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情報誌「瀬戸マーレ」
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宇和島の豊かな海が育んだ宝物を手に入れよう

真珠は自然と人間からの贈り物

美しい宝石を手に入れたくて宇和島にやって来た。
ここは真珠のまち。母なるアコヤ貝に抱かれた一粒の珠は、
豊かな海に守られながらその身に真珠層をまとっていく。
どんな輝き、色、形になるかは取り出してみなければわからない。
その神秘さがたまらない。

幻想的な光景が次々に展開する

宇和島の市街地を抜け、海沿いの県道37号を進む。入り組んだ海岸線が続き、次々と表情を変える景色に見とれてしまう。深い入り江を持つリアス式海岸は潮の流れが穏やかで、温暖な気候とともに真珠養殖に最適だ。その自然を生かして昔から真珠養殖が盛んに行われている。

豊かな海とアコヤ貝があるだけでは美しい真珠はできない。人間の知恵と努力があってはじめて透明感のある光り輝く良質の真珠ができる。いまや宇和島は日本一の生産高を誇っているが、その積み重ねがあればこそ。そんな真珠の魅力に浸かりたいのだ。

幻想的な光景が次々に展開する

幻想的な光景が次々に展開する


適切な場所に素早く核入れするには熟練の技が必要

あこや貝の内側の色と輝きがそのまま真珠の色と輝きになる。色、輝きが良い細胞貝から外套膜を切り取り、核と一緒に挿入
玉出しは水温の低い時期に行う。水温が下がると真珠層が細かくなって輝きが生まれる

最上の一粒が出てきたときには感動もの

向かった先は、土居真珠。ここの「真珠養殖体験ツアー」は心ひかれるものがある。最初に真珠ができるまでのレクチャーを受ける。一通り学んだら真珠の中心となる核入れに挑戦だ。この核に外套膜から分泌される真珠層が巻くことで光沢が生まれる。核入れの際はきれいに巻くよう外套膜の小片をくっつけて挿入する。お手本を見せてもらう。貝の口を開けて「スパッ、ピッ」。早すぎて見えない。真似してみるけど難しい。

次は待ちに待った玉出しだ。筏に移動し、海から引き揚げられた母貝の中からいい真珠が入っていそうな貝を選ぶ。期待で胸がドキドキだ。ぷっくらとした身の部分を指で探ると、あった! 丸い粒が美しい光沢を放っている。まぎれもない真珠だ。

楽しみはこれだけではない。この真珠を使ってアクセサリーを作れるのだ。その間に真珠の見分け方も教わった。本物はやっぱり美しい。本物を知らなければ、本物の良さってわからないんだな。


真珠や色石を組み合わせて、ネックレスやブレスレットなどのオリジナルアクセサリー作りに挑戦。営業時間/9:00~17:00、製作料(税込)/1,620円~

●通常コース
核入れ作業と玉出し作業の見学・体験をはじめ、質の良い真珠と質の悪い真珠の見分け方など、真珠の知識を深められる。

●おみやげ付きコース
通常コースに加え、取り出した真珠をおみやげに持って帰ることができる。または、装飾パーツを選んでアクセサリーに加工できる。


営業時間/9:00~12:00、13:00~17:00
定休/年末年始(12月29日~1月3日)
所要時間/1時間~1時間半
体験料(税込)/通常コース1人1,080円、おみやげ付き1人3,240 円

土居真珠

真珠の養殖から加工、販売まで一貫して行う。体験イベントやアコヤ貝から作ったパールパウダーを利用した化粧品「花真珠」づくりに取り組み、宇和島真珠の可能性を広げ、PRに一役買っている。
【DATA】
住所/愛媛県宇和島市三浦西5121-9
Tel/0895(29)0011

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カラダの内から外から真珠パワーを取り入れよう

アコヤ貝がなければ美しい真珠は生まれない。
そのアコヤ貝は、食べておいしく、美容にもいい優れもの。
産地でなければなかなか楽しめない出会いに感謝!

