- 土佐漆喰の黒壁と水庭のコントラストが美しいアプローチ
周囲を川と緑に囲まれ、エントランスへ続く庭一面にはられた水の中に浮かび上がるように建つ高知県立美術館。壁面に土佐漆喰、屋根に土佐瓦を使用した蔵のような重厚な建物は、一歩入れば大理石の輝きに満たされ、伝統とモダンさが調和した空間美を創り出しています。
同館はマルク・シャガールの世界有数のコレクションで知られ、2階の第1展示室では、常時、油彩画5点と、版画作品1,207点が入れ替えながら展示されています。作品が映えるように紅色と深緑色に塗り替えられた壁には、シャガールと同時代に活躍したパウル・クレーなどの作品も展示され、時代背景を思い巡らせながら鑑賞できます。
ほかにも、国内外約440名の作家の作品を所蔵。特に充実しているのが高知県ゆかりのコレクションで、世界的写真家の石元泰博の全作品が寄贈され、幕末の絵師・絵金や日本画家・山本昇雲、洋画家・石川寅治などが順次公開されています。