平成28年9月10日(土)、明石海峡大橋を目の前に臨む「橋の科学館」において、第24回講演会「“世界一”をつなぐ道~明石海峡大橋に接続する道路の物語~」を開催しました。今回の講演会は一般財団法人橋梁調査会 原崎郁夫氏(元本四公団 洲本工事事務所、舞子工事事務所)にお話をいただきました。

 いままでの講演会では、明石海峡大橋をはじめとする長大橋の技術を扱ったテーマが中心でした。今回の講演ではテーマの方向性を180度変えて、明石海峡大橋を挟んだ舞子~淡路IC・SAの陸上部の道路計画、関係する地方自治体や地元住民との本四道路に関連する調整といった話題を中心として、舞子周辺の沿道整備計画、明石海峡大橋の淡路側の道路計画、淡路IC・SAの計画についてお話をいただきました。

 はじめに舞子周辺の沿道整備計画についてです。明石海峡大橋の現在のルート(舞子(神戸側)⇔松帆(淡路側))が決定したとき、すでに舞子地区は良好な環境の住宅地域でした。関係者ともども地域住民の生活への影響を最小限にするための努力を重ね、道路及び周辺地域の整備や、トンネルが計画されてきたことを解説していただきました。
 この内容について来場者から「はじめから舞子トンネルを建設する計画はあったのか」という質問があり、講師から「この付近は明石海峡大橋の計画と一体となって道路の計画が決められ、この段階で路線全体を考慮しながらトンネル計画などの道路構造が決定される」との回答を頂きました。

 続いて舞子から明石海峡大橋を渡り、淡路島側の道路計画についてです。計画時、切土のり面案とトンネル案を比較し、トンネル案では、厳しい平面線形の個所で交通事故多発地点とならないよう主として交通運用の点から、また、トンネル内交通事故対応の防災面などから大きな課題があるため切土案としたことを図や写真を用いて説明していただきました。

 最後に淡路IC・SAの計画の変遷についてです。当初計画時の淡路ICは、淡路SAと別の場所にあり、神戸側との出入りのみが可能なハーフICでした。その後、地元の要望等や災害などの緊急時への対応などから、淡路ICは、新しく岩屋バイパスを接続道路とし、上り下り方向からともに出入りが可能なICに変更されるとともに、淡路SA併設として一体化されました。さらに、県立公園に隣接して淡路ハイウェイオアシスが兵庫県によって計画されました。これらの経緯について説明していただきました。

 次回講演会は11月26日(土)に橋の科学館にて、当社長大橋技術センター 診断・構造グループリーダー 森山 彰 氏に、本州四国連絡橋の保全の現況や最新の技術開発について講演いただく予定です。詳細はこちらをご覧下さい。


会場の様子

舞子周辺沿道整備計画について

淡路側道路計画について

淡路ICの計画変更について
参加者からの質問に答える原崎氏