「来てくれた人に気持ちよく食べてもらいたいから、1日1組限定です。」もとは真珠貝養殖を営んでいた芝さん。いち早く食用としてのアコヤ貝の価値に気づき、大ぶりの貝柱がとれる養殖に成功した 希望すればクルージングを楽しめる。夜は満点の星空にみとれるそう

これぞ、海の男の豪快なもてなし

真珠のまちならではのお楽しみがある。アコヤ貝の貝柱だ。目の前の海で獲れたばかりの漁師料理を味わわせてくれる「いかだ屋」を目指す。県道37号を走る。大漁旗が揺れているあの店がきっとそうだ。その名の通り、夏場は海の上に浮かぶ筏で食べられるというから気持ちよさそうだ。

ご主人の芝磯美さんが笑顔で出迎えてくれた。ここは完全予約制で1日1組限定。お客が自分たちだけというのはすごく贅沢な気分。香ばしい匂いがすると思ったら鯛の塩釜焼きだ。いきなりメイン料理? と思ったらとんでもない。出てくるわ、出てくるわ、その量は半端じゃない。ヒオウギ貝にサザエの炭焼き、魚の素揚げ、自家製じゃこ天…。どれも素材の味が生きている。アコヤ貝も絶品だ。丸ごと酢の物や唐揚げにしてあって、ホタテ貝とは違う歯ごたえで噛むほどにうまみが出る。塩コショウで炒めた貝柱もプリップリ。ウニはまだ針が動いているほど新鮮だ。「何もつけずにそのまま食べて」と促されて口に入れると、甘みと磯の香りが広がる。

お腹が苦しくなってきた。あと何品出てくるのだろう。「まだまだ。全部食べられる人はあまりおらんで」と芝さんが笑う。この満足感と幸福感は経験したことがない。芝さんの心意気と宇和島の海に惚れてしまった。

目の前で豪快に魚や貝が焼かれ、おしゃべりも忘れて食べるのに夢中
アコヤ貝を丸ごと使った酢の物はシコシコの歯ごたえがくせになりそう 揚げたての自家製じゃこ天はふわふわで香りがいい
鯛の塩釜焼き。ウロコも内臓もついたままなのでうまみがしみこんでいる。皮は焼くとぱりぱりと香ばしい 食用に養殖されたアコヤ貝の貝柱は大きくてうまみがいっぱい 新鮮だからウニの粒が立ち、舌の上でつぶれて甘みが広がる
いかだ屋

1日1組(大人5名以上)限定の完全予約制。メニューはおまかせで、その時々に獲れた新鮮な海の幸を味わえる。料金は1人3,500円。
【DATA】
住所/愛媛県宇和島市下波4496
Tel/090(3182)7363

こんな楽しみも

パールエステで真珠のように透き通る柔肌に

宇和島に来たならパールエステは絶対にはずせない。真珠層に含まれているコンキオリンなどの炭酸カルシウムには肌を潤し、汚れを吸着して、美肌を保つ効果があるのだ。宇和島では、市内5店舗でパールパウダーを使用した化粧品「花真珠」のパールエステが行われている。ハンドやフェイシャルなどさまざまなメニューの中から、「フィール・スガハラ」でハンドエステを体験! エステ後は肌に透明感が出て、しっとりと吸い付くような柔肌に生まれ変わっていた。

こんな楽しみも
パールパウダーのミクロの多層体が汚れをしっかり吸着。クレンジングジェルでマッサージすると汚れや余分な角質がボロボロ落ちてくる

フィール・スガハラ
手や首、顔など豊富なパールエステメニューがそろう。
【DATA】
住所/愛媛県宇和島市鶴島町2-17
Tel/0895(23)2040
営業時間/火〜土9:00~19:00(日曜は18:00まで)
定休/毎週月曜日、第3日曜日
エステ料金(税込)/ハンドメニュー1,620円(パックなし)など、要予約

ここもオススメ!

城づくりの名手・藤堂高虎が想像した宇和島城

伊達十万石の城下町として栄えてきた宇和島。その町を見下ろす宇和島城は、国内に現存する12天守のひとつ。1601年に築城され、伊達家二代藩主によって現在の形に改修された。2015年は、伊達政宗の長子、伊達秀宗が宇和島城に入部して400年を迎え、市内でさまざまなイベントが開催される。
【DATA】
住所/愛媛県宇和島市丸之内1
Tel/0895(22)2832
営業時間/天守9:00〜17:00(10月〜3月は16:00まで)
料金/天守200円

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