・文化財を集めて開催される特別展も人気で、名作を間近で堪能でき、毎回大勢の人でにぎわいます。

イベント情報

■特別展
「ターナー展 英国最高の風景画家」

期間/4月6日(日)まで
英国を代表するロマン主義絵画の巨匠、J.M.W.ターナー。
独自の美しい光の表現に包まれた風景画を、ロンドンのテート美術館が所蔵する代表的な油彩画、水彩画など計113点で堪能できます。


[関連企画]
◆イヴニング・レクチャー
 学芸員が展覧会の見どころを解説。
 日時/会期中の毎週土曜日 17:00~17:30
 定員/先着順180人 聴講無料、ただし「ターナー展」の
    観覧券が必要
※土曜日は19:00まで開館(入館は18:30まで)

■特別展
「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎」

期間/4月26日(土)~6月22日(日)
日本のみならず、世界中で広く愛されている浮世絵師・葛飾北斎。伝統や流派にとらわれずに描いた役者絵、美人画、花鳥画、風景画などを、世界屈指の浮世絵コレクションで知られるボストン美術館の選りすぐりの約140点で楽しめます。


■特別展
「ギヤマン展 ~あこがれの輸入ガラスと日本~」

期間/7月5日(土)~9月15日(月・祝)

DATA

住所/神戸市中央区京町24
TEL/078-391-0035
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
     ※特別展により変更される場合があります。
休館日/月曜日(祝日または振替休日の場合は翌日)、年末年始、その他臨時休館日
料金/大人 200円、大学・高校生 150円、中学生・小学生 100円
※特別展開催時は異なります。
HP/http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/
museum/main.html


神戸市立博物館 アクセスマップ

TOPに戻る

横尾忠則が紡ぎ出す多彩な世界に夢中
横尾忠則現代美術館

香川県立ミュージアム
高さ10mを超える吹き抜けのエントランスホール。大階段やむき出しのコンクリートは大迫力。壁は真っ平らではなく、よく見ると飾り窓風になっていたり、バルコニーが設けられていたりする。

倉敷ゆかりの日本画家・池田遙邨(ようそん)から作品寄贈を受けたことをきっかけに開館した倉敷市立美術館は、元は市庁舎だった建物を再生・活用したもの。現代の校倉造りの蔵をイメージさせ、吹き抜けや壁など、随所に意匠が凝らされています。
そこに収蔵されているのは、池田遙邨の日本画、写生帖など8000点あまりを中心に、坂田一男、斎藤真一、木工芸家の大野昭和斎など郷土ゆかりの作家の作品。コレクション展では、それらが多彩な切り口で紹介され、鑑賞の楽しみを幾重にも広げてくれます。
また3階には無料の「池田遙邨コーナー」があり、いつでもその世界観に浸れます。浮世絵風の作品、小動物をユーモラスに描いた作品から俳人・種田山頭火の世界を表現した作品まで、画風の変遷や温もりあるタッチを楽しめます。

イベント情報

■コレクション展
「倉敷市立美術館の洋画名作選 
 特集展示-岡山近代洋画のさきがけ 堀 和平」

期間/4月5日(土)~6月1日(日)
美術館が所蔵する満谷国四郎、寺松国太郎、坂田一男らの代表作を展示するほか、明治前期に岡山で活動した堀和平の作品を特集展示。

■コレクション展
「池田遙邨と倉敷ゆかりの日本画」

期間/4月5日(土)~6月22日(日)
(ただし6月3日(火)~8日(日)は館内くんじょうのため休館します)
美術館が所蔵する日本画家・池田遙邨や岡本豊彦、柚木玉邨らの作品とともに倉敷市内で所蔵されている日本画を展示。

[関連企画]
◆担当学芸員によるギャラリー・トーク
 日時/4月19日(土)・5月11日(日)・6月14日(土)
    14:00~
 聴講無料。当日の観覧券が必要です。

■第69回春の院展 倉敷展

 期間/6月25日(水)~7月6日(日)
 日本美術院同人をはじめ岡山県内の入選者の作品を展示。

DATA

住所/岡山県倉敷市中央2-6-1
TEL/086-425-6034
開館時間/9:00~17:15
休館日/月曜日(祝日または振替休日の場合は翌日)、くんじょう休館(平成26年3月25日~30日)、年末年始(12月28日~1月4日)
コレクション展料金/大人 210円、大学・高校生 100円、中学
生・小学生 50円
※特別展は別途設定
HP/http://www.city.kurashiki.okayama.jp/kcam/

倉敷市立美術館 アクセスマップ


せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてのアートの魅力を発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。今回紹介した2つの美術館を含め、魅力ある48の美術館・博物館が参加しています。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて、教育普及活動にも力を尽くしています。

TOPに戻る