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「美術館に行こう。」-私の美術館体験記 応募作品のご紹介

美術館体験記 広島県・ひろしま美術館 写真

大阪市 伊藤さん (女性)

訪問日:2015年8月15日

広い空に、まるで花火が打ち上がったかのような白い雲。この絵の前に立つと、いつも心が晴れ晴れする。ユトリロの「アングレームのサン=ピエール大聖堂」と題する作品である。

彼が、十代で既にアルコール依存症で、その治療(精神安定)のために絵画を始めたことは有名だ。

医者に勧められて、ユトリロに絵を描かせたのは、彼の母親である。そして、彼がアルコールの味を覚えるきっかけになったのが母親不在の寂しさだというのは、何とも不思議なものである。

息子ユトリロを愛し、一方で息子ユトリロを自分の母親、ユトリロの祖母に預けて、自由奔放に生きたシュザンヌ・ヴァラドンと、息子ユトリロの二人展があるとしたら、観ないではいられない。シュザンヌ・ヴァラドンの絵を観たいと強烈に思った。

何かを表現するとき、人は、自分の何もかもをさらけ出す。自分以外のものは表現できない。自分以外のものがそこにあるとしたら、それは取り繕ったものであり、観るものの心を打つことはない。

シュザンヌ・ヴァラドン生誕150年「ユトリロとヴァラドン-母と子の物語」展

ヴァラドンの描く人物の鋭い眼光、黒い線の伸びやかさ、鮮やかな色彩・・・何ものにも束縛されず、ただ、自分の欲するものをまっすぐに求めるエネルギーを感じずにはいられません。こんなふうに、自分を制限しないで生きていきたいと思います。

他方、ユトリロも描きたいものを描いたという意味では、ヴァラドンと共通するところがあるかも知れない。静かな絵の中に、安らぎや喜びを観たとき、絵の前の私も嬉しくなる。花火が打ちあがったかのようなあの絵が好きだ。

広島市を離れて早4年5カ月。今でも、ひろしま美術館は、私のホーム美術館である。

足を運ぶ度、所蔵品展の中のいくつかの大好きな絵に挨拶し、あるいは、どこかほかの美術館等で開催される展覧会でひろしま美術館所蔵の作品に再会し、自分の今を感じるのである。

鳥取市 伊藤さん(女性)

2014年3月22日

「熊谷守一展」を鑑賞しました。

熊谷守一を熊谷守一として知ったのは、ひろしま美術館の所属品が初めだったと思います。そのときは、たくさんある中の1枚か、2枚。盆の上の瓜を描いたものと、黄色い花の絵を観たように記憶しています。その2枚は、別々の機会に観たものかも知れません。他にたくさんの心惹かれる絵があったのでしょう。なんとなく気になったものの、それ以上に特別気に入ったということもありませんでした。

それが、昨年1月から3月ころ、ふくやま美術館の所蔵品展で「熊谷守一」と取り上げたのを観て変わりました。「これは、面白いぞ。」と感じたのです。世の中は何故か色々なものが芋づる式に繋がっていきます。ちょうどそのころ、約1年後にひろしま美術館で「熊谷守一展」があるのを知ったのです。そういうわけで、1年も前からとても楽しみにしていました。

楽しみにしていると、これがまた芋づるなのですが、ある着物の展示会で帯を観ていると「伊藤さん、クマガイモリカズを知っとってかなあ。」と帯屋さんに声を掛けられました。「クマガイモリカズ?」「知っとってんないかなあ、絵を描く人で・・・」「ああ、熊谷守一さん、面白いですよね。」「今、手にしておられるこの帯、熊谷先生の絵を織ったもので・・・」

色も図柄も気に入って、その図柄は熊谷守一さんの手によるものとなると、この帯を締めて「熊谷守一展」を観に行こうと思うのは自然な気持ちです。逆らいませんでした。

今回の特別展は、広島のお友だちと美術館で待ち合わせをして絵を楽しみました。鑑賞後、お友達から「伊藤さん、この帯、ひょっとして、そうですか?」「もちろん!」

一緒にランチをしながら、帯との出会いをお話しました。これには、まだ先の芋づるがあるのですが・・・

肝心の「熊谷守一展」の作品は、「帯にしたらどうかしら?」「あの着物に合わせたらきっと素敵。」と思うものばかりでした。

広島市中区 重藤さん(男性)

