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アートトラベラー

香川県 地中美術館 直島の自然を生かした美術館

地中美術館 写真:大沢誠一

瀬戸内海に浮かぶ直島は現代アートが点在し、島そのものが美術館のような場所。船で渡るアートの旅は、非日常の時間や風景、空気とともにそこでしかできない鑑賞体験を楽しめます。そのひとつ、地中美術館は名前の通り建物のほとんどが地中に埋められています。設計したのは建築家・安藤忠雄で、瀬戸内の自然を損ねないようにと考えられました。館内は地中でありながら自然光が降り注ぎ、陽光にきらめいたり、雨の日は暗かったり、いろんな表情を見せます。長い通路や吹き抜けの中庭を歩いているといつしか雑念が消え、感覚が研ぎ澄まされていくのがわかります。

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空間ごと刻一刻と変化する作品を体感

地中美術館に展示されているのは、光の変化を探究したクロード・モネの「睡蓮」と、モネと同じく光を作品に取り入れたウォルター・デ・マリアとジェームズ・タレルの作品です。どれも作品と空間が一体となって作られ、体感できるのが魅力です。

モネは一つの部屋を巨大な「睡蓮」のキャンバスで埋めつくす構想を持っていましたが、それを再現するように「睡蓮」シリーズの5点が部屋を取り囲むように自然光の中で展示されています。まばゆい日差しや雲の陰りなどさまざまな光が画面と絡み合い、モネが描いた庭に佇んでいる気分になります。

ウォルター・デ・マリアの部屋は神殿のよう。階段状の大空間に直径2.2mの黒い球体と金箔をほどこした27対の彫刻が配置され、東西に長い天窓から差し込む光が時間とともに移動し、変化する光と影に神々しさを感じます。

光そのものを作品にするジェームズ・タレルは3つの作品があります。目でとらえる光から、光の中に入り感じる作品へ、制作順に鑑賞するとタレルが光とどのように向き合ってきたかがわかります。

作品は恒久設置され、訪れるたびに感じ方が変わるのが面白いところ。直島という場所もあいまって何度でも訪れたくなります。

DATA

地中美術館

住所/香川県香川郡直島町3449-1
TEL/087-892-3755
開館時間/[3/1~9/30]10:00~18:00(入館は17:00まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)
料金/2,100円、15歳以下無料
※オンラインチケットによる事前予約制
駐車場/あり

地中美術館は作家と安藤忠雄が対話しながら作りあげた美術館。直島、そして地中美術館でしか出会えない空間、時間が広がっている。

MAP

せとうち美術館ネットワーク
スタンプラリー実施中

2021年4月1日~2022年3月31日

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冊子は、ネットワーク施設と本四高速道路SA・PAで配布しています。
https://www.jb-honshi.co.jp/museum/

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