子どものアート感想文 応募作品のご紹介

講評1

岡山大学(美術教育学) 赤木 里香子

大きな画面と向かい合っている村岡さんの心の動きが伝わってきます。初めて見たはずなのに、この風景を知っていると感じた理由は、見ている「私」のなかにあったのですね。そのうえで、一本の木がどのように描かれているのか、もう一度よく見ています。この絵に秘められた激しさや情熱に気づいていることには驚かされました。

講評2

鳴門教育大学(美術教育学) 山木 朝彦

人間には分析的な思考と直観的な捉え方という二つの認識のしかたがあります。両者は補い合い、対象の価値を私たちに意識化させてくれます。この絵を見た村岡明佳さんは、「なんだか見たことがあるぞ」と、出合った瞬間に横山操氏の作品を身近に感じます。やがて、その理由のひとつが、傾いている木にあることを発見します。あなたの作文には、スリリングな発見のプロセスが綴られていて、それ自体が魅力的なアートになっています。