2014年3月8日

ひろしま美術館はフランスを中心とした印象派のコレクションでつとに有名ですが、実は近代日本の洋画や日本画など、国内の画家の作品も数多く所蔵しており、今回、その一人である熊谷守一画伯の展覧会を観覧しました。

熊谷画伯の絵を見ていつも思うことは、デザインと絵画の違いについてです。対象物を抽象化することでデザインに近づいているのです。身近にいる猫や蟻などの生き物、茄子などの野菜や薔薇やあじさいなどの植物を描いた作品は、どれもシンプルな形と平板な色面が大きな特徴となっています。それだけにとても強い印象を受ける作品なのですが、何故かいずれも温かみがあり、大変わかり易くとても癒される作品でした。

いつもであれば、絵を見る前にキャプションをしっかり読むことにしているのですが、熊谷画伯の絵の場合には、先ずはしっかりと絵を楽しみたいという思いが先にあります。それほどに熊谷画伯の絵には、平凡で日常的な日々の営みの中に、人々の気持ちを引き寄せる何らかの魅力があるのだろうと思います。

ところで、多くの画家がそうであるように、熊谷画伯にも、良き理解者であり、また、優れた審美眼を持っていたコレクターの存在があったようです。当展覧会では木村定三コレクションからの出品が多数あり、木村定三氏の熊谷画伯の絵に対する種々のコメントは、本当にわかり易く、熊谷画伯にとっても最高の賛辞になったのではないでしょうか。特に、「蒲公英に蝦蟇」に対する木村定三氏のコメントには喜んだものと思います。

なお、会場内では熊谷画伯が宮島を訪れていたことを紹介していましたが、広島との関わりは全くないと思っていただけに少し驚きでした。しかも、嚴島神社などの名所には、画題としての関心を寄せなかったとのこと。ぬけたような青空はこのまない熊谷守一らしい一面だと思いました。

最後に、当美術館にあるカフェルームの取り組みを紹介しておきます。それは、開催中の企画展に焦点を当てたメニューが用意されることです。例えば、今回は、ねこのマカロンやうさぎをイメージしたケーキが用意されていました。都心とは思えない静かな環境とともに、この美術館の魅力の一つではないでしょうか。

鳥取市 伊藤さん(女性)

訪問日:2013年8月11日

「イサム・ノグチ-その創造の源流-」を鑑賞しました。この企画の何がすごいかというと、広島市にある3つの美術館(広島県立美術館・ひろしま美術館・広島市現代美術館)が「平和」をテーマに開催している共同企画展「アート・アーチ・ひろしま2013」のメイン展示の一つだということです。やってほしかったのです。こういうことを。

7月に香川県立ミュージアムで丹下健三の展示を観た後、広島で開催される共同企画展「アート・アーチ・ひろしま2013」の取組を、中でも特に「イサム・ノグチ-その創造の源流-」は見逃せないと思っていました。

日本人の父親とアメリカ人の母親、日本とアメリカ、運命に翻弄されたイサム・ノグチの生涯についてはいくらか知っていたものの、幼少のころ母親に言われて、茅ヶ崎に建てることにした自宅の設計を行ったとか、大工仕事を観察したなどを知り、驚きました。お母さんの物の考え方の大きさに頭が下がります。このときの経験が後のイサム・ノグチの作品に影響を与えるのですから、何事も経験は大切です。

イサム・ノグチの作品としては異色の「死(リンチ)」に衝撃を受けました。筋肉の収縮を巧みに表現している表現力の優れている様、そして何よりイサム・ノグチの怒りを感じます。エネルギーのある作品です。

同時代の作家たちの作品も多く出品されていました。ジョアン・ミロの版画に惹かれました。これまで別々に認識していたジョアン・ミロとイサム・ノグチが、初めて私の頭の中でつながりを持つことになりました。実際には,多くの人や物が相互に影響を与え合い、新しいものが生まれていくのですよね。

ミュージアム・コンサートでは,ピアノの演奏にソプラノとバリトンの歌声を楽しみました。ロッシーニ作曲の「猫の二重奏」は演技も素晴らしく、笑いがこぼれました。

今度はまた近いうちに広島県立美術館と広島市現代美術館を訪れたく、計画しているところです。

広島県福山市 伊藤さん(女性)

