ホーム > 瀬戸マーレ vol.34 > 恵峰さんと巡ろう 四国八十八ヶ所霊場

祈りの香煙にこころ安らぐ遍路旅。

お香の原料は香木や香辛料・漢方薬などです。
仏教とともに伝わり、僧が仏前を清め邪気を払うために用いましたが、その後、貴族や武士が香木の香りを楽しむなど生活に親しいものとなりました。
お参りでは線香を焚き、その香りに包まれることで日常の喧騒から離れて仏様を拝む心境に入ることができます。
お香で心身を清めながら、札所巡りを致しましょう。

線香の香りで清められた清浄な心で礼拝

第二十八番札所 法界山 大日寺

聖武天皇の勅願により行基菩薩が開創、のちに弘法大師が弘仁6(815)年、楠の立木に爪で薬師如来像を彫って祀り、当寺を復興したと伝わります。爪彫薬師は奥の院薬師堂に安置され、薬師堂脇には大師御加持水が今も湧いています。本尊の金剛界大日如来坐像(伝、行基菩薩作)、脇仏の聖観世音菩薩立像(伝、智証大師作)は共に国重要文化財に指定。
【本尊】大日如来

参道から石段を上り山門へ
奥の院薬師堂。手前に大師御加持水

第二十九番札所 摩尼山 国分寺

天平13(741)年、聖武天皇の発願により行基菩薩が開山。弘法大師が弘仁6(815)年、この地を訪れて毘沙門天像を刻み奥の院に安置したとされています。茸き寄棟造りの金堂(本堂)は室町末期の再建で、国重要文化財に指定。仁王門は江戸初期の建築で立派な二層造りです。境内庭園は手入れが行き届き整然として美しく、全域が国史跡に指定。
【本尊】千手観世音菩薩

風格ただよう仁王門
本堂は長宗我部元親が再建

第三十番札所 百々山 善楽寺

大同年間(806~810年)、弘法大師がこの地を訪れ、土佐国一ノ宮総鎮守(現在の土佐神社)の別当寺として善楽寺を開創したとされています。明治の神仏分離令で廃寺となりますが、その後再興されました。首から上の病や学問向上にご利益があるという梅見地蔵が有名でお参りが多く、また大師堂の弘法大師像は厄除け大師として信仰を集めています。
【本尊】阿弥陀如来

善楽寺ご住職が手に持つのは、漢方薬を配合したオリジナル塗香
左/安産や子宝祈願の子安地蔵も境内に 
右/元は梅の樹の下にあったので梅見地蔵

お遍路さんの香りグッズはココで!

大日寺門前の錦堂はお遍路用品の品揃えが豊富で、お香グッズなど必要な物は大概ここで購入できる。土佐手漉き和紙を使った納経帳や店主自筆の笠、金襴の小物入れなどオリジナル商品も多い。

【錦堂野市本店】

住所/高知県香南市野市町母代寺602-3
TEL/0887-56-1834
営業時間/7:30~17:00
定休日/無休

豆知識

塗香(ずこう)ってなに?

塗香は、心身を清めるために使用する粉末のお香です。手や体、衣服などに擦り付けて、香りを吸い込むことで身体を浄化します。普段の生活でも、香りのリラックス効果でストレス解消などに使えます。

塗香の使い方

①掌に載せる。
②両手で擦り広げる
③手や体、衣服に擦り付けます
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福田 恵峰(けいほう)さん

福田 恵峰(けいほう)さん

神戸市在住。会社勤めをしながら休日だけの札所めぐりを続けて、現在までに20回以上巡拝。そのほとんどが歩き遍路である。歩くたびに新しい出会いがあり、新しい自分を発見すると言う。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク理事・女性お遍路相談員。www.omotenashi88.net

〈公認先達〉四国八十八ヶ所霊場巡拝を重ね、弘法大師の教えに帰依し、新しく巡拝する人たちにお遍路の心得などを指導し、手本となることができると認められた人。四国八十八ヶ所霊場会が審査、認定している。

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