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情報誌「瀬戸マーレ」

インタビュー「瀬戸内と私」 Setomare Special Interview 002 Nakamoto Noriko

橋を渡ると、ゆったりとした時間を感じます

写真家 中元 紀子さん

〝ふるさとを撮りたい〟との思いから、尾道に移住し、写真家として活躍する中元紀子さん。生まれ育った街とは、文化や風土、環境も異なるけれど、自分を見つめ直し、自分の立ち位置がわかる、と感じたそうです。

「身近にあるいとおしいもの、見ようとしなければ見えない大切なものが、尾道には揃っていると思います」

石畳の坂道、昔ながらの商店街や古寺など、尾道には見どころがたくさん。中でも、千光寺から見下ろす景色は、中元さんのお気に入りです。

「瀬戸内海に浮かぶ島々、尾道水道、市街地、線路と、尾道が一望できる、箱庭の風景。四季折々の表情を見せてくれるので、見飽きることがありません。外から来た人を、必ず連れていくんですよ。〝一生懸命、生きてる感じがするでしょう〟って」

撮影スポットを探しに、本州から向島、因島へと結ぶ〝しまなみ海道〟を通ることもしばしば。

「島から市街地を眺めるのも、ひと味ちがっていいものです。橋を越えるにしたがって、時間が止まったような、ゆったりとした感覚になります。私はまだ、瀬戸田までしか行ったことがないので、さらに足を伸ばしてみたいですね」

この夏、初めて東京・銀座で個展を開催したことで、「やっと結論が出た」という彼女。

「尾道を知らない人でも、〝懐かしい〟と言ってくれる。ふるさとのない人でも、感じる思いは同じなんですね」

中元さんの次なる夢は、海外で写真展を開くこと。

「たとえ言葉が通じなくても、世界の人と気持ちが分かち合えるはず。身の回りの幸せを見つけ、写真を通して、平和的なメッセージが伝えられたらいいなと思います」


中元さんの作品
中元さんの作品。「桜がこんなに紅葉してる年は初めて」

PROFILE 写真家 中元紀子さん

中元 紀子

1976年、広島県福山市生まれ。
1998年中国デザイン専門学校卒業、2005年ミス尾道に選ばれる。
現在、尾道を拠点に、展覧会やワークショップ、講演会など、写真家として幅広く活躍している。

写真家 中元紀子さん

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