訪問日:2012年12月19日

皇妃ジョセフィーヌが愛した画家「ルドゥーテのバラ」展を鑑賞した。展示室の手前のスペースではルドゥーテの生涯をつづった絵本をパネル仕立てにしたもので、彼が幼いころから植物を描くのが好きだったこと、「バラの図譜」を制作することになった経緯などを知った。これからこの展覧会を鑑賞する者にとって分かりやすく、嬉しい演出であった。

展示室に入ると、バラの種ごとに整理された図譜がずらりと並んでいる。バラというのは何とたくさんの種があるのだろう。もっと驚いたことには、これらの図譜に描かれたバラのうち、後世に残っていないバラが少なくないこと。そして今日、私たちがクラシック・ローズと呼んでいるバラの種は、この時代よりも後に作られたものだということだ。

「白い紙に白いバラを描くのは困難だが、花の周りに葉や蕾を配置して工夫している。」とか,「絵としての出来上がりに配慮して枝を切っている。」などの解説を読みながら、ゆっくりと足を進める。思わず頷きながら図譜を覗き込む。とげが密集しているもの、疎らなもの、赤色のもの、緑色のもの、葉の形や色も様々だ。本物のバラを鑑賞するときは,何よりも花と香りに注目する。もちろんこの図譜においても同様に花弁の色,黒い細かな線を入れることでその柔らかさを表現している点、一つ一つの花の形など楽しんだ。そして、それ以上に惹き付けられたのが、とげや葉なのである。それだけ見事に描き分けているのだと感心する。

展示室の中程にはチェンバロが置かれ、会期中の休日に演奏されるそうだ。チェンバロの中にルドゥーテのバラが模写されている。さぞかし甘くてかわいい音色を出すのだろう。チェンバロというのは、現代のピアノに比べ随分と小さなものだ。バラの図譜に囲まれてのミニ・コンサートは,アット・ホームな感じだろうか。

1月のアート・トークで取り上げられるのは、ルドゥーテ。こちらも楽しみなイベントである。会期中もう一度訪れたい。

広島県福山市 伊藤さん(女性)

訪問日:2012年10月20日

友人からメールを受け取った。概略,「先日、土曜日のミュージアムトークを聞いてから、金山平三の作品を拝見しました。ブルーとグリーンの美しさに感激しました。ミュージアムトークの事を教えていただいて、本当に喜んでいます。作者の事や作品の事を学んだ後で作品を見れるというのは、非常に勉強になりますし、とても贅沢な事です。教えていただき本当にありがとうございます。」というものだ。

毎月第2土曜日の午前11時から約1時間,学芸員の方が,主に特別展にゆかりの画家を1人取り上げてお話される。これがミュージアムトークだ。私も楽しみにしている。広島市内に住んでいたころは,他に予定がない限り聴講することにしていた。今もできるならそうしたい。

今月はあいにくミュージアムトークを聴講できなかったが,友人からのメールを読むと,せめて特別展の鑑賞は逃せないという気持ちが抑えきれなくなって,さっそく「日本の印象派・金山平三展-移りゆく時間の中で描く日本の風景-」に出掛けた。

金山平三らしい湖や川を描いたものは,水面の輝きが素晴らしい。雪の表現も好きだ。降り積もった雪が太陽の光にきらきらしてる様子,だんだんと気候が緩み,泥で汚れながら溶けてゆく雪。そう,雪はこんな感じなのだと思う。

金山平三は人形や芝居が好きだったという。自分で人形も作ったそうだ。コマ送りのような踊りのスケッチは,彼自身が楽しんでいるのが伝わってきて,観ている私も楽しくなる。こんな一面を知ることができたのは,この特別展に足を運んだからだ。

それから,ヨーロッパ留学した画家のうち,日本で成功を収めることができなかった者も少なくなかった中で,金山平三が,描く対象を慎重に選び名声を上げたというのも注目に値する。私は,ここから,何かしら学ぶべきことがあるのではないだろうか。(そういう意味で,ミュージアムトークを聴くことができなかったのはとても残念である。ヒントがあったかも知れない。)

会期中,もう一度鑑賞したい。

広島県福山市 伊藤さん(女性)

訪問日:2012年8月4日

待ちに待った「アンリ・ル・シダネル展」が始まった。この展覧会に足を運ぶため、青春18きっぷを1冊買った。

初めて「ひろしま美術館」を訪れた日、心に強く残り、その後も何度も何度もその絵の前にたったアンリ・ル・シダネルの「離れ家」。当時、初めて知った画家だったことと、その絵の地味な雰囲気に、「この美術館でこの絵が一番好き!」なのは私だけだと思っていた。ある日、「この美術館で、月明かりの中の家を描いたあの絵が一番好きなんです。」という人に出会った。私と同じ思いの人がいることに驚き、そして嬉しく思った。

