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心ときめく作品に出会える、瀬戸内の美術館めぐり

時代やジャンルも多彩な岡山ゆかりの作品が続々 岡山県立美術館

 

岡山後楽園を中心に美術館や博物館が集まる一画に岡山県立美術館があります。石とタイルを組み合わせた重厚な建物の内部は驚くほど開放的で、窓から射しこむ陽光や竹林に癒されながらゆっくり作品を鑑賞できます。
収蔵されているのは、岡山ゆかりの作家や作品。できるだけ多くの作品に触れてほしいと年8回ほど展示替えを実施。「岡山の美術」展と題して特定のテーマやジャンルを掘り下げた展示が行われ、岡山地域の芸術に対する視点を深められます。心のおもむくままに筆をとり、詩情あふれる繊細な山水表現を確立した浦上玉堂、アメリカに渡って活躍した洋画家・国吉康雄、ほかにも雪舟や宮本武蔵など時代もジャンルも多彩で、いつ訪れても新鮮です。ナビゲートスタッフとおしゃべりしながら鑑賞できる対話型鑑賞体験ツアーもあり、肩ひじ張らずに楽しめます。

DATA

住所/岡山県岡山市北区天神町8-48
TEL/086-225-4800
開館時間/9:00~17:00(最終入館時間 16:30)
休館日/ 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間中
料金/岡山の美術展 一般350円、大学生250円、小中校生無料、65歳以上170円 ※特別展、企画展は異なります。

MAP

イベント情報

■「文人として生きる―浦上玉堂、春琴・秋琴親子の芸術」

期間/9月23日(金)~10月30日(日) 備中鴨方藩を脱藩し、独自の山水表現を成した浦上玉堂。その長男春琴は温和で洗練された画風、二男秋琴は音楽面で活躍しつつ闊達な水墨を描きました。そんな父子の珠玉の作品を一覧できます。

■岡山の美術展・特別陳列「国吉康雄―日本とアメリカ 岡山のコレクションから」

期間/9月23日(金)~11月6日(日) 岡山市に生まれ、1906年に移民として渡米した国吉康雄。社会の周辺に生きる女性や自らの心情を投影したかのような風景や静物などで高い評価を得た画業に迫ります。

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原始・古代から近世まで、岡山の歴史と文化が一目瞭然 岡山県立博物館

4つの展示室があり、平常展では時代やテーマごとに資料を展示

古くは吉備国と呼ばれ、優れた文化が発達した岡山県。それら貴重な文化遺産を通して岡山の歴史や文化に触れられるのが、岡山後楽園の正門前にある岡山県立博物館です。遺跡からの出土資料や、仏教美術、古文書、岡山県の伝統工芸の備前刀・備前焼など幅広い実物資料は、平常展でほぼ1ヶ月ごとに展示替えを行いながら紹介されています。
必見は、国の重要文化財の特殊器台。弥生時代の終わり頃に作られ始めた葬送用の特別な壷などをのせる台で、弧を描く帯のような特殊な紋様が刻まれ、古墳時代の円筒埴輪につながるものとして学術的に高い価値があります。通史コーナーでは岡山県の歴史の流れを知ることができますから、ここを先にチェックして展示を見るとより理解が深まります。
ユニークな視点で迫った企画展や交流展、全館使った特別展もあり、見ごたえ十分です。

DATA

住所/岡山県岡山市北区後楽園1-5
TEL/086-272-1149
開館時間/4月~9月9:00~18:00、10月~3月9:30~17:00
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~31日、1月4日 ※変更の場合あり
料金/一般250円、65歳以上120円、高校生以下無料 ※特別展は異なります

MAP

イベント情報

■特別展「カミとほとけの姿―岡山の信仰文化とその背景―」

期間/9月9日(金)~10月16日(日)(期間中は平常展なし) 岡山県に伝わる宗教美術を紹介し、時代とともに移り変わる「カミ」と「ほとけ」の姿から、その背景にある人々の信仰について考えます。

■特別展「東寺百合文書世界記憶遺産登録記念 新見荘〜中世荘園の記憶〜」

期間/10月21日(金)~11月20日(日) ユネスコの世界記憶遺産に登録された国宝「東寺百合文書」。同文書に記録されている中世の岡山県下の荘園世界について、新見荘を中心に紹介します。

 

せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてのアートの魅力を発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。今回紹介した2つの美術館を含め、魅力ある62の美術館・博物館が参加しています。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて、教育普及活動にも力を尽くしています。
HP/http://www.jb-honshi.co.jp/museum/

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