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眺望までも好きになる美術館 大三島

大三島には個性あふれる美術館が多く、のんびり美術館巡りを楽しめます。
なかでも海岸沿いに建つ2つのミュージアムは瀬戸内の美しい景色を一望でき、ゆったり作品に向き合える場所です。

建築家が提案する建物と新しい暮らし方を知る 今治市伊東豊雄建築ミュージアム

スティールハットそのものが瀬戸内海に浮かぶ船のよう。屋外展示物もあり、ゆっくり散策できる。

大三島の西南端に突如現れる不思議な建物。黒っぽい多面体が連結し、景観に溶けこんでぽっかり浮かぶように建っています。ここが世界的建築家、伊東豊雄氏の活動を紹介するミュージアムです。スティールハットと名づけられたその展示棟は、垂直に立つ壁がひとつもなく、球体に包まれている安心感に満たされながら展示を見ることができます。ここ数年は、伊東氏が塾長を務める伊東建築塾が中心になって取り組む「日本一美しい島・大三島をつくろうプロジェクト」の活動内容や提案を紹介。東日本大震災が伊東氏に建築家としての意義を改めて考えるきっかけを与えたといい、伊東氏自身が魅了された大三島の自然や人々の生活を通して、これからの暮らし方を見つめることができます。
スティールハットを下った場所には、伊東氏の旧自邸シルバーハットが再現され、館内ではコンペティション応募案や図面、建築関連の図書を閲覧できます。どちらも建物自体が見ごたえがあり、ミュージアムからは海を見渡せ、大三島の自然を体感しながら豊かな時間を過ごせます。

DATA

住 所/愛媛県今治市大三島町浦戸2418
TEL/0897-74-7220 開館時間/9:00~17:00
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、12月27日~31日
料 金/一般800円・学生400円
高校生以下または18歳未満は無料

MAP

イベント情報

■新しいライフスタイルを大三島から考える

期間/2017.7.1sat~2018.6.15fri
「土地に接した暮らし・時間を大切にする暮らし・自給自足を目指す暮らし・シェアする暮らし」の実現に向けて大三島で取り組んでいる11のプロジェクトを紹介。写真家の西部裕介氏が撮影した大三島の人々の写真も展示されます。

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島景色と一体になったオープンエアのミュージアム ところミュージアム大三島

瀬戸内の多島美が広がるこのロケーションが気に入って建てられたという。斜面を生かして登り窯のように細長く設計された建物や展示作品などすべてに、自然と一緒に楽しんでほしいという思いが反映されている。

海へ続く傾斜地に沿うように建つ、ところミュージアム大三島。実業家の所敦夫氏が景色と一緒に楽しめる美術館を作りたいと形にしたもので、5つのフロアに現代作品が展示されています。入り口の扉は、ノエ・カッツの「キッシング・ドア」。見つめ合う男女が来館者を迎え入れ、インパクトがあります。中に入ればさらに驚かされます。天井から自然光が降り注ぎ、下から上のフロアまで風が通り抜け開放感いっぱい。作品を見るには外階段を使ってフロアを下っていくのですが、自然もアートの続きのように楽しめユニークです。駅のキヨスクを木材で表現した林範親や、サン・ピエトロ寺院大聖堂の門扉を制作したジャコモ・マンズーの彫刻など、個性豊かな作品は角度によって印象が異なり見飽きません。
極め付けは最下層のフロア。オープンテラスになっていて、海や空の青と木々の緑のコントラストが現代アートと一体になり、まさに絶景。冬はみかん畑のオレンジ、夏は強い日差しを浴びてキラキラ輝く波間が加わり、時間がたつのを忘れて見とれてしまいます。

DATA

住 所/愛媛県今治市大三島町浦戸2362-3
TEL/0897-83-0380 開館時間/9:00~17:00
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、12月27日~31日
料 金/一般300円・学生150円
高校生以下または18歳未満は無料

MAP
 

せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてのアートの魅力を発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。今回紹介した2つの美術館を含め、魅力ある64の美術館・博物館が参加しています。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて、教育普及活動にも力を尽くしています。
HP/http://www.jb-honshi.co.jp/museum/

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