- ギリシャ神殿風の建築。手前にはロダンの「カレーの市民」
倉敷の駅から、美観地区へ歩くこと10分、倉敷川沿いの道を進むと、重厚なギリシア神殿風の建築が見えてきます。
ここ、大原美術館は、日本初の西洋近代美術館として、昭和5年(1930年)に設立されました。創立者は、倉敷紡績の社長、大原孫三郎。彼からあつい信頼を寄せられていた画家・児島虎次郎が欧州で収集した作品を中心に展示されています。虎次郎がヨーロッパに留学した際、自分と同じく美術を目指す日本の人々のため「ぜひ本物を見てもらいたい」、という熱い想いが源流となって、これらの作品群は海を渡り、日本へと運ばれてきました。
大原美術館といえば、モネの「睡蓮」など印象派を思い浮かべます。ですが16世紀末から17世紀にかけて活躍したエル・グレコの「受胎告知」から、19世紀末から20世紀初めの西洋美術史を代表するセザンヌ、セガンティーニ、モディリアーニ、カンディンスキーにピカソまで、数多くの画家による作品が並んでいて圧巻です。
西洋美術を時代の流れに沿って鑑賞することができるのも楽しみ方の一つ。『本物』の絵画を間近に見ることが、心豊かな時間を与えてくれます。