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情報誌「瀬戸マーレ」

あ!見つけた 瀬戸内の味【瀬戸大橋エリア】高知の土佐あかうし

「美味いぜよ」土佐あかうし 母なる大地と人に育まれて

びわ色の褐毛和種、土佐あかうし。
旨みたっぷりの赤身が多い肉は、さっぱりとした食後感が魅力で、
年間出荷数がわずか600頭ほどの希少価値のなか、人気が高まっています。

土佐あかうしの絶品な味は清らかな山と川で育つ

高知の美味なる土佐あかうし。そのきめ細かな肉質と、赤身の多いしっかりしたうま味が、グルメの関心を集めています。

褐毛和種とも言われる、土佐あかうしのルーツは韓牛で、明治時代に九州から移入されました。
もとは耕作牛であったのを、農耕の機械化により、肉用牛へ改良。黒毛和牛と並ぶ味の評価を得るまでになりました。

土佐あかうしの生産と肥育を行っている高知県長岡郡本山町を訪れると、その静かな山と川は絵のような美しさです。
本山町は、四国山地の中央で、吉野川上流域に位置し、嶺北地域の美しい自然に囲まれた町。吉野川沿いには、仔牛を産ませるための放牧場があり、牛たちがくつろぐ、のどかな光景が広がっています。

びわ色の毛並みも美しい土佐あかうし
びわ色の毛並みも美しい土佐あかうし。
目の周りと鼻、蹄、しっぽの先が黒い

人懐っこい土佐あかうしの健康管理に細心の注意を

土佐あかうしは性格が穏やかで、人懐っこい性格です。放牧されている母牛たちは、「自然の中で過ごすことから、元気で体力もあり、健康でストレスがないので、たいていの牛に、仔を産む力があります。ただ、初産は気をつけています」と、話すのは、土佐れいほく農協畜産部・部長の細川茂幸さん。
仔牛は、生後7~8か月で、肥育牛として畜舎に移ります。ここで大事に育てられる牛たちは「食べるエサの量で健康状態が分かります。ビタミン類の調整など、栄養数値を計算し、飼料には細心の注意を払います」。何度も噛む牛の反すう。胃の微生物の分解作用により栄養度を高めているので、「微生物の安定に気を遣います。これにムラが出ないような献立作りが大事です」。

細川さんはあかうしの生産から肥育、出荷までを行い、安全性を重視した、牛の健康に心配りしています。
放牧地と畜舎には、どこか聖域めいた穏やかな空気が漂っていて、食としていただくことに「ありがとう」と言ってみたくなりました。

山間にある放牧場と肥育牛舎
山間にある放牧場と肥育牛舎

肥育の牛舎
肥育の牛舎。
土佐あかうしは体が強く性格も温和で扱いやすいそう

赤身の味で勝負する あかうしの全国普及へ

食べた人に「おいしい!」と言わせる土佐あかうし。しかし、市場取引では、肉の評価基準はサシ、つまり霜降りの状態からランク付けされるので、あかうしにとって有利と言えません。その生産量は、農家や従事者が減ると共に減少しています。そんな中、県の広報活動も活発になり、熊本のあか牛、岩手の短角牛などと共に「赤身のうま味で勝負しよう!」と、細川さんたちも普及に力を尽くしています。

肉料理は多くの人が愛してやまないもの。さっぱりと食べたいという人や、肉本来の味をもっと知りたい、という人まで、「たくさんの人に土佐あかうしの良さを知ってもらいたいです」と、意気込みを語ります。

赤身にうまみぎっしりの土佐あかうし肉
赤身にうまみぎっしりの土佐あかうし肉

ここにもいるよ! 土佐の牛

早明浦ダムを北上した、険しい四国山脈にある秘境、大川村。日本で一番人口の少ない村です。かつて、ここでは黒牛生産が主体に行われていました。村の過疎化が進み、頭数も減少。今や村外で食べることは稀だといいます。
但馬牛を品種改良して生まれた大川黒牛は、山の天辺から麓近くまで、傾斜地の中で運動し、健康に育っています。高知の黒毛和牛の中でも、その味のコク深さは有名です。
毎年11月には「謝肉祭」として、『大川黒牛』と、村で近年力をいれている『土佐はちきん地鶏』をお腹いっぱい楽しめるイベントが開かれ、人気を博しています。
※詳しくは、ページ下おすすめ「大川村謝肉祭」へ。


