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「美術館に行こう。」-私の美術館体験記 応募作品のご紹介

美術館体験記 岡山県・岡山県立博物館 写真

広島県広島市 重藤さん(男性)

訪問日:2012年5月19日

「戦国サムライアート 変わり兜」、このタイトルに惹かれて岡山県立博物館を訪れました。もともと歴史が好きなので、訪問先が城下町であればお城を観覧し、そこで鎧・兜の類を目にすることも多いのですが、こんなにたくさんのユニークな兜を拝見したのは初めてです。

どの兜も、戦場における防具としての機能性だけでなく、戦国武将としての夢や想いが託されたデザインになっており、その美意識に思わず見とれてしまうほどでした。

また、勝ち虫といわれる「トンボ」や、出世をイメージする「蝶」をあしらった兜などを見ていると、合戦において自らの気持ちを高揚させ、先頭に立って家臣たちを鼓舞する戦国武将の姿が目に浮かび、さながら現代の企業戦士を思い起こさせるのでした。

なお、平常展示については、岡山県の歴史・文化が網羅されており、改めて岡山県が古くから開けていた地域であることがよく理解できました。

倉敷市 原さん(男性)

訪問日:2011年12月23日

後楽園の入口正面に位置した県立博物館を訪れました。

2階の第一展示室には考古、第二展示室には美術や文書、1階の第三展示室には民俗や備前焼、第四展示室には刀剣や工芸といった、それぞれに関するものが展示されていました。

中でも感心したのは第三展示室の「後楽園花交の池木樋管」です。これは、後楽園の花交の池から旭川へ排水するための木製の排水管だそうです。江戸時代の頃からそんなことまで考えていたとは、流石に藩主:池田綱政が造った庭園だと感心しました。また、第四展示室の刀剣コーナーでは、ガラスケースの中でですが、模造の刀(重量や長さは、本物と同じ)を、実際に触ることができます。刀を持ったのは、初めての体験で、結構迫力を感じました。

特別展は、ありませんでしたが、その分ゆっくりと観覧できました。皆さんも常設展をたまには、ゆっくり観覧されては、いかがでしょうか。

尾道市 中川さん(女性)

訪問日:2011年7月2日

”世界を驚嘆させた金属工芸”との謳い文句に誘われて行って来ました。

良かった~。金属を加工するってこんな細かい事まで出来るの? 虫眼鏡を借りまして、『ほら、あそこに、ヒヨコがミミズを加えているでしょ?』と、職員さん。 『えっ、どこどこ?』。そして 親鳥が、横からそのヒヨコの獲物を狙っているんだそうです。物語があるんですねぇ。自在動物のコーナーでは、人類の骨格もありました。これは実際の男女の骨の特徴まで見事に再現…と、説明にありました。

県立図書館に行きましたら、日本の金属工芸という本が目に付きました。

ありました。前日見てきた、正阿弥勝義氏(彼は岡山県人なんですね。)の作品の数々が出ていました。アップで出ているので、その見事さにまたも溜息でした。

岡山市 福原さん(女性)

訪問日:2011年6月4日

「幕末・明治の超絶技巧 世界を驚嘆させた金属工芸」ー清水三年坂コレクションを中心にーを見てきました。この博物館は、日本三大名園の一つ後楽園の入口の目の前にあり、落ち着いて鑑賞できる環境です。

コレクションはここまで繊細に美しい作品ができるものだと感心させられる内容で、四季の美しさの違いが感じられる日本だからこそ、それを何とか様々な物に表現したいという作者の熱い気持ちが伝わってきました。日本の完璧なものづくりへの原点を見たような気がしました。

また、岡山県は古代、吉備と呼ばれた地域が近畿地方と同様に繁栄し、日本で4番目に大きい造山古墳も作られました。その地域から出土した銅鐸や銅剣など珍しい資料も展示されています。それから岡山といえば、備前焼、備前長船の名刀と言われるように、優れた焼き物や刀剣なども同時に公開されています。岡山の素晴らしさを年間通じて感じることができる博物館です。