この展示会を企画することになった直後だったのだろう。複数の学芸員さんが「今度、『ル・シダネル展』をやるんです。」と言う。まだ,随分先のことなのに,早くから複数の学芸員さんが「やる、やる。」と言う。学芸員さんも、実はみんなル・シダネルが好きなのだ。

私のこの夏は、ル・シダネルのバラでいっぱいである。

神奈川県中郡 佐藤さん(女性)

訪問日:2012年3月19日

ひろしま美術館は、建物に緑が映えてとても素敵でした。

本館はマイヨールのヴィーナス像を中心に、メインホールをぐるりと囲む円形の4つの展示室。

フランスの印象派の作品を美術の流れに沿って展示してあり各室それぞれに魅力的な作品が充実してました。

別館では、今回特別展“上田宗箇”の武将茶人の世界展を鑑賞。

武将でありながら茶人でもあった彼の、再現された当時の茶室や茶道具などを拝見し、日本の文化や美を身近に感じる事が出来ました。

ゆったりとした時を過ごせる、とても安らげる美術館でした。

広島市 重藤さん(男性)

訪問日:2011年10月29日

毎度、開催される企画展(今回は「藤島武二・岡田三郎助 美しき競演」を観覧)を楽しみにしているひろしま美術館ですが、この美術館の素晴らしさは、何といっても常設展の豪華さです。このような優れた常設展示を有する美術館は、近くでは大原美術館ぐらいではないかと思います。

企画展を観覧したときには必ず常設展も観覧しますので、いままで何度も繰り返し見てきているのですが、名作といわれている絵は何度見ても感動を与えてくれます。

また、ひろしま美術館はゴッホの作品を所蔵する数少ない美術館でもありますが、とりわけ私の好きな「ドービニーの庭」にいつも出会えることができ、とても幸せな気分になれます

そして、館内に併設されているカフェでは、企画展に合わせた特別メニューが提供されており、それも楽しみの一つになっています。

倉敷市 原さん(男性)

訪問日:2011年9月6日

フランス印象派の絵画が好きで、ここ数年来 どうしても訪れたいと思っていました。

期待にたがわず、周囲を木立に囲まれた素敵な美術館でした。 展示室も第1展示室~第4展示室が円形に設計されていて、とても鑑賞しやすかったです。

各展示室の入り口には、展示作品のパンフレットが常備されていて自由に持ち帰りできるようになっており美術館の「鑑賞者への心配り」を感じました。絵画のなかでは、マネの「灰色の羽根帽子の婦人」とルドンの「青い花瓶の花」の色彩にとても感動しました。

絵画を観ては外に出て庭の椅子で休憩し、また絵画を観るのを繰り返していました。でも一日では、とても時間が足らず又、必ず訪れようと思っています。

島根県太田市 清水さん(女性)

訪問日:2011年8月19日

原爆犠牲者の方への鎮魂の祈りと平和への願いが込められた美術館で、ピカソとも関わりのある所でした。

美術館の庭には、珍しい木が植えてあり、花の咲く頃に再度訪れたいと思いました。

絵画だけではなく、有名画家作成のブロンズ像もあり、驚きました。

今回は、ミッフィー生誕55周年記念展をしており、にわかファンになってしまいました。

神戸市 平井さん(女性)

訪問日:2011年1月31日

せとうちネットワークの冊子を手に入れたのを機に、以前から気になっていた広島市内の美術館巡りに行ってきました。ひろしま美術館では「セーヌの流れに沿って」が開催中でした。

派手な展示ではなかったけど、印象派中心に日本の画家やゴッホ、ルソーまでが出品されていて、セーヌの上流からノルマンディー海岸までを順に追っていくというもの。画風より「セーヌ」というフランスを象徴する自然に目を向けたところに、本展の独創性が感じられました。

また、ドーム型のメインホールに収められているコレクションはどれも秀逸で、各部屋が全体を見渡せるようになっているため、ソファに座って、ゆっくりと名画を眺めることができました。

街中にあって、交通の便もよく、カフェからの眺めも最高!とてもいい時間をすごさせていただきました。また、ひろしま美術館が月曜も開いていたため、旅程が組みやすく、とても助かりました。