ホーム > 瀬戸マーレ 創刊号 > 地元通と歩く瀬戸内 【しまなみ海道エリア】今治のアコウ
情報誌「瀬戸マーレ」

地元通と歩く瀬戸内 【しまなみ海道エリア】今治のアコウ

今治で鯛より旨いと言われる幻の魚アコウに出合う

地元の人たちに、鯛より旨いと定評のあるのがアコウ。
アコウは幻の魚と珍重されていますが、鯛の一本釣りで知られる今治で味わうことができます。

岩陰に潜むアコウを一本釣りで

明け方の4時。
まだ暗い海の上を、船が沖に向かって滑り出していきます。

大浜漁港(今治市)の漁師・桧垣繁信さんは、幻の魚と言われるようになったアコウを求めて「ひと月のうち、引き潮になる2~3日間が勝負」と言います。砂浜ではなく、山もあり谷もある海底の、網も届かない岩陰に生息するアコウは、「一本釣りでないと」と話す桧垣さん。夏の名魚として、かつては大量に獲れたアコウも、今は数が減り、大変な高級魚として珍重されています。地元の人でもなかなか食卓に並ばない高価な魚で、その味は鯛よりずっとうまいと評判です。

そんな数少ないアコウを釣るには、エサが命。桧垣さんは、「エビの鼻がけやね」と、活きのいいエビを手にします。このエビが死なないよう、鼻先に釣り針を上手に刺して、30~40メートルの海中へ降ろします。「夏の産卵期には、海底のアコウも浮いてくる。恋の季節やから」と笑います。

港に戻るのは、正午過ぎ。この日は予想通り、アコウも3匹かかりました。食べ方を尋ねると、「あらいが美味しいね。漁師は、煮付けにして一杯飲むのが手軽で一番うまい」とのこと。何とも味わってみたくなりました。


大浜漁協の港
●乗合船の問い合わせ:TEL/0898(23)3737 大浜漁業協同組合まで

一本釣り漁師の中でも桧垣さんはアコウ釣りの名人
一本釣り漁師の中でも桧垣さんはアコウ釣りの名人

大浜漁港にある「大浜」でアコウ料理を味わい尽くす

「アコウは、煮付けはもちろん、酒蒸し、塩焼き、から揚げと、何にしてもうまいですよ」と、大浜の大将・渡部一彦さん。鯛飯ならぬ、アコウ飯も大変美味とか。店内には、大きなイケスがあり、さまざまな種類の魚や貝が泳ぎ回る姿を見ることができます。アコウを網ですくうと「わあ、大きい!」とお客さんから歓声が上がりました。

目前に大浜漁港があり、「魚はすべて漁師さんから直に仕入れます」。これだけ多くの高級魚が揃う店は、ほかにないといいます。「梅雨の水を飲んで美味しくなるのは、鱧や穴子と一緒で、アコウも同じ。海の温度が上がり、エサが変わるからとも、産卵で子を持つせいとも」。脂が乗ってくるこの時期のアコウは、しっかりした味に、プリっとした身の舌ざわりがたまりません。


アコウは煮付けで食べるのが一番と、漁師さんもお勧め
アコウは煮付けで食べるのが一番と、漁師さんもお勧め

大きなアコウを取り出すと、客席から「ホゥ」と声が上がります
大きなアコウを取り出すと、客席から「ホゥ」と声が
上がります
磯料理と仕出し 大浜

住所/愛媛県今治市大浜町1丁目丙232-4
TEL/0898(23)0022
営業時間/午前11時~午後9時30分(LO)
休み/火曜日 食事夜2,100円~
HP/http://www.oh-hama.sakura.ne.jp/

磯料理と仕出し 大浜

来島海峡大橋を眺める「大潮荘」
郷土料理の法楽焼を堪能

夏の海と雄大な来島海峡大橋をのぞむ、大潮荘。新鮮な海の幸を中心に、郷土料理を味わえます。
その一つ「法楽焼(ほうらくやき)」は、来島水軍が戦勝祝いに食べていたと伝えられ、現在も祝いの席に出されます。「素焼きのほうろくの器に、小石を並べ、その上に新鮮な魚介類を彩り豊かに盛る料理。海で生活していた人の食べ方ですね」と、料理部長の村越高広さん。
小石が保温の役目を果たすほか、余分な水分を取り除くので、ほっくりした味わいを楽しめます。郷土料理として、水軍鍋や舟盛りもあると教えてくれました。


鯛を中心にサザエや車エビなど旬の魚介類に卵まで、丸ごと入った法楽焼
鯛を中心にサザエや車エビなど旬の魚介類に卵まで、丸ごと入った法楽焼

料理部長の村越高広さん
郷土料理の法楽焼(2人分5,000円~)を作る、料理部長の村越高広さん
大潮荘

住所/愛媛県今治市小浦町2-5-1
TEL/0898(41)9537
営業時間/平日:午前11時~午後3時、5時~9時、土日祝:午前11時~9時、無休
※食事1,470円~。宿泊に関しては問い合わせを
HP/http://www.daichoso.com/

大潮荘

雄大な来島海峡を眼下に迫力満点のサイクリング体験を

壮大な海を見渡しながら、橋の上をサイクリング。行き交う船や、潮の流れを眼下に、海風を頬に受けて自転車を走らせば、ごきげん気分。

しまなみ海道の南端、来島海峡は日本三大潮流の一つ。
その海上に架かる、世界初の三連吊り橋の来島海峡大橋をサイクリングで渡ることができます。

サイクリングターミナルでは、さまざまな種類の自転車のレンタルが可能です。マウンテンバイクからロードレーサー、クロスバイク、もちろん一般車にキッズマウンテンもあり。坂道を考えた、電動自転車もあります。

自分の体力に合った自転車をレンタルして、しまなみ海道へ
自分の体力に合った自転車をレンタルして、しまなみ海道へ。海の上を吹く風が心地よく感じます

見どころ

●亀老山展望公園

世界初の三連吊り橋・来島海峡海峡大橋と日本三大急流の一つ・来島海峡が見渡せます。
晴れた日には四国山脈も。






亀老山展望公園
●瀬戸田ドルチェ本店

生口島で人気のジェラートの店。一番人気のジェラートは「瀬戸田のデコポン」。次いで「伯方の塩」。
海を眺めながら食べるジェラートは格別。


住所/広島県尾道市瀬戸田町林20-8 生口島北ICから約2㎞
TEL/0845(26)4046
営業時間/午前10時~午後6時 休み/なし


瀬戸田ドルチェ本店
●村上水軍博物館

中世の海賊衆をテーマにした博物館。
南北朝から戦国時代にかけて、瀬戸内海を支配したという村上水軍の貴重な資料や復元品が並びます。


住所/愛媛県今治市宮窪町宮窪1285 大島北ICから約3km
開館時間/午前9時~午後5時
休館/月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
TEL/0897(74)1065


村上水軍博物館
●サンライズ糸山

サイクリングターミナル、「サンライズ糸山」で自転車をレンタルし、来島海峡大橋からしまなみ海道をサイクリング。
迫力ある橋と、幾重にも連なる島の美しい景色をバックに、スイスイと自転車で走ります。


住所/愛媛県今治市砂場町2-8-1
営業時間/午前7時~午後9時
休み/なし TEL/0898(41)3196


サンライズ糸山
TOPに戻る