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心ときめく作品に出会える、瀬戸内の美術館めぐり

新居浜市の文化や芸術との出会いを楽しむ あかがねミュージアム(新居浜市美術館)

吹き抜けが開放的で、白を基調に曲線を多用した空間がおしゃれ。屋内ステージでは演劇や音楽会などが開催される。

銅板を貼りめぐらせた外観が圧倒的な存在感を放つあかがねミュージアム。新居浜市の文化芸術活動の拠点で、広々とした空間には新居浜市美術館を中心に、太鼓台ミュージアムや地域の歴史文化が学べるギャラリー、多目的ホール、スタジオ、カフェなどがあり、いろいろな楽しみ方ができます。
新居浜市美術館は2階にあり、吹き抜けを囲むように展示室が並んでいます。年に約2回開催される企画展では、新居浜や地域ゆかりの作家や作品を多く展示。なかでも別子銅山で栄えた地であることから住友家とつながりが深く、住友家ゆかりの作家として黒田清輝の「虞美人草」や鹿子木孟郎「牛」などを収蔵するとともに、地域にまつわる多様な美術品をコレクションしています。今冬には「コレクション・テーマ展1」が開催され、新居浜にまつわる多彩な作家に出会えます。
他にも、館内ではその時々によってワークショップや映画上映などさまざまなイベントが行われていて、充実した時間を過ごせます。

DATA

住所/愛媛県新居浜市坂井町2-8-1
TEL/0897-65-3580
開館時間/9:30~17:00
休館日/月曜日(第1月曜日は開館、翌火曜日が休館)
※月曜が祝日の場合は翌火曜休、年末年始(12/29~1/1)
料金/企画展ごとに異なります。

あかがねとは銅のこと。外壁には銅板が流線型に貼られ、蛇篭や外構には愛媛県の大洲地方で採掘される青石が使用されるなど、新居浜市のシンボルになっている。

イベント情報

■企画展 新居浜の郷土作家シリーズⅠ
「日野功洋画展 郷土を愛する色彩画家」

2018.12.22sat~2019.1.20sun
新居浜在住の洋画家として活動し、指導者、審査員として地域の洋画発展に尽力する日野功。その半世紀にわたる画業の歩みを色彩豊かな約50点の大作で振り返ります。

■新居浜市美術館コレクションⅠ
「パッケージデザイン 秋月繁×角谷昭三」

2018.12.22sat~2019.2.11mon
将来洋画家になることを夢見て、オリゾン洋画研究所で研鑽に励んだ秋月繁と角谷昭三。その後、秋月は東京、角谷は高松でデザイナーとして特に広告・宣伝分野において活躍します。二人がそれぞれの表現を追求する軌跡を辿ります。なお、阿波土産としておなじみの「金長まんじゅう」のパッケージは角谷が手がけています。また、新居浜で後進の育成に力を注いだ寺坂公雄氏の画業も紹介します。

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唯一無二の陶板画に囲まれる幸せな空間 ミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館)

不等辺四角形の建物は建築家・長谷川逸子氏によるもの。道路に面した外壁には、長谷川氏制作の陶板画が並ぶ。

陶の板に焼き付けた絵が生命を持っているかのように心に響く。そんな素晴らしい陶板画を見ることができるのが、ミウラート・ヴィレッジです。ボイラなどをつくる三浦工業㈱の創業者三浦保氏が生前に企画した美術館で、独特の美術空間を創り出しています。
三浦氏は事業家であると同時に芸術を愛し、印籠、ローマングラス、現代アートなど多様な作品を収集し、自らも創作活動に取り組みました。なかでも力を入れたのが陶板画制作です。仕事で培った技術を生かし、陶板画を焼くための窯づくりから釉薬の配合、焼成温度まで研究に研究を重ね、誰にも真似できない独自の陶板画芸術を開拓。識者により「ミウラート」と名付けられました。屋外ギャラリーでは、複雑な色やタッチ、つるつる、ざらざら、水滴が落ちたような質感などさまざまなミウラートや、彫刻作品を楽しめます。
屋内展示もあり、愛媛ゆかりの作家や他ではあまり見ることのできない作品、収蔵品などを展示。建物自体もアートで、三浦氏が好きだった不等辺四角形をベースにデザインされ、入り口から奥に行くにつれ天井が高くなり、不思議な感覚を覚えます。

DATA

住所/愛媛県松山市堀江町1165-1
TEL/089-978-6838
開館時間/9:30~17:00(入館は16:45まで)
休館日/月・火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間中
料金/展覧会ごとに異なります。

イベント情報

■Up And Coming展
「輝け!えひめの挑戦者たちⅠ」

2018.11.11sun~2019.1.27sun
「将来有望な」という意味を持つUp And Coming展。愛媛県では美術界に果敢に挑む芸術家が多く活動しています。この展覧会では、芸術家と交流し、愛媛の美術事情を日々追っている画廊による推薦のもと、前途有望な作家を紹介します。

 

せとうち美術館ネットワークとは

瀬戸内の美術館が相互にネットワークを形成して、地域全体としてのアートの魅力を発信する組織が「せとうち美術館ネットワーク」です。今回紹介した2つの美術館を含め、魅力ある70の美術館・博物館が参加しています。ネットワークでは「子どものアート感想文」募集などを通じて、教育普及活動にも力を尽くしています。
HP/http://www.jb-honshi.co.jp/museum/

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