岡山県井原市出身の木彫家・平櫛(ひらくし)田中(でんちゅう)(1872—1979)は、107歳の生涯をかけて制作活動を続け、近代彫刻界の巨匠として知られています。市民との交流も盛んに行っていたことから、地元では「でんちゅうさん」の愛称で親しまれています。
田中が故郷の子どもたちのために市内の学校などへ寄贈していた作品などをコレクションの基盤として、昭和44年に「田中館」が開館。以後、田中を顕彰する美術館として愛されてきました。田中生誕150周年となる記念の年に新館が竣工し、「平櫛田中美術館」として2023年4月にリニューアルオープンしています。
新たな美術館は、木を感じさせるデザインで、館内に入ると明るく開放的な雰囲気。大きなガラスウォールからは緑豊かな日本庭園「田中苑」の景観をお楽しみいただけます。展示室では、田中作品を中心に、田中とゆかりのある日本美術院の作家や平櫛田中賞受賞作家の作品などをご覧いただけます。