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情報誌「瀬戸マーレ」

 

今年は、四国八十八ヶ所霊場が開創されて1200年目。お遍路入門に良い機会です。
お遍路を始めるきっかけは人それぞれ。願掛けだったり、お礼参りだったり、皆さん真剣な面持ちでお祈りをされます。でも、最初は気軽に、あまり気負わずに、ドライブや行楽の予定に合わせてお参りできる札所から始めてみましょう。

今回は、瀬戸大橋の近く、坂出市の79番天皇寺と高松市の84番屋島寺、85番八栗寺を巡ります。小さなお子様のいるご家族でも、無理なく巡拝できるコースです。交通の便も良く、屋島寺の近くには水族館があり、八栗寺へはケーブルカーで登るなど、子どもたちの喜ぶポイントがありますよ。

清水屋ところてん 清水屋ところてん
清水屋ところてん
八十場の霊水脇の情緒ある茶店が清水屋(きよみずや)。この店のところてんは創業250年の味。さっぱりとした酢醤油に練り辛子は創業以来のメニューだ。
【DATA】
住所/香川県坂出市西庄町759-1、営業時間/9:00~夕暮れまで、営業期間/3月彼岸~11月(9月まで無休。10・11月は日曜祝日が定休)
お参りの様子
 
読経する恵峰さん
 

白装束
最初は、普通の格好で構いません。巡拝しているうちに、自然に衣装や用品を揃えようという気持ちになるものです。でも、白装束のほうが、地元の方とのコミュニケーションが円滑になりますよ。
線香は3本
線香は3本
三宝(仏・法・僧)に帰依する、あるいは三世(現世・過去世・来世)を表すとも、諸説あります。
八栗山ケーブルカー
八栗山ケーブルカー
運行時間/7:30(日祝日は7:00)~17:15、毎時15分間隔。運賃(往復)/大人930円、小学生460円
納札(おさめふだ)
納札(おさめふだ)
お参りをした日にちと住所、氏名、お願い事を書いて、本堂と大師堂の納札箱に入れます。道中でお世話になった方への名刺代わりとしても使われます。
新屋島水族館
新屋島水族館
住所/香川県高松市屋島東町1785-1、営業時間/9:00~17:00(最終入館は16:30まで)、年中無休、入館料/大人1200円・中高生700円・小人500円・3歳未満無料、Tel/087-841-2678
今回巡拝したお寺の地図

恵峰さんおすすめの札所巡り

天皇寺は、崇徳上皇を祀る白峰宮の大きな鳥居が目印です。お参りの後は、ぜひ近くの八十場(やそば)の霊水も見学を。古代神話にも登場する霊水の池はパワースポットです。屋島寺と八栗寺では、山上からの眺望も楽しめます。八栗寺は山岳寺院の趣があり、森閑とした中に読経の声が響きわたると、初めての方でも自然と礼拝される心持になられるでしょう。こちらの聖天堂も有名で、縁結びや商売繁盛を祈願される方がたくさんお参りされています。

札所それぞれの由緒やお大師様との関わりなどは、事前に少しでも調べておくとお参りがいっそう有意義なものになりますよ。なお、境内での参拝の手順は、決まり事なので守って下さいね。

79番天皇寺
79番天皇寺
行基が開基した寺を遍照金剛が中興し、妙成就寺摩尼珠院と号す。のちに讃岐国に配流された崇徳上皇を祀る、崇徳天皇社の別當寺となる。
本尊:十一面観世音菩薩
84番屋島寺
84番屋島寺
唐の僧鑑真が瀬戸内海を奈良へ向かう途中、屋島に登り創建したと伝えられる名刹。屋島の下の海が、義経や那須与一の話でおなじみの古戦場、壇ノ浦。
本尊:十一面千手観世音菩薩
85番八栗寺
85番八栗寺
元は八国寺という寺名だったが、弘法大師が山中に埋めた8個の焼き栗が芽を出したという言い伝えから、八栗寺となった。
本尊:聖観世音菩薩
◆納経帳
本来は自分でしたためた写経を納めたものですが、現在はお堂の前でお経を読んで奉納し、その受け取りの印として納経帳に朱印と墨書きをいただきます。
◆菅笠
参拝時やお坊さんの前でもかぶったままで構いませんが、靴を脱ぐ場所では笠を取るのが作法です。
◆輪袈裟
お坊さんが着けている袈裟の略式のもので、食事の時とお手洗いに行く時は必ず外しましょう。
◆参拝の手順
①山門にて一礼し境内へ
帰りも同様に行う。
②手水場で口をすすぎ、手を清める
手は左・右の順に洗い、左手ですくった水で口をゆすぐ。最後は柄杓の
柄を清める。
③鐘をつく
鐘楼で鐘をつく。参拝後に行うと縁起が悪いので、必ず参拝前に。
※鐘は自由につける所のみで良い。
④本堂にお参り
納札を納札箱に納めて、ロウソク1本・線香3本を立てる。お賽銭を納めて
合掌し、お経を唱える。
⑤大師堂でも同じ要領でお参り
ほかにもお堂があれば参拝しましょう。
⑥納経所
納経の証として納経帳に墨書、ご朱印をもらう。
福田 恵峰(けいほう)さん 福田 恵峰(けいほう)さん
神戸市在住。会社勤めをしながら週末だけの札所めぐりを続けて、現在までに20回以上巡拝。そのほとんどが歩き遍路である。歩くたびに新しい出会いがあり、新しい自分を発見すると言う。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク、女性お遍路相談員。www.omotenashi88.net

〈公認先達〉四国八十八ヶ所霊場巡拝を重ね、弘法大師の教えに帰依し、新しく巡拝する人たちにお遍路の心得などを指導し、手本となることができると認められた人。四国八十八ヶ所霊場会が審査、認定している。
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