- ラウンジの壁面は一面のガラス貼りになっていて、瀬戸内海の美しい景色を大パノラマで眺望できる
どこまでも続く青い空、穏やかな瀬戸内の海、点在する島々を貫くように伸びる瀬戸大橋。美しい風景に抱かれた東山魁夷せとうち美術館は、たたずまいや空気感までも東山魁夷の世界を楽しめる美術館です。
代表作の「道」をイメージさせるまっすぐに伸びたアプローチをはじめ、周囲の自然に溶け込むモスグリーンの外壁。館内は回遊しながら作品を鑑賞できるようになっていて、天井高6mもある1階の展示室では、柔らかな色調の壁に色鮮やかな作品が並び、1点1点を慈しむように鑑賞することができます。2階の東西に長く延びた展示室を抜け、ラウンジへ下りる階段の踊り場からは、額縁で切り取ったかのような瀬戸内海が目に飛び込んできます。さらに下りると視界が一気に開け、画伯の祖父が生まれ育った櫃石島や画伯が提案したライトグレーの瀬戸大橋が見渡せ、絵のような美しさです。
同館を設計した建築家・谷口吉生氏は画伯と親交が深く、随所で作品をほうふつさせる感動や驚きに出合えるのが魅力です。