六甲山北側にある「弓削牧場」は、神戸市街地から車で約20分、住宅街の中に突如として現れます。酪農に加え、25年前よりチーズの製造販売を始めました。場内では、創作チーズ料理を味わうこともできます。
自家製の生乳から作る、弓削牧場のナチュラルチーズは、白カビタイプの「カマンベール」と、生チーズの「フロマージュ・フレ」。
牧場長の弓削忠生さんは、「チーズ作りを考え始めたのは30年ほど前。当時、製造技術を教えてくれるところはなかったんです」と、にこやかに話します。アメリカの本を訳して調べたり、フランス領事館に問い合わせたり、チーズ作りに必要な凝乳酵素のレンネットも、長野県まで行ってやっと手に入れられました。「チーズ完成まで、4年の月日を費やしました。妻と二人、試行錯誤の毎日でしたね」。
そんな道のりを経て誕生した「カマンベール」は、熟成初期と後期で味が変化するコクある風味。
「フロマージュ・フレ」は、ほのかにヨーグルトのような酸味があり、フルーツと合わせたり、離乳食にもいいチーズです。
- チーズハウス「ヤルゴイ」を背にした、牧場長の弓削忠生さん、和子さん夫妻。ヤルゴイは、モンゴル語で「高原で春一番に咲く花」を意味します
- チーズのマークになっているのは弓削夫妻の3人の子どもたち。今は牧場を手伝っています