
身につけるとき、刀は刃を上にして腰の帯に差すことから展示では刃を上に、太刀は刃を下にして腰に吊り下げることから刃を下に展示している
日本刀の一大産地として栄えた備前長船。その地に伝わる名刀を中心に、現代に備前刀を復興させた今泉俊光の刀剣など約350点をコレクションする備前長船刀剣博物館は、常設展をはじめ、特別展でアニメとコラボレーションするなど刀剣の多彩な魅力を楽しめるスポットです。じっくり鑑賞すると地がねの質感や景色、そり具合、鋒(きっさき)と呼ばれる刀の先の形状が時代によって特徴があり、刃文といわれる文様も波や花びらのように見え、その総合美に見ほれてしまいます。
併設する工房では刀剣づくりの工程を見ることができ、技を受け継ぐ職方たちが刀を研ぎ、刀身に梵字や装飾図を彫る繊細な手仕事に目を奪われてしまいます。圧巻は毎月第2日曜日に刀鍛冶によって行われる古式鍛錬。小刀やペーパーナイフづくりを体験できる講座もあり、刀剣の魅力をあますところなく堪能できます。