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「美術館に行こう。」-私の美術館体験記 応募作品のご紹介

美術館体験記 愛媛県・今治市伊東豊雄建築ミュージアム 写真

広島市東区 藤井様(男性)

訪問日:2012年9月23日

その日は、建築家で名誉館長の伊東豊雄さんと建築家の乾久美子さんの建築セミナーが予定され、京都からの娘を広島駅で迎え、車で大三島へ。今夏、乾さんの建築事務所のオープンデスクに娘が行っていて、どんな方かも興味がありました。昨年秋、娘と建築探訪しながら四国を回って開館間もない伊東豊雄建築ミュージアムに来館してからちょうど一年ぶり、2度目の訪問です。

はじめに伊東さんの紺綬褒章の伝達式が今治市長さんなどの参加のもと行われ、地域振興の前向きな取り組みを感じ、建築を建てるだけではなく、地域の活性化に多くの方々が関心を持っていて、とてもすばらしいと思いました。東日本大震災の被災地に建築家として積極的に関わっている伊東さん達が「みんなの家」でベネチア・ビニエンナーレ金獅子賞を受賞された事も、伊東さんの真面目な人柄の賜物だと思います。

今回初めてお話を聞いた乾さんは、関わられたプロジェクトを乾さんならではの語り口で解説され、とても参考になりました。こうしたイベントも「建築ミュージアム」の良い所。他ではとても観られない「建築」のミュージアムです。メインのスティールハットはとてもおもしろい形で、「これからの建築を考える」をテーマに展示されている建築模型など、写真では気付かなかった発見もありました。念願だったスティールハットの屋上テラスから見た瀬戸内の海はすばらしい景色でした。さらにスティールハットの隣に伊東さんの自邸だったシルバーハットがありますが、伊東さん家族の当時の生活ぶりの写真を思い出しながら、見学すると興味が尽きませんし、瀬戸内の海の風を感じながら建築資料等をゆっくりと拝見もできます。

建築系の集まりや、子ども達のセミナーなども開催されています。大三島ICから島を抜けて、「ところミュージアム大三島」「伊東豊雄建築ミュージアム」さらに「岩田健母と子のミュージアム」と観て回れば瀬戸内の島の良さも感じることができるはず。建築好きだけではなく、多くの皆さんに訪れて欲しい場所だと思いました。