子どものアート感想文 応募作品のご紹介

講評1

文教大学(美術館教育) 井上 由佳

裕貴くんはモネの睡蓮を見て、おだやかな印象を受けましたね。美術品が古代からなぜ多くの人々に愛され、大事にされてきたのかを考えると、おそらく裕貴くんのように、人々は穏やかな気持ちになって癒されたり、美しいなと感じたりすることがずっと続いてきたからだと思います。作品の中には、謎や何かのメッセージを織り込めたものもあります。これを機会に絵画の謎を探って、色々な作品を楽しんでみてください。

講評2

鳴門教育大学(美術教育学) 山木 朝彦

派手な色彩を使ったり、ドキッとするようなテーマを採り上げて、個性を打ち出すアーティストは多いと思います。それが過ぎると、スキャンダリズムといって、人々を驚かせる挑発的な作品で話題づくりをするアーティストも現れます。その点、モネは日常のありふれた風景を慈しみながら描き、その風景の只中に見る者を取り込む方法を地道に探究しました。しかし、平田くんが指摘してくれたように、彼の絵には何か謎が隠されているかもしれませんね。