線香は国内生産量の約7割が淡路島で作られています。江戸時代末期に泉州堺から島の西海岸にある江井地区に職人を連れてきたのがきっかけで、原料の調達や商品出荷に便利な良港があったこと、湿気が少なく西から吹く風が線香づくりに適していたことで、冬場の漁に出られないときの家内工業として発展しました。
そんな淡路島の特産品を観光みやげにしたいと明石海峡大橋が完成(1998年)した時期に作られたのが、3色の「あわじせんこう」。生産者は約100年の歴史がある淡路島線香株式会社で、沈香(じんこう)や伽羅(きゃら)、生薬、草花など自然の香りを大切に手づくりしています。数多くある香りを一つひとつ記憶し、どの香りを混ぜれば思い描く香りになるかを勘とひらめきで調合しています。
「あわじせんこうの青は淡路島の青い海と空、黄と赤は花の島で知られる淡路島のスイセンとカーネーションをイメージしています。当時はカラフルな線香はほとんどなく、鮮やかな色を出すために茶色っぽい原料をいかに白っぽくするかということに苦労しました」。火をつけると優しい香りが立ちのぼり、淡路島の自然が目に浮かび癒やされます。朝はピリッとした香り、夜は落ち着く香りなど、シーンを変えて楽しめるのも線香の魅力。「ご先祖様にお供えするときも、自分がいいなと思う香りを選ぶと喜ばれると思います」。
明石海峡大橋を望める淡路SAには、「あわじせんこう」をはじめ、さまざまな種類の線香や淡路島の特産品、グルメが豊富に揃っています。周辺にはレジャースポットもあり、ゆったり過ごせます。
ドライブの休憩に、本四高速道路サービスエリア・パーキングエリアに立ち寄って、
涼を感じる冷たいデザートをお土産に買って帰ろう。