徳島県南部の海は、四国の中でもことのほか美しい。竹ケ島にある海中観光船ブルーマリン号から、海のサンゴを眺めていると、それが本当だと分かる。ボクは一人でうなずいていた。
ここ海陽町は、ウミガメで知られる美波町を越え、海岸線を走る南阿波サンラインを過ぎた先の、県最南にある町だ。全国有数のサーフポイントやダイビングスポットがあるほど、海の透明度が高い。今、目の前でガラス越しに見ている海もまた、穏やかな波の下で輝いて、美しさを煌めかせている。
船は、さらに進んで行った。緑色のサンゴが群生している。目を凝らしていると、その間からまず青の、続いて黄、赤と熱帯魚の鮮やかな色がチラチラと見えてきた。おお!縞模様のヤツもいるぞ。マリンルックの魚じゃないか。
大小さまざまの魚たちは、口がとんがっていたり、尾ひれが二股になっていたりと見ていて飽きない。ときどき、クラゲがトボけた動きで通りすぎていく。海底にはナマコやウツボも見える。アカエイが隠れていたりすることもあるらしい。群れとなった魚たちがスピードを上げて横切っていった。右に左にダンスしているようにも見える。まるで、竜宮城に来たみたいだなあ。
- カラフルな熱帯魚を見つけると、童心に戻ってしまう大人たち続出。季節によって魚の種類も様々で、真夏は100種類以上になる