- スティールハットそのものが瀬戸内海に浮かぶ船のよう。屋外展示物もあり、ゆっくり散策できる。
大三島の西南端に突如現れる不思議な建物。黒っぽい多面体が連結し、景観に溶けこんでぽっかり浮かぶように建っています。ここが世界的建築家、伊東豊雄氏の活動を紹介するミュージアムです。スティールハットと名づけられたその展示棟は、垂直に立つ壁がひとつもなく、球体に包まれている安心感に満たされながら展示を見ることができます。ここ数年は、伊東氏が塾長を務める伊東建築塾が中心になって取り組む「日本一美しい島・大三島をつくろうプロジェクト」の活動内容や提案を紹介。東日本大震災が伊東氏に建築家としての意義を改めて考えるきっかけを与えたといい、伊東氏自身が魅了された大三島の自然や人々の生活を通して、これからの暮らし方を見つめることができます。
スティールハットを下った場所には、伊東氏の旧自邸シルバーハットが再現され、館内ではコンペティション応募案や図面、建築関連の図書を閲覧できます。どちらも建物自体が見ごたえがあり、ミュージアムからは海を見渡せ、大三島の自然を体感しながら豊かな時間を過ごせます。