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アートトラベラー vol.14

日本近代彫刻界の巨匠
平櫛田中 107歳の生涯をたどる

岡山県 井原市立平櫛田中美術館

木のぬくもりを感じながら作品を鑑賞

岡山県井原市出身の木彫家・平櫛(ひらくし)田中(でんちゅう)(1872—1979)は、107歳の生涯をかけて制作活動を続け、近代彫刻界の巨匠として知られています。市民との交流も盛んに行っていたことから、地元では「でんちゅうさん」の愛称で親しまれています。

田中が故郷の子どもたちのために市内の学校などへ寄贈していた作品などをコレクションの基盤として、昭和44年に「田中館」が開館。以後、田中を顕彰する美術館として愛されてきました。田中生誕150周年となる記念の年に新館が竣工し、「平櫛田中美術館」として2023年4月にリニューアルオープンしています。

新たな美術館は、木を感じさせるデザインで、館内に入ると明るく開放的な雰囲気。大きなガラスウォールからは緑豊かな日本庭園「田中苑」の景観をお楽しみいただけます。展示室では、田中作品を中心に、田中とゆかりのある日本美術院の作家や平櫛田中賞受賞作家の作品などをご覧いただけます。

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平櫛田中の代表作20年ぶりの〝里帰り〟

平櫛田中の代表作《鏡獅子》は、高さ約2メートル30センチの大作。歌舞伎舞踊「春興鏡獅子」を舞う六代目尾上菊五郎をモデルに制作されています。田中は制作のために25日間歌舞伎座に通い続け、場所を変えて観察し、この一瞬の場面を切り取って表しています。

なかなか納得のいく作品が出来ず幾度も修正を重ね、完成までに費やした歳月は実に22年。ようやく完成した《鏡獅子》は、竣工したばかりの国立劇場に展示されることとなりました。

《鏡獅子》の完成から66年を迎える2024年、《鏡獅子》を平櫛田中美術館で展示します。国立劇場の建て替え工事に伴い、約5年半の間展示予定です。田中渾身の作品を実見していただける絶好の機会にぜひご来館ください。

特別展 漫画家生活60周年記念 青池保子展 Contrail 航跡のかがやき 2023年 7月15日(土)~9月24日(日)

DATA

平櫛田中美術館

住所/岡山県井原市井原町315
TEL/0866-62-8787
開館時間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日(祝日及び振替休日に当たる場合は、その翌日)年末年始(12/28〜1/4)
料金/一般500円、高校生以下、市内在住の65歳以上の方無料※受付で住所、年齢の分かる証明書(シルバーカード・運転免許証等)をご提示ください
駐車場/普通車128台、バス5台・美術館西側(国道313号線沿)・美術館北側(田中苑横)・美術館東側(市民会館横)※無料
アクセス/
● 井原線「井原」駅より徒歩15分「井原」駅から井原あいあいバス〜平櫛田中美術館バス停で下車徒歩2分

MAP

展覧会情報

リニューアルオープン記念 所蔵名品展Ⅲ
「平櫛田中美術館の精華―田中賞の彫刻家たち―」

2023年12月2日(土)~2024年1月28日(日)
日本の伝統的な木彫を継承しながらも、西洋彫塑のリアリズムを採用し独自の新しい芸術表現を開花させた平櫛田中。木彫一筋に取り組んだ生涯は木彫界の発展を願い設立された平櫛田中賞に受け継がれています。本展では、これまでの平櫛田中賞受賞者の作品を紹介します。

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