HOME > せとうち美術館サミット > 第3回せとうち美術館サミット特別講演

せとうち美術館サミット活動記録

第3回せとうち美術館サミット特別講演

瀬戸内地域にある文化芸術施設の発展と地域の活性化を図るため、2008年10月に6施設から開始した「せとうち美術館ネットワーク」は、現在39施設に拡大し鋭意展開中です。

この度「せとうち美術館ネットワーク」事業の一環として、10月22日(土)に「香川県立ミュージアム」(高松市玉藻町)において開催された、「せとうち美術館サミット」特別講演会、及び、参加施設関係者が一堂に会するサミットについて報告いたします。

特別講演会では、当ネットワーク事業が取り組んでいる美術教育普及活動について広く知っていただくため、教育関係者をはじめとして一般の方々にも参加を呼びかけたもので、ネットワーク参加美術館施設の代表者をはじめ、ネットワークアドバイザーの学識経験者及び一般の方々など、総勢約120名の参加がありました。


会場の様子

子どもと見るアート-美術館を活用した鑑賞教育-

講演では、東京国立近代美術館 主任研究員 一條彰子(いちじょう・あきこ)氏から、「子どもと見るアート-美術館を活用した鑑賞教育-」と題し、知識を詰め込む美術鑑賞から、子どもの観察力や発想力、コミュニケーション力を引き出す対話型鑑賞の重要性について、実例を交えてご講演いただきました。

ご自身が今年の2月から3月にかけて日本経済新聞に連載された「子どもが見たアート十選」を一例とし、作品を鑑賞した子ども達がどのように反応したかをご紹介いただきながら、対話的な鑑賞によって子ども達が自分の持つ力(想像力、知識、経験、推理、物語世界の創作など)を発揮し、その能力を伸ばす可能性についてご講演いただきました。


一條彰子氏 講演会の様子

>>当日の配布資料

ミュージアムのネットワークを考える 東京・港区 みなとミュージアムズの事例から

ミュージアム専門誌「ミュゼ」編集長 山下治子(やました・はるこ)氏からは、「ミュージアムのネットワークを考える 東京・港区 みなとミュージアムズの事例から」と題し、ミナトミュージアムズでの事例報告を通じた、各参加施設の特色や運営主体の特性などから生まれるネットワーク運営上の困難やその発展可能性についてご講演いただきました。

ご自身が編集長である美術専門誌「ミュゼ」の誕生に関わる逸話「ミュージアムを自分化する。」というコンセプトについてご紹介いただき、平成17年度から計画を進めてきたネットワーク事業におけるスタンプラリー、親子バスツアー等の共同・連携事業についてご紹介いただきました。

連携事業の中でもみなとミュージアムズを活用した高齢化支援事業については、ネットワークのニーズがとりわけ大きいことが紹介されました。さらにネットワーク内外から多くの市民が美術館を活用するために積極的にネットワークにアクセスする可能性を示唆していただきました。ご講演全体として地域の住民がより良き「ミュージアム使い」になるためのご提言をいただきました。


山下治子氏  講演の様子

>>当日の配布資料