美観地区の景観照明をプロデュースしたのは、世界的な照明デザイナーの石井幹子さん。夜の闇を生かしながら柔らかな光で白壁や町家を浮かび上がらせ、昼間とは違う美しさを演出。
薄暮の迫る倉敷美観地区は、にぎわう観光地から上質な大人の町へ表情を変える。江戸時代、美観地区の中心を流れる倉敷川は運河として利用され、物資の集散地としてにぎわい、1642年に幕府の直轄地「天領」となった。日没とともにともる夜間景観照明は、行灯を思わせる控えめな灯りが町全体をふわりと包み、往時の風情を深く感じさせる。
柳並木が揺れる倉敷川畔は、白壁土蔵のなまこ壁に格子窓の町家が立ち並び、灯りに照らされ夕闇に浮かび上がる姿は幽玄そのもの。路地を入って道を一本隔てれば、本町・東町。格子窓や虫籠窓が残る店舗や住居が連なり、住む人の暮らしが息づいている。静かで郷愁あふれる佇まいは、江戸の町に迷い込んだ気分で散策したり、店に立ち寄ったり、穏やかに過ごせるのがいい。
●場所/倉敷川周辺、倉敷アイビースクエア一帯
●開催時間/10月~3月、日没~21:00・4月~9月、日没~22:00
倉敷格子や倉敷窓、なまこ壁など江戸時代の商家の姿を残す大橋家住宅。日没以降は影絵が映し出され、道行く人を楽しませてくれる。温もりある光と影で愛あふれる家族のシーンが描かれ、ほっこりした気持ちになれる。
影絵は、南側の2階障子は動画、北側の1階は静止画を楽しめる。日中は住宅内部が公開され、襖など美しい意匠や家財道具を眺められる。
住所/岡山県倉敷市阿知3-21-31 TEL/086-422-0007
営業時間/日没~深夜0:00(影絵投影時間)
毎年春の夜は、美観地区一帯が和の灯りで包まれる。和傘や提灯、ぼんぼりなど懐かしい灯りが飾られ、歴史ある町がさらに趣深いものになる。
●開催期間/2018年3.3(土)/10(土)/17(土)/18(日)
●場所/倉敷美観地区一帯
●開催時間/18:00~21:00※小雨決行
キャンドルの灯りの中で、有名ホテル出身のシェフが腕を振るうおいしい食事をいただけるのが「キャンドル卓 渡邉邸」。地元のキャンドルメーカー「ペガサスキャンドル」が、キャンドルの良さを知って日常的に楽しんでほしいとプロデュースしたもので、大正時代の蔵を改修したレストランはいたるところにキャンドルがともされロマンチック。ほの暗く、揺らめく炎が心をときほぐし、自然と会話が弾む。2階にはショップもあり、自宅をキャンドルでおしゃれに演出してみたくなる。
住所/岡山県倉敷市中央2-5-19 TEL/086-435-3930
営業時間/ランチ11:30~14:00、ディナー18:00~22:00
定休日/月・火曜
料金/月ごとのお任せ料理4,536円(税込)~。
ランチやアフタヌーンティ(1/15~3/15限定)もいただける。
すべて予約制。
※予約は、前日まで受付可。電話14:00~21:00、HP前日21:00まで。
※2Fギャラリー&キャンドルショップは11:30~17:00