子どものアート感想文 応募作品のご紹介

講評1

文教大学(美術館教育) 井上 由佳

里奈さんはこの作品からシャガールの亡き妻への強い愛情といった想いと気持ちを、作品の構図や色遣いなどから敏感に感じ取りましたね。美術館で心が震えるような体験ができたことはとても貴重なことです。いまの私たちが身近な人にメールしたり、電話したりして伝える想いを古今東西の芸術家たちは絵画や彫刻等を通して表現してきました。これからも美術館でそのような想いに沢山触れていって、お気に入りの作品を増やしてくださいね。

講評2

鳴門教育大学(美術教育学) 山木 朝彦

今回、素晴らしい絵と出会えたことで、美術館が成人(大人)の占有物ではなく、里奈さんの年齢の方々も開かれた場所だということがわかってよかったですね。美術館という美術館はどこも、なんとなくとり澄ました美人のようで近づきにくい印象を持つ人が多いと思います。ところが、実はとても饒舌で気さくな美人なのです。そういえば、シャガールが愛した妻も美しい人でした。この最愛の妻を失ったシャガールの悲痛な想いを里奈さんは鋭く見抜いています。