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難攻不落の松山城を攻略せよ!

松山城は、小高い勝山の上に三重の天守と周囲の櫓が連なる、のどかで美しい城である。
しかし、実は難攻不落の天下の名城としても知られているのだ。
この城を攻略するのがいかに難しいか、実際に攻め上ってみよう!

堅固な城門を破り四方からの攻撃を突破して、めざすは本丸・天守だ!

松山城を築城した加藤嘉明は、豊臣秀吉の下で戦った賤ヶ岳七本槍の一人である。戦国を生き抜いた嘉明が豊富な実戦経験を生かして設計したこの城は、城郭の構造が実に複雑で、防御しながら迎撃できる優れた工夫や仕掛けが城内外にたくさん仕込まれている。

「お城に攻め込むつもりで見て行きましょう」と言うガイドさんについて大手門跡から上った。

上り始めると、攻め手を悩ませる仕掛けが次々に控えていた。まず、上り坂が各所で屈曲しているので、大軍勢では一気に攻め上れない。さらに、いくら進んでも城内に入れないニセの道も造られている。また、攻め手からは見えない箇所に隠門があり、そこから城内の兵士が迎撃に出てくるなど、トリックのような仕組みも駆使されている。

攻め手を塀の中から弓矢・鉄砲でねらう矢狭間・鉄砲狭間などは、城内に実に500か所以上もある。そして、攻め手がようやく本丸から天守下の本壇までたどりつけたとしても、軍勢は堅固な石垣と櫓に囲まれた枡形の広場で四方から矢や鉄砲を浴びせられることになる。ガイドさんの説明を聞きながら、この城の複雑で巧妙な仕掛けを見ていくうちに戦意を喪失しそうになったが、やっとのことで天守にたどり着いた。ついに攻略ゲームのゴールだ!

天守から松山市街を見渡しながら、あらためて戦国武将のすばらしい智略に驚かされた。

ボランティアガイドの上松君乃さん
松山観光ボランティアガイドの会事務局

*ボランティアガイドは無料。予約は1週間前までに。
(注)12/29~1/4の間はガイド活動休止。
TEL/089-935-5711(受付:9~12時、13~16時) FAX/089-921-0286 
MAIL/matukan2@abeam.ocn.ne.jp

お城の豆知識

建物の要所に水と縁のあるシンボルを火伏(防火)のおまじないとして施した。

◆天守の屋根に載る鯱(しゃちほこ)は、口から水を噴き出して建物を守ると言われている。
◆屋根の妻飾り(懸魚=げぎょ)は、火伏のまじないとして魚を吊るしたのが起源。魚の代わりに、樽の水栓の形を模した「六葉樽の口」を配している。
◆門扉の飾り鋲に施されたハートの形は猪の目(いのめ)と言い、これも火伏のまじない。

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夢と現が交錯する道後アートの世界

道後温泉に魔訶不思議な世界が出現

鈴生り門

日本最古の温泉、道後温泉で不思議なアートの世界が繰り広げられている。ホテル・旅館のロビーや客室、築120年を超すレトロな道後温泉本館などが現代アートのギャラリーと化しているのだ。2016年のメインアーティストは、画家の山口晃氏である。

この道後アート2016のテーマは「時空を超えて道後を遊ぶ」。山口氏の絵の中には、ごく普通のことのように現代人とちょんまげ姿の侍が一緒に描かれ、躍動している。街頭には、アート作品としての電柱も建つなど、道後の街全体が、和と洋、過去・現在・未来、虚と実が入り混じった一大作品となっているのである。アーティストが創出した遊び心あふれる客室に、実際に泊まることもできる。街を歩けば昔懐かしい街頭風景にも出合う。

今、道後の街を訪ねれば、この壮大なアート世界を体感することができるだろう。

今様物の具吹寄せ(ホテル椿館客室)
アートに囲まれて泊まる
連子風洞(茶玻瑠2階レストラン)
オープンキッチンもアーティスト山口晃氏の世界に
今様物の具吹寄せ(襖絵)
ホテル椿館客室の1室を山口晃氏がまるごとアート空間 として演出。襖絵・室内の造作・備品まで随所にこだわりが。宿泊可・要予約(見学料金1,000円・税込)
飛行機百珍圖(道後温泉本館2階神の湯床の間)
築120年の道後温泉本館と現代アートの融合 (見学には、入館料が必要) 道後温泉本館のスタッフが、昔ながらの松山弁で迎えてくれる。小説「坊っちゃん」の時代にタイムスリップしたような気分に
道後温泉本館
明治27(1894)年に改築された風格ある建物が幻想的な雰囲気をかもしだす
要電柱(道後温泉本館裏手)
にぎやかな飾りの付いたこの電柱は、アート作品として建てられたもの
「街歩き旅ノ介 道後温泉の巻」山口晃 道後アート2016

2016春 ~ 2017.8.31

絵画作品は、旅館・ホテル・道後温泉本館など10か所に出力展示(見学は、各施設の営業時間内に限る)。野外展示は、鈴生り門、要電柱、見晴らし小屋の3か所。インスタレーションは、道後温泉本館、ホテル椿館、茶玻瑠など。見学有料のものもあるので、詳細はHPを参照。
道後アート実行委員会事務局  TEL/089-921-6464

子規のふるさとで初めての俳句体験

松山でいま人気の観光プランが、ガイドと行くまち歩き『松山はいく』だ。たくさんのコースの中で、これこそ松山観光だと評判なのが「俳句女子のススメ(男子もね!)」という俳句体験コース。観光スポットを巡りながら、ガイドさんから俳句づくりを教えてもらえる。行程約1時間で、超初心者でも必ず1句詠めるというもの! 初めての俳句にチャレンジした。この日のガイドは渡部さん。スタート前に、メモ用紙とペンを渡された。この紙に歩きながら見たこと、感じたことをメモ書きしていく。「俳句ができないと、帰れませんよ」という渡部さんの軽口に笑いながら、名句をひねろうと考え込むが、「カッコいい句よりも、他の人にないオリジナルな感覚で素直に詠みましょう」と、見透かされた。散策の最後に季語を教えてもらい、なんとか迷句を仕上げた。下手な句もまた一興、松山の旅の楽しい想い出になった。

街のいたるところに俳句ポストが!

観光スポットやホテル・旅館、商店街など市内90か所以上に観光俳句ポストが。
2か月に1度開函して選考し、特選3句・入選20句に記念品が贈られる。

自作の迷句が記念ラベルに

1時間ほどのまち歩きの最後は、道後の水口酒造。ここで自作の句を完成し、ラベルに手書きしたお酒がお土産に。

「俳句女子のススメ」申込・問合せ先:「松山はいく」事務局

TEL/089-945-6445(受付:10~17時) MAIL/matsuyamahaiku@gmail.com 
定休日/ 月曜(月曜が祝日の場合は催行可能。翌火曜はお休み)・お盆・年末年始 
予約/前日13:00までに(所要時間)約1時間(催行)2名から 
料金/1人2,000円(日本酒ラベル貼り体験料込み。大人・子ども同額)
*この記事のコースは「俳句女子のススメ(男子もね!)」です。
未成年者のみの申し込みは不可。他にもコース あり、公式HP『松山はいく』で検索を。

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