因島は、豊かな自然と海に囲まれた温暖な気候の島。種類豊富な柑橘類が育ちます。
この島で、話題の甘味が「はっさく大福」です。大福の中身、白あんの中に入っているのは生のハッサク。餅の部分にはミカンの皮が入っています。口に入れると、白あんの甘さと、ハッサクの酸味が、絶妙なハーモニー。「ハッサクそのものをイメージしてる」と語るのは、はっさく屋店主の柏原伸亮さん。「白あん」が中袋を、「みかん餅」で外皮を表現しています。
「因島は、ハッサク発祥の地。どこにも負けない美味しさの、この土地のハッサクをもっと広めたくて、先代が創作したのが昭和64年」。ハッサクとミカンの香りに満ちた厨房で、作り方を見せてもらいました。
まず、餅米を蒸して、ミカンの皮を練り込みます。その生地を石臼に入れ、機械と手の両方で餅をつきます。出来上がった餅を台に乗せると、ここからはすべて手作業。白あんで包んだハッサクを、一つずつ餅で包んでいきます。
出来たては、これまた果汁の鮮度と甘味が絶品。「おいしかろ?」と、柏原さん。喜んでもらうのが一番と、顔をほころばせます。
因島は、向島、生口島と橋でつながり、車での移動も便利に。関西方面や四国・高知からも訪れる人が増えています。
- 手際よく、ミカンの皮が入った餅であんを包みます