施工技術

下部工

洗掘防止工

強潮流下における巨大基礎を転倒から守る洗掘防止対策工の開発

明石海峡大橋では、強潮流により基礎周辺の海底地盤が洗掘され、そのままでは基礎が倒れてしまいます。

長年にわたる実験室や現地における多くの水理実験から洗掘状態を確認し、信頼性と短期間での施工性を考えた対策工が開発されました。

基礎形式

大水深、強潮流下での安全・確実な基礎構築方法の開発

本州四国連絡橋実現の鍵は、大水深、強潮流を克服することでした。

そのため、長年にわたる様々な現地実験、建設作業機械の開発・実験を通じて、従前の陸上施工を基本とする考え方とは発想の異なる設置ケーソン工法、多柱式基礎工法を開発しました。

これらの基礎工法を実現するために、さらに水中発破工法、グラブ船を使った強潮流下での海底掘削工法、などを開発しました。

上部工

ケーブル

吊橋ケーブルの施工期間の短縮、品質向上を図る架設工法の開発

世界の長大橋では、ケーブルの架設工法として1本づつ素線を引き出すエアスピニング工法が一般的でした。

本州四国連絡橋のほとんどの吊橋には、実橋における施工性試験・調査を経て、強風下においても施工性や品質の低下を防ぎ、施工期間が短縮できるプレハブストランド工法を採用しました。

橋の長大化に備えると同時に、品質向上と急速施工を図りながら経済性を追求してきました。

制振システム

風で揺れない塔や桁の制振システムの開発

細長く高くなる長大構造物の架設状態は不安定なため、わずかな風にでも揺れ、施工性が低下し、品質を損ねてしまいます。そのため塔や桁の風洞試験と解析によって振動現象の解明を行い、構造物の特徴を考えた合理的で経済的な制振装置と制振方法を開発しました。

桁の架設

強潮流下の直下吊り作業を可能にする台船の自動位置制御システムの開発

吊橋の補剛桁を短期間に、安全、確実、経済的に架設するためには直下吊り工法は最良の工法の一つですが、強潮流下で台船を停める必要がありました。

そこで、位置計測システムを利用した、潮流下でも定点保持が可能な自航運搬台船の自動位置制御システムを開発しました。

これにより潮流下でも直下吊り作業が可能になり、安全確実に短期間で補剛桁が架設できました。