ホーム > 瀬戸マーレ vol.39 > 恵峰さんと巡ろう 四国八十八ヶ所霊場

阿波国最大の難所の下りは、温泉でパワーをチャージ。

焼山寺は阿波国最大の難所にして、四国霊場で2番目に高い山岳札所。
標高938mの山の8合目付近にあり、杉の老木が並ぶ深山幽谷の気配に身が引き締まります。
次の大日寺へは山を下って向かいますが、途中、歩き疲れた体を癒やしてくれるのが神山温泉。
春にはしだれ桜が沿道を彩り、目を楽しませてくれます。

第十二番札所 摩廬山 焼山寺

飛鳥時代に役行者が山を開き、蔵王権現をまつったのが寺の始まりとされている。昔から険しい坂道の難所を辿る修行の霊場であった。弘法大師が訪れた時、この山に住む大蛇が火を噴いて進路を妨害したが、大師が祈ると虚空蔵菩薩が現れ、大蛇を岩窟に封じ込めることができた。大師自ら三面大黒天を彫り岩窟に安置。山は焼山となってしまったため、寺にその名が付けられている。
【本尊】虚空蔵菩薩

樹齢300年を超える大杉に覆われ、荘厳な雰囲気が漂う。幹周り5mもある巨木もあり、天然記念物に指定されている。
参道には薬師如来や大日如来などさまざまな仏が並び、普段なかなか目にできないお姿を拝める。
山の霊気と静寂に包まれた境内。三面大黒天、本堂、大師堂と堂宇が並ぶ。
むきだしになった岩盤を背にした仏に見守られ、自然のパワーや神秘さを感じる。

天女が授けた湯で疲れを癒やす。

焼山寺から大日寺へ向かう中間あたりにある神山温泉は、お遍路さんに人気の名湯。天女が授けた霊水といわれ、江戸時代には湯屋が設けられ、多くの人々を癒やしました。重曹を含んだ食塩泉は独特のぬめりがあり、肌がつるつるになり、長く湯冷めしません。食事や宿泊もでき、泊まるのもおすすめ。神山町はIT企業や若者が移住し、おしゃれなショップが多く、豊かな里山の魅力とともに楽しめます。

神山温泉 ホテル四季の里&いやしの湯

住所/徳島県名西郡神山町神領本上角80-2
TEL/088-676-1117
営業時間/10月〜3月10:00〜20:00 4月〜9月10:00〜21:00
定休日/第4火曜日(祝日の場合は営業)
料金/【日帰り入浴】大人600円、子ども300円 【宿泊】1泊2食付10,800円~

第十三番札所 大栗山 大日寺

弘法大師がこの寺付近の「大師が森」で護摩修行中、空中から紫雲とともに大日如来が出現。そのお告げにより大日如来の姿を刻んで本尊とし、堂宇を建てて安置した。その後、阿波の総鎮守である一宮神社が建てられ、別当寺として管理にあたっていた。明治の神仏分離令により神社は独立。この寺にあった大日如来像は脇仏となり、一宮神社にあった十一面観音像が本尊としてまつられている。
【本尊】十一面観世音菩薩

一宮神社との境になっていた山門を復元した薬医門。屋根の中心が前方に寄っているのが特徴。
薬医門をくぐって左が本堂、反対側が大師堂で、正面には幸せの願いを祈る「しあわせ観音」がある。

豆知識

遍路の元祖、衛門三郎を偲ぶ。

焼山寺からしばらく下ると、杉とイチョウの大木がある小さな庵、杖杉庵(じょうしんあん)が目に飛び込んできます。ここは自らの悪業に気づき、弘法大師の後を追って懺悔の旅をしていた衛門三郎が最期を迎えた場所。四国霊場を周ること21回目、力尽きて果てる寸前に弘法大師に会うことができました。弘法大師が衛門三郎が持っていた杖を墓標代わりに立てたところ、その杖から芽が出て大きな杉に育ったといわれています。

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福田 恵峰(けいほう)さん

福田 恵峰(けいほう)さん

神戸市在住。仕事を持ちながら休日だけの札所めぐりを続けて、現在までに20回以上巡拝。そのほとんどが歩き遍路である。歩くたびに新しい出会いがあり、新しい自分を発見すると言う。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク理事・女性お遍路相談員。www.omotenashi88.net

〈公認先達〉四国八十八ヶ所霊場巡拝を重ね、弘法大師の教えに帰依し、新しく巡拝する人たちにお遍路の心得などを指導し、手本となることができると認められた人。四国八十八ヶ所霊場会が審査、認定している。

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