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アートトラベラー vol.12

洋画と漫画、2人の天才の
感性に触れる旅へ

兵庫県 神戸市立小磯記念美術館

昭和を代表する洋画家小磯良平の足跡を辿る

小磯良平の制作現場であったアトリエを、美術館の中庭に移築・復元しています。

神戸に生まれ、神戸で制作を続けた洋画家小磯良平は、1988年12月に惜しまれつつこの世を去りました。その翌年に油彩・素描・版画など約二千点の作品が、アトリエ・蔵書・諸資料と共に、ご遺族より神戸市に寄贈されたことが美術館の始まりです。 現在の所蔵作品は、小磯良平に加え彼とゆかりの深い画家の作品も含めて約三千三百点になります。 美術館の中庭は、小磯邸に植えられていた植物を元に植栽し、アトリエを移築・復元して公開しております。

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画業60年を記念した青池保子の漫画原画展

神戸市立小磯記念美術館は2022年秋に開館30周年を迎えました。六甲アイランドに初めて出来た美術館であり、この夏は初の試みとして漫画原画展を開催します。独創的な世界を築いてこられた青池保子氏(山口県下関市出身)の画業60年を記念し、美術や歴史に題材をとった緻密な原画300点以上を、8章構成で展示します。 氏のデビューは早く、「さよならナネット」を発表したのは中学3年生でした(1963)。1973年、専属のフリーとなり、「とにかく面白い事をやろう」と1976年から『プリンセス』(秋田書店)で連載を始めた「イブの息子たち」は、少女漫画界に衝撃を与え、性別年代をこえてファン層が拡大しました。

1977年より「七つの海七つの空」「エルアルコン-鷹-」を発表。同年から連載を始めた「エロイカより愛をこめて」は最大の人気作となりました。 1970年代末頃から1980年前半頃、氏はこれら画期的な作品群の連載を並走させ、また新書館が発行した雑誌『グレープフルーツ』において、 1981~86年に、実在する歴史上の人物たち、それも権力の高みにありながら、ままならぬ運命をたどった人々の肖像をリアルに美しく描きました。

イベリア半島統一を目指したドン・ペドロ王に関心を抱いた氏は、1984年から彼の生涯をたどる「アルカサル-王城-」の連載を始め、24年をかけて完結させました。 資料を読み込み、円熟期の画力で描いたこの歴史物語により、第20回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞しました。 1990年代以降は「修道士ファルコ」(1991~)と「ケルン市警オド」(2016~)を連載、これらは中世3部作と呼ばれています。 数百年前の欧州地域における社会と人々の暮らしが、異なる階層(王、修道士、官吏)の視点で描かれ、併せ読むと重層的に理解できる点も特筆すべきです。 秋田書店が所蔵する数百点のカラー原画から厳選した作品、今までの展覧会では出なかったモノクロ作品の数々、資料を一堂に紹介します。

特別展 漫画家生活60周年記念 青池保子展 Contrail 航跡のかがやき 2023年 7月15日(土)~9月24日(日)

DATA

神戸市立小磯記念美術館

住所/神戸市東灘区向洋町中5丁目7 六甲アイランド公園内
TEL/078-857-5880
開館時間/10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日/月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌日) 年末年始(12/29〜1/3)、展示替え期間ほか
料金/収蔵作品展 一般200円、大学生100円、高校生以下無料 ※特別展などの入館料はその都度異なる
駐車場/地下に六甲アイランド公園西駐車場(有料)
アクセス/
●国道43号線の東御影または東明交差点を六甲アイランド方面へ
●阪神高速湾岸線六甲アイランド北出口西へ
●JR住吉駅・阪神魚崎駅で六甲ライナーに乗り換え
●アイランド北口駅下車、西へ徒歩すぐ

MAP

展覧会情報

「特別展 小磯良平生誕120年 働く人びと」

2023年10月7日(土)~12月17日(日)
小磯良平の画業最大の作品《働く人びと》(1953年、194.0×419.0cm)をはじめ、小磯が「働く人」を描いた1950年代の作品が一堂に会します。また、戦後から現代に至るまでのさまざまな芸術家の作品から、「働く人」がどのように表現されてきたのかを探ります。

「コレクション企画展示 サインのない絵画きらめく原石たち」

2024年2月17日(土)~3月31日(日)
小磯アトリエに残された「サインのない」絵画は、完成作には見られない魅力を放っています。サインのない絵画に、作品の原石の輝きをお楽しみください。

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