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本四わたるのSA・PA巡り

瀬戸中央自動車道を通って四国へ向かう旅の途中。何度目かの上り坂を進み、木々の並びに吸い込まれるかのように導かれた先に現れたのは、鴻ノ池サービスエリア下り線。鷲羽山に連なる山々に抱かれ、ひっそりと佇んでいる。

車から降りると、柵の向こうで元気いっぱいのワンちゃんたちがはしゃぎまわっている様子が目に入る。広々としたドッグランには、いくつかの遊具が設置されており、飼い主共々とびっきりの笑顔で楽しそうだ。

建物の周囲には色とりどりの花が咲き、様々な鳥の鳴き声も聞こえてくる。自然に囲まれ、緑あふれる癒し空間。遠くには瀬戸内海のすばらしい景色が広がり、真下には大きな池が。その池の上を高速道路が通り、向こうには水島工業地帯。ここで、旅の思い出に記念撮影をしておこう。

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遠くに見えるのが水島灘(下り)
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装飾

店内に入ってみると、なにやらかわいらしいパッケージのお土産品が目についた。「幸呼卵(こっこらん)」というお菓子だ。POPを見ると、岡山県立岡山南高等学校と、鴻ノ池サービスエリアの運営会社である下津井電鉄株式会社との共同開発により生まれたものだという。

このサービスエリアに程近い神社に伝わる「コウノトリ伝説」に着想を得て、コウノトリをモチーフにした独自キャラ「鳥幸(とりゆき)くん」がパッケージにあしらわれている。人々に幸せを届けたい、という思いで、味やネーミングが考えられたそうだ。岡山県産の卵がたっぷり使用されている洋風まんじゅうである。 さっそく、ひとつ買って食べてみることにした。中身を取り出すと、形と色味がまさに卵そのものだ。この見た目も、学生たちのアイデアなのだろう。食べてみると…うーむ、これは美味しい!!

中に詰まったミルク餡は、優しい甘さがあり、まろやかでなめらかなくちどけ。そして、焼き菓子ならではの卵の香りがふんわり。小ぶりなように見えて、しっかりと食べ応えがあるものの…もっと食べたい!たまらず、自分用とお土産用の「幸呼卵」を追加購入することにした。

学生たちは、いくつも意見を交わし合い、何度も悩んだ末にこのお菓子を完成させたのだろう。自分の青春時代を思い出して、どこか懐かしく温かい気持ちになった。

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岡山県立岡山南高等学校 × 下津井電鉄株式会社
装飾

四国での用事を終えて、瀬戸大橋を渡り、再び岡山に戻ってきた。今度は、上り線の鴻ノ池サービスエリアでご飯を食べて帰ろう。

車を降り、どんなメニューと出会えるだろうと足取り軽く進んだ先に現れたのは、ずらりと並ぶ「こじとん豚汁定食(児島豚汁)」(以下、「こじとん」)ののぼり。この推されっぷり、よほどの愛されメニューに違いない。

フードコートにはバリエーション豊かなメニューが並ぶ。岡山名物・デミカツ丼、生姜焼き定食や豚汁味噌ラーメンなど、どれも魅力的で目移りしてしまう。しかし、ここは意を決して人気No.1の「こじとん」の食券を購入した。

いよいよ、待望の「こじとん」とのご対面だ。まず驚いたのは、大きなお椀に盛り付けられた豚汁の具のボリューム。中でも、ゴロゴロとした大根の存在感は圧倒的。さっそく一口…おお、これは!味がしみしみの大根は、噛むほど口の中いっぱいにうまみが広がる。ほのかな甘みも感じられ、豚肉との相性が抜群に良い。こんにゃく、人参や大きな豆腐、たっぷりと添えられたネギも食感に変化をもたらし、いつまでも食べていられる美味しさだ。

さらに嬉しいことに、豚汁だけでなく、揚げたてのアジフライまで添えられている。熱々でサクッとした食感のアジフライは、キャベツとも相性抜群。一緒に口に含めば、まさに至福のひと時。ごはんもすすんで、あっという間に完食していた。

お腹が満たされたところで、デザートでも探そうかと売店へ向かうと、国指定重要文化財である「旧野﨑家住宅」を模したお土産品コーナーが目に留まった。「倉敷児島塩結びプロジェクト」と題して、「塩田王 野﨑家の塩」を使用した数々のお土産品が並ぶ。塩羊羹、おからクッキーにクリームチーズパイなどのお菓子のほか、塩入りのアイマスクや、児島デニムの持ち塩お守りなどユニークな品々も揃っている。

今日の気分は、これかな。倉敷の町家を連想させるパッケージの「塩餡わらびもち」を選んでレジへ向かう。

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「こじとん」ののぼり
装飾



そろそろ帰ろうか。今日はたくさんの美食に出会えて、優雅な時間を過ごすことができた。また鴻ノ池サービスエリアに立ち寄ろう。ゆくゆくは塩田王シリーズのお土産品を全制覇したい。そして次も「こじとん」を食べよう。あの感動はリピート確定だ。

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お土産品コーナー
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「塩田王 野﨑家の塩」
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島々が点在する瀬戸内に沈む水島灘の夕日は、
「日本の夕日100選」に選ばれています。(下り)
地図
本四わたる 高速道路に関わる会社の社員。趣味と実益を兼ね、各地のSA・PAを巡り、美味しいものを食べたり、ご当地のお土産などを買い求めている。