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- ロビーの展示風景
※市民が気軽に楽しめる丁度の広さで親しみやすい
高知県東部の中山間部にある香美市立美術館は、1994年11月に地域の芸術文化向上の一端を担う美術館として「土佐山田町立美術館」の名でオープンし、12年後に市町村合併により「香美市立美術館」となり、2024年に開館30周年を迎えました。土佐山田町の総鎮守八王子宮の西隣にある、プラザ八王子の2階に展示室があります。
郷土出身の画家の絵画を中心とした美術工芸品等の収集・保管・展示を行い、近代から現代に至る様々な作品を約900点収蔵しています。代表的な作品としては、香美市出身の上島一司(かみじまいっし)、高知市出身の石川寅治(いしかわとらじ)・山脇信徳(やまわきしんとく)・中村博(なかむらひろし)・片木太郎(かたぎたろう)らの油彩画、日和﨑尊夫(ひろさきたかお)の木口木版、高﨑元尚(たかさきもとなお)の立体作品などがあります。これらの作品の多くは寄贈によるもので、まさに市民の美術館であり、人々の安らぎの場となっています。
美術館があるプラザ八王子の入り口には、大きな石の上に小さな石の風車がたくさん付いている彫刻があり、少しの風でもクルクル回ります。この風車は、彫刻家・門脇治の作品《こどもたちへ》です。重い石でできている風車ですが、そよ風が吹くと軽やかに回り、その不思議さとともに、見る人を楽しませてくれます。門脇さんは、「子どもたちが大きくなって都会へ出ても、自分の町にはこんなものがあると、胸を張って言えるもの。百年も二百年もみんなが楽しんで、壊れたら悲しんで直そうとしてくれるようなもの。そんな作品を作りたい。」と話しています。
建物2階のロビーには、現代美術作家・高﨑元尚の立体作品《装置》が常設されており、来館者の人気の的になっています。《装置》の内側を覗くと、四面が合わせ鏡になっていて、作品が無限に続く景色が見られます。さらに、彫刻家・三沢厚彦(みさわあつひこ)の木彫のモモンガ《Animal 2009-6》と門田修充(かどたおさみつ)の立体作品《番人》も常設されています。
収蔵品の中で一番人気があるのは、画家・片木太郎の作品です。1926年、高知市に生まれた片木は、長く高校の先生をしながら絵を描いてきた、高知県を代表する地元の画家の一人です。
片木は1999年に亡くなるまで、身近な高知の風景やヨーロッパの風景などを残しており、当館では過去3回、片木に関する展覧会を開催しています。また、昨年には、新たに油彩・水彩・各種版画と、それらのもととなった貴重なスケッチ類も収蔵されました。
片木の風景画の作品の中には、片木本人と思われる、帽子をかぶった人物がよく登場しています。坂道を歩いていくうしろ姿や海から続く道をこちらに歩いてくる姿、自転車に乗っている姿など、絵の中に作者自身が描かれていることで、絵の中に物語が生まれています。いつもスケッチブックを携えて、自転車や徒歩で高知の町や海沿いを回り、「自分の足で歩き、自分の目でとらえた風景を描きたい。」と言った片木の言葉は、味わい深いものです。
展示室は1室のみですが、天井が高いのが特徴で、一番高い所は床から約8mある広々とした空間です。常設展はありませんが、年間5~6回の企画展を開催しており、その中で収蔵品も紹介しています。企画展にあわせて、出品作家によるギャラリートークやワークショップなどの関連企画もあり、会期中の毎週日曜日には、館長または学芸員による作品解説を開催しています。
小さな美術館ですが、県内で活動する作家を紹介するなど、地元の魅力を発掘・発信し続けています。
住所 / 高知県香美市土佐山田町262番地1プラザ八王子2F
TEL / 0887-53-5110
開館時間 / 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 / 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館)
料金 / 一般400円(企画展によっては600円)、団体20名以上と65歳以上は半額、障害者手帳等提示者とその介助者1名 無料、高校生以下 無料
駐車場 / 乗用車約30台(無料)
HP / https://www.city.kami.lg.jp/site/bijutukan/
アクセス /
[公共交通機関でお越しの方]
JR土佐山田駅下車、徒歩で約7分
[車でお越しの方]
高知自動車道南国ICからあけぼの街道経由で約15分
高知龍馬空港から約15分
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