【問い合わせ】大川村ふるさとむら推進行事実行委員会
TEL/0887(84)2201
謝肉祭は完全予約制

(写真上)大川村の黒牛(写真下)村で育てられる、土佐はちきん地鶏(写真上)大川村の黒牛
(写真下)村で育てられる、土佐はちきん地鶏
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地元土佐の食材で華麗なる一品へ

JR高知駅から歩いてすぐ、おしゃれな外観が印象的な利他食堂。
ここでは、土佐あかうしほか、高知の新鮮食材の料理を味わうことができます。

利他食堂の番頭さんこと、取締役統括の福岡啓太さんは、自他共に認める高知大好き人間。スマートな外見と、ふるさとへの熱い想いにあふれた、親しみやすい人柄も人気です。

その日仕入れた食材でメニューが毎日変わるなか、「土佐あかうしのタリアータサラダ仕立て」は定番の一つ。「お肉の味の濃さと、食感の柔らかさ。自家製イタリアンドレッシングと奏でる、肉のうま味をじっくりと味わって下さい」と、福岡さんは笑顔で話します。一晩で3皿おかわりしたツワモノもいる、人気メニューなので予約がベター。

(写真左)しょうゆが香ばしい、土佐あかうしの柳川風(写真右)タリアータサラダ仕立て
(写真左)しょうゆが香ばしい、土佐あかうしの柳川風
(写真右)タリアータサラダ仕立て
利他食堂

旅行者から地元の人までが集う利他食堂。「器は伊賀焼を多彩に用いて、料理を引き立てています」と福岡さん。


住所/高知県高知市相生町2の20
TEL/088(885)6983
営業時間/午前11時30分~午後2時、6時~深夜0時
休み/月曜(祝日は営業)
※土佐あかうしのメニューは予約がベター
URL/http://www.ritasyokudou.com/

利他食堂

初めての味に感激する若者の食育に貢献

坂本龍馬熱で、県外からの旅行者が増えるなか、「いい思い出を作ってもらいたいから、スタッフのテンションも上がります。ウチに来てから、好き嫌いがなくなった、という人もいますよ」。刺身が苦手な女性が、鮮度の良さと産地こだわりの魚で、お刺身料理に開眼したことも。「特に若い人は、味を知らない人も多いです。地元の常連さんで、唐揚げやギョーザばかり食べる若者がいて、あるとき刺身をサービスしたら、『おいしい!』と刺身ファンになって。他でも食べられるようになったと聞きました」。まさに食育です。

高知に来たら、地元の肉も魚も野菜も味わいたい、そんな思いを叶えてくれる一店です。

「地元にはこんなうまいもんがある、と知ってもらいたい」スタッフの元気もいい
「地元にはこんなうまいもんがある、と知ってもらいたい」
スタッフの元気もいい
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おすすめ

●大川村謝肉祭

毎年11月3日に開催。少数特産の大川黒牛と、土佐はちきん地鶏をいただける村のイベントです。標高750m付近の「白滝の里」が会場で、自然を満喫できます。


TEL/0887(84)2201 大川村ふるさとむら公社



大川村謝肉祭
●本山さくら市

本山町の農産物、特産品の販売所。新鮮野菜からお弁当までそろいます。


住所/高知県長岡郡本山町本山582の2
TEL/0887(76)2252
営業時間/午前7時~午後6時
休み/年始


本山さくら市
●いかだ祭り

吉野川の早明浦ダムから本山河原までをいかだで下るタイムレース。
2010年は8月8日(日)に開催。参加、大歓迎。


TEL/0887(76)4187 本山町観光協会




いかだ祭り
●焼肉 広州

土佐あかうしの焼肉が楽しめる、韓国式焼肉店。
自家製タレやコチジャンも3種類を用意。駐車場完備。


住所/高知県高知市杉井流2の24
TEL/088(880)1718
営業時間/正午~午後2時(平日は要確認)、6時~11時(予約は5時~可)
休み/年中無休

焼肉 広州
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