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情報誌「瀬戸マーレ」

あ!見つけた 瀬戸内の味【神戸淡路鳴門エリア】徳島の阿波尾鶏

阿波踊りの徳島が生んだパワフル地鶏の「阿波尾鶏」

エネルギッシュな阿波踊りで有名な、徳島。
地鶏ブランドの「阿波尾鶏」は、1998年に生産量が全国一となり、
ブランド誕生から20年経った今も、地鶏ファンから称賛の声を得ています。

徳島市内で味わう阿波尾鶏専門の料理店

阿波踊りで名高い徳島市。阿波尾鶏専門店「鳥甲」は、JR徳島駅から徒歩で約8分、市内の新町川公園に近い所にあります。

徳島の誇る地鶏、阿波尾鶏を使った料理は、県外からやって来る、地鶏通をもうならせています。
人気が高いのは、「阿波尾鶏三昧コース。全7品で、阿波尾鶏のほとんど全ての部位を食べられるんですよ」と語る、店主の早内幸一さん。

コースの中の、骨付きもも肉オーブン焼きは、パリパリの皮に肉のうま味をたっぷり味わえます。このほか、鳥わさに串焼き、ピリ辛手羽先など、それぞれに違った味を楽しめるのも魅力です。

骨付きもも肉オーブン焼き
骨付きもも肉オーブン焼き。阿波尾鶏ならではの肉の味を楽しめて、がっぷりかじりつくのもよし

肉のうま味をシンプルに味わう

阿波尾鶏の味は、しっかりしたうま味に加えて、「歯ごたえがちょうどいいんです。口の中で噛んだときのうま味を感じるために、味付けはシンプル・イズ・ベストですよ」と、早内さんは話します。店で出す料理も素材の力を生かした味付けです。

一品料理では、「『もも肉と渭東ネギの陶板焼き』が好評ですね。徳島のブランド野菜、渭東ネギの甘みを、すだちの香る自家製ぽん酢でどうぞ。こっくりした肉の味を、さっぱり食べてもらえます」。このほか、水炊き鍋もおすすめです。

「ウチの店は、安いんです。うまい地鶏をこの値段で食べられるのはお得ですよ」と笑います。家族連れの姿も多く見られます。

「旨い!安い!がモットー」と話す店主の早内さん
「旨い!安い!がモットー」と話す店主の早内さん
阿波尾鶏専門店 鳥甲

住所/徳島県徳島市両国本町2の20の1
TEL/088(657)0125
営業時間/午後4時~11時
休み/月曜(祝・祝前日は営業)

(写真左)阿波尾鶏三昧コース(3,500円)(写真右)もも肉と地元産の渭東ネギの陶板焼きは火入れが重要
(写真左)阿波尾鶏三昧コース(3,500円)
(写真右)もも肉と地元産の渭東ネギの陶板焼きは火入れが重要

歴史ある地鶏産業 ブランド確立への道のり

阿波尾鶏を生んだ徳島は、明治時代より、大阪への食鶏出荷が盛んでした。昭和30年代頃まで、大阪港荷揚げ場所周辺の生鳥問屋へ卸されていたといいます。

そんな徳島で阿波尾鶏が生まれたのは、1989年。翌年より本格的に生産が始まって、現在に至ります。徳島県農林水産部ブランド戦略総局畜産課の澤則之さんは、「1998年には、阿波尾鶏の地鶏生産量が、全国一となっています。明石海峡大橋が出来たことが大きかったですね。2002年からは一気に60万羽ほど増え、2004年には出荷量が200万羽を超えました。こんなことは生産販売の当初には、想像しなかったことです」と笑顔で話します。県内では元来、小規模生産の歴史が長く、ノウハウの技術に長け、地鶏生産に適していたことも成長の理由の一つといいます。

阿波尾鶏は、オスの軍鶏とメスの白色プリマスロックの交配で生まれた肉用鶏です。「県内で古くから飼育していた軍鶏は、肉の味は格段に良いものの、飼育に時間がかかりますし、卵もひんぱんに産まない。そこを工夫して、ブランド力のある地鶏を作ろうと」。開発には10年近い月日がかかりました。「若い人の好みを知ろうと、試食も行いましたよ。肉のうま味をそのままに、硬いイメージの地鶏肉を、ほどよい歯ごたえへと改良を重ねました」。こうして、肉の厚みと適度な歯ごたえのブランド地鶏、阿波尾鶏が生まれたのです。

(写真上)阿波尾鶏(写真下)この父鶏が、姿も勇ましい軍鶏
特定JAS規格を受けた阿波尾鶏。血統、飼育期間、飼育方法、飼育密度が定まっている。有名な阿波踊りからネーミングされました。
阿波尾鶏(写真上)。
この父鶏が、姿も勇ましい軍鶏(写真下)

県南・県西の自然豊かな地で育つ

阿波尾鶏の生産農家は県南と県西にあり、県西では吉野川、県南では海部川沿いの豊かな自然に囲まれた土地の中、平飼いで育まれています。

阿波尾鶏ほか、原種の軍鶏もここで飼育されていて、「40羽いる母鶏の白色プリマスロックに対し、4羽の父鶏・軍鶏の割合です。軍鶏は気性が激しく、オス同志のケンカは宿命のようなもの。1年後に、4羽ともいるのは稀なんです」と、澤さん。そんな軍鶏の肉質を受け継いだ阿波尾鶏は、「ももの肉づきが素晴らしいものを良い鶏として選抜します。成長が早く、のびのび育てているので、病気に強く健康です」。

おすすめの食べ方は、「焼いた肉に塩こしょうとすだちをかけて食べるといいですね。鍋にしても、灰汁が出ないんですよ」。最近では、鶏ガラスープやご当地カレーなどの加工商品もできました。

「阿波尾鶏は全国に出荷されています」と澤さん
「阿波尾鶏は全国に出荷されています」と澤さん
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おすすめ

●新町川クィーンリバー号

新町川と助任川に囲まれた「ひょうたん島」を一周する、約30分の周遊船。
無料(ただし保険料100円必要)。
7・8月は午後5時より40分毎に運航、最終運航は午後7時40分発。
8月12日~15日 は午前10時~午後8時頃まで約15分間隔で出航します。


問い合わせ/NPO法人新町川を守る会 090(3783)2084


新町川クィーンリバー号
●水床湾

宍喰を代表する景勝地。
透明度の高い海に白砂青松のサビ島など、大小様々の小島が散在。


所在地/徳島県海部郡海陽町宍喰浦




水床湾
●竹ヶ島海中公園・海中観光船ブルーマリン

約45分で竹ヶ島海中公園を一巡りします。
船底の展望室から、カラフルなサンゴや熱帯魚を見ることができるクルーズ。


住所/徳島県海部郡海陽町宍喰浦竹ヶ島
TEL/0804(76)3100




竹ヶ島海中公園・海中観光船ブルーマリン
●轟の滝

清流・海部川の上流にある滝。
四国一の大滝で、上流には大小さまざまな滝を連続して見ることができます。


所在地/徳島県海部郡海陽町平井字王余魚谷

轟の滝
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