吊橋で最も重要なケーブルは、取り替えができないため、腐食させないように維持管理しなければなりません。このため、明石海峡大橋では、日本の吊橋で初めて、ゴムラッピングと乾燥空気送気設備によるケーブル防食システムを採用し、ケーブル内の湿度が40%以下になるように管理しています。
今回、200年以上の長期にわたる維持管理の基礎データを取得するために、明石海峡大橋のケーブルの腐敗状況調査を行いました。今回の調査は、西側ケーブルの中央径間に仮足場を設置したうえで、センターバンドすぐ横の乾燥空気の排気カバーを外し、さらに横のラッピング1m分を撤去し、実施しました。調査の結果、ケーブル素線は、排気カバー部、ゴムラッピング部とも予想どおり十分健全で、一部の亜鉛めっきに酸化亜鉛(白さび)が見られるものの鋼線の腐食(赤さび)は見られませんでした。                            (↓ラッピングを撤去したケーブル素線)


今後、サンプリングしたゴムを、室内試験で確認していきますが、十分計画以上の機能を発揮しているものと予想しています。今回のデータが、乾燥空気によるケーブル防食システムの実証データとなるものと期待しています。