子どものアート感想文 応募作品のご紹介

講評1

岡山大学(美術教育学) 赤木 里香子

石倉くんの成長とともに、興味をひかれる作品も変わってきたのですね。これまで美術鑑賞を楽しんできた経験が役立って、マリアの表情や暗い闇に差し込む光などに 注目できたのかもしれません。宗教画には約束ごとがあり、知れば納得することも多いですが、エル・グレコが暗い受胎告知を描いたように、同じテーマでもいろいろな表し方があることに気付くと、いっそう興味も深まるでしょう。これからもぜひ、絵を見ることを楽しんでください。

講評2

鳴門教育大学(美術教育学) 山木 朝彦

楽しい絵や変わった絵に惹かれるのは自然ですが、そういう絵ばかりを選んで見ていると、暗い色調の絵や悲しいテーマを扱った絵を見過ごしてしまい、ものの見かたを深める機会を失うことにもなりかねません。今回、あえて暗い色調のエル・グレコの「受胎告知」をじっくりと見つめたからこそ、劇的な瞬間を扱ったこの絵の魅力に気づくことができたのだと思います。表情からマリアの思いを読み取る天真くんの洞察力に驚かされました。