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アートトラベラー

蘭島閣美術館 純和風の空間で日本画を堪能

美術館には珍しい木造建築の蘭島閣美術館。靴を脱いで入館し、くつろいで鑑賞できる。

とびしま海道の一番西に位置する下蒲刈島。その海沿いに美術館や歴史資料館が集まる一角があります。石畳が続き、松や日本の伝統建築が立ち並ぶ風景は日本庭園のような美しさ。

その中で木造建築の荘厳な佇まいを見せるのが蘭島閣美術館です。純和風の空間は繊細な意匠が施され、建物そのものがまるでアート。日本画を中心に油彩画、版画など約2千点のコレクションがあり、郷土ゆかりの作家や横山大観、平山郁夫ら日本を代表する作家の作品を楽しめます。輪郭を描かず色彩の重ねやぼかしで表現した横山大観の絵は、見入ってしまいます。

毎月第3土曜日にはギャラリーコンサートも行われ、有名な音楽家の美しい音色に浸れます。

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周辺施設を巡り、一日中楽しもう

下蒲刈島は古くから海上交通の要衝で、参勤交代の西国大名や、朝鮮通信使、琉球使節が立ち寄る地でした。蘭島閣美術館周辺は、その歴史と文化を生かしたガーデンアイランドとして整備され、一日ゆっくり散策できます。

三之瀬瀬戸の急潮を見渡すように広がっているのは、松濤園。園内には富山県砺波地方や広島県宮島町などから移築された4つの建物が並び、世界のあかりや陶磁器などテーマごとに展示されています。興味深いのは、朝鮮通信使の資料。来島する通信使や町の様子がわかるジオラマや饗応料理の復元模型などがあり、当時の広島藩の歓待ぶりに目を見張ります。上陸の際に実際に使われた長雁木が、歩いて数分の所に残っているのも感慨深いものです。

その長雁木の前には、江戸時代に対馬藩の宿泊所だった本陣の外観を復元した三之瀬御本陣芸術文化館があります。中は外観とは違って現代的な造りで、須田国太郎の常設展とあわせて日本近代美術の油彩画を中心に紹介しています。

疲れたら小高い丘に立つ白雪楼へ。江戸末期の豪農のお茶室を移築した建物で、景色を眺めながらいただくお茶は格別のおいしさです。

DATA

白雪楼
住所/広島県呉市下蒲刈町三之瀬197
TEL/0823-65-3066
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)
料金/大人400円、高校生240円、小中学生160円

三之瀬御本陣芸術文化館
住所/広島県呉市下蒲刈町三之瀬311
TEL/0823-70-8088
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)
料金/一般500円、高校生300円、小・中学生200円

松濤園
住所/広島県呉市下蒲刈町下島2277-3
TEL/0823-65-2900
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)
料金/一般800円、高校生480円、小・中学生320円

蘭島閣美術館
住所/広島県呉市下蒲刈町三之瀬200-1
TEL/0823-65-3066
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)
料金/一般500円、高校生300円、小・中学生200円

MAP

イベント情報

所蔵品展Ⅲ 『瀬戸内の画家たち』後期

2019年7月31日(水)~9月9日(月)
コレクションの中から瀬戸内地域ゆかりの画家の油彩画を特集して展示。呉市安浦町出身で穏やかで温かな作風で知られる南薫造や、写実絵画の重鎮で、平成の天皇皇后両陛下の肖像画を描いた野田弘志の作品などを楽しめます。

南薫造《瀬戸内風景》キャンバス・油彩 蘭島閣美術館蔵

秋季特別展 『日展日本画の華 佐藤太清と児玉希望、奥田元宋』

2019年9月14日(土)~11月11日(月)

佐藤太清《睡蓮》紙本彩色 福知山市佐藤太清記念美術館蔵

せとうち美術館ネットワーク
スタンプラリー

実施中~2020年3月31日

本四高速道路が、瀬戸内の美術館・博物館と連携し、瀬戸内のアートの魅力を発信する「せとうち美術館ネットワーク」。右の冊子についている割引券を使って、72の美術館・博物館を巡ると、スタンプの数に応じて賞品が当たります。
冊子は、ネットワーク施設と本四高速道路SA・PAで配布しています。
https://www.jb-honshi.co.jp/museum/

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