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「美術館に行こう。」-私の美術館体験記 応募作品のご紹介

美術館体験記 岡山県・岡山県立美術館 写真

鳥取市 伊藤さん(女性)

訪問日:2013年8月12日

岡山県立美術館に出掛けました。多くの美術館がそうであるように、こちらの美術館も月曜日が定休日です。それでもと思って前日に電話で問い合わせたところ、「明日12日は特別開館日です。どうぞお越しください。」と嬉しいお返事。帰省先から現住所に帰宅する途中、同館に立ち寄って「永青文庫細川家の名宝展」を鑑賞しました。

「もうこんな時間。」と慌てて同館を後にしたほど、名宝の一つ一つがそれぞれに素晴らしく,目を離しがたいものばかりでした。中でも「護立コレクション」中の菱田春草,横山大観,下村観山,小林古径らの日本画は、はっとさせられるような構成、清々しい色遣いで、夏の暑さを忘れさせてくれました。特に安田靫彦の「聚楽茶亭」は、一目見れば豊臣秀吉を描いたものだと分かるのに、絵に添えられたキャプションによると,当時,与えられたテーマを今までにない発想で自由に描くことに取り組んでいたということで、それまでになかったくつろいだ秀吉になっていると感心しました。
また、お茶道具にも目を見張りました。胴部に見られる黒灰色の窯変を雲間に見える山に見立て、銘を「夏山」とする熊川茶碗。なるほど、言われてみれば涼しげで今日のような日にこの茶碗で一服いただくお茶は格別だろうと想像します。そう言われなければできそこないと思ったことでしょう。

そうそう、桜九曜文唐草蒔絵螺鈿料紙箱(さくらくようもんからくさまきえらでんりょうしばこ)、網代螺鈿蒔絵文台(あじろらでんまきえぶんだい)ならびに硯箱は贅沢に螺鈿を使用した逸品。ため息がでるほどです。

これらの名宝を手入れし、大切に保存されていることに頭が下がります。帰宅したらせめて我が家も生活用品を整え、掃除をしましょう。

最後になりましたが、鑑賞しながら目録にメモをしていましたら、同館の職員の方が「どうぞお使いください。」とバインダーを貸してくださいました。ありがとうございます。

広島市 重藤さん(男性)

訪問日:2012年2月8日

国宝「松林図屏風」は長谷川等伯の代表作としてあまりにも有名ですが、その等伯が自ら雪舟五代を名乗っていたことを、現在、岡山県立美術館で開催されている特別展「長谷川等伯と雪舟流」を観覧して初めて知りました。元々、雪舟の描く花鳥画や水墨画に興味があり、これまでも近辺の美術館で開催される雪舟関連の展覧会には、よく出かけていたのですが、今回、この特別展を観覧したいと思った理由の一つはPRチラシにあります。展覧会名称のロゴタイプや配列、「烏鷺図屏風」から切り取った烏の乱舞、そしてそこに少し小さく縦書きされた「等伯、雪舟五代を名乗る」の副題など、抑制の利いた色彩と洒落たデザインで構成された、インパクトのあるPRチラシだと思いました。展示も重要文化財に指定された作品が多く、とても素晴らしい展覧会でした。

庄原市 落合さん(女性)

訪問日:2011年10月23日

普段美術館に行くときはゆっくり時間を掛けて鑑賞したいので一人で行動するのが多いのです。

今回も一人でしたが美術館の荷物を入れるロッカーの前で御年輩の上品な女性の方が苦戦されておられるのを見て声を掛けたことがきっかけで、一緒にガラス展を鑑賞することになりました。その方の作品に対する知識の豊富さに驚き、ガラスの歴史から行程まで聞き、そして他の美術館の話もいろいろ教えてもらいました。「またご縁がありましたらお会いしましょう。」と別れましたが、私にとってはすごく新鮮な緊張感と有意義な時間を過ごすことが出来た素敵な1日でした。その女性のように年を重ねていきたいと思いました。

岡山市 江口さん(女性)

訪問日:2011年4月7日

「モネとジヴェルーニの画家たち」を20数名の仲間と訪れました。鑑賞する前に15から20分講義室で学芸員さんからのユーモアたっぷりエピソードをも交えたお話をお伺いすることができ、とても有意義でした。 

岡山にゆかりのある児島虎次郎の活躍と日本ではあまり知られていないアメリカ印象派の画家たちの創作活動にも目を見はりました。

会場最後の大きなコーナーに「モネ」の大作があり、大原美術館の「睡蓮」を思い浮かべながら堪能することができました。この美術館は三大名園「後楽園」へも徒歩5分というアートゾーンに位置し、駐車場は無料、となりの天神山文化プラザでも展示作品を鑑賞でき、ありがたいことでした。