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情報誌「瀬戸マーレ」

幕末の志士たちが歩いた土佐の遍路道を往く

高知市の中心街から歩き始める一日コースです。
31番竹林寺は都市公園五台山の広大な森の中にあり、
32番禅師峰寺から33番雪蹊寺への道では土佐湾の美しい海岸線を見ることができるなど、
南国土佐の豊かな自然を満喫できます。
また、札所の周辺には幕末期に活躍した勤王の志士にまつわる旧跡や、
有名な坂本龍馬像などもありますので、
お参りだけでなく歴史探訪も楽しむことができるでしょう。

第三十一番札所 竹林寺

四国霊場で唯一、文殊菩薩を本尊に祀ることから学問寺として、また「南海第一道場」としても知られ、江戸時代には歴代土佐藩主の帰依を受けました。本堂は、江戸前期の建物(国指定重要文化財)で、美しい佇まいの五重塔は県内唯一のもの。宝物館には国指定重要文化財の仏像17体を収蔵。客殿の庭園は夢窓国師の作とされ、見どころの一つです。
よさこい節に唄われている、はりまや橋でかんざしを買ったお坊さんは、この寺の修行僧・純信です。
【本尊:文殊菩薩】


1つだけ願い事を聞いてもらえる、一言地蔵

武市半平太の旧宅と瑞山記念館

武市半平太(瑞山)は土佐藩の尊王攘夷運動を主導した人物で、土佐勤王党の盟主。坂本龍馬とは遠縁にあたる。旧宅は現在、個人所有のため見学不可だが、隣接して瑞山神社と瑞山記念館がある。記念館は入館自由(100円)。
時間/9:00~17:00
休館日/年末年始のみ
住所/高知県高知市仁井田3021

第三十二番札所 禅師峰寺

土佐湾を眼下に望む小高い山の上にあり、見晴らしは抜群。行基菩薩が海上の安全を祈願して開創と伝えられ、「船魂の観音」と呼ばれ親しまれてきました。境内には奇岩・霊岩が露出しています。弘法大師が当寺で護摩を修法し、自ら十一面観世音菩薩像を彫って本尊として寺名を禅師峰寺としました。
仁王門の金剛力士像は鎌倉時代の作で、国指定重要文化財です。
【本尊:十一面観世音菩薩】

県営渡船「龍馬」

浦戸湾を横断する渡船は「海の遍路道」として人気が高い。対岸まで約600mの距離を5分で結ぶ。人・自転車・原付・125㏄以下の小型バイクのみ乗船可。平日20便(日曜日は19便)が運航(無料)。
住所/高知県高知市種崎148-13(種崎渡船場)


長宗我部元親の長子・信親の墓所

第三十三番札所 雪蹊寺

弘法大師開創の寺が廃寺となっていたのを、織豊期に土佐を統一した長宗我部元親が再興し、臨済宗の月峰和尚を開山として招いたことから四国八十八ヶ所霊場ではめずらしい禅宗の寺となっています。長宗我部家の菩提寺となり、元親の法号から雪蹊寺と改名されました。
鎌倉時代の仏師、運慶・湛慶父子が滞在して、運慶が本尊薬師如来像と日光・月光菩薩像を製作。湛慶も毘沙門天像、吉祥天女像など3体の仏像を製作して安置したとされ、すべて国の重要文化財に指定されています。
【本尊:薬師如来】

桂 浜

民謡よさこい節でおなじみの、「月の名所」の桂浜は高知を代表する観光スポット。龍頭岬の上に、遠く太平洋の彼方を望む巨大な坂本龍馬像が建つ。周辺には坂本龍馬記念館や水族館、闘犬センターなども。
住所/高知県高知市浦戸9

MAP

知っておきたいお遍路の豆知識

お参りに欠かせない「数珠」は最も身近な法具です。

ご自身の数珠を持ちましょう

数珠は、持っているだけで功徳があるとされ、災いを取り除き、平穏や安らぎを得られるといわれています。数珠は貸し借りするものではありません。ご自身専用のものを持ちましょう。

本連と略式(片手)

珠の数が108個の本連(ほんれん)数珠と持ちやすくする為に珠の数を減らした、略式の数珠があります。四国遍路では本連数珠を持たれる方が多いようです。

本連数珠の扱い方

※宗派により異なります。


親玉を右手の中指に置き、左手の人差し指を輪の中に入れる。

ピンと張ります。

横にして、あやとりのように胸のところまで持ってきて、そのまま合掌します。

読経の際は左手首に一連で。
数珠は左手に持ちましょう

右手は仏様、左手は我々人間、合わせて合掌となりますが、仏様と我々凡夫が対等になるはずもありません。そこで、仏様の智恵と功徳をあらわす数珠を左手に頂くのです。

お経を読むときは左手首にかけて

読経の際は左手首に一連でかけます。これなら教本も持ちやすいですね。

左手に数珠を持って撫でましょう

お寺にはお釈迦様の足の裏のレリーフ「仏足石」や密教法具である「五鈷杵」など撫でてご利益を頂くものがあります。数珠で撫でることで功徳を数珠に貯めましょう。

腕念珠

パワーストーンや香木などを使った「お守りブレス」が人気ですが、梵字やお寺の名前が彫られているようなものは腕念珠として左手につけましょう。

福田 恵峰(けいほう)さん 福田 恵峰(けいほう)さん
神戸市在住。会社勤めをしながら週末だけの札所めぐりを続けて、現在までに20回以上巡拝。そのほとんどが歩き遍路である。歩くたびに新しい出会いがあり、新しい自分を発見すると言う。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク理事・女性お遍路相談員。www.omotenashi88.net

〈公認先達〉四国八十八ヶ所霊場巡拝を重ね、弘法大師の教えに帰依し、新しく巡拝する人たちにお遍路の心得などを指導し、手本となることができると認められた人。四国八十八ヶ所霊場会が審査、認定している。
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