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情報誌「瀬戸マーレ」

地元通と歩く瀬戸内 【しまなみ海道エリア】因島のはっさく大福

ハッサク発祥の地、因島から元祖はっさく大福で新味を発信

温暖な気候の因島は、ハッサク発祥の地。
春から夏、秋にかけて、瀬戸内の太陽の光を浴びて育った果実を、
新感覚の甘味でいただくことができます。

ハッサクを大福で表現する
因島の太陽の味

因島は、豊かな自然と海に囲まれた温暖な気候の島。種類豊富な柑橘類が育ちます。

この島で、話題の甘味が「はっさく大福」です。大福の中身、白あんの中に入っているのは生のハッサク。餅の部分にはミカンの皮が入っています。口に入れると、白あんの甘さと、ハッサクの酸味が、絶妙なハーモニー。「ハッサクそのものをイメージしてる」と語るのは、はっさく屋店主の柏原伸亮さん。「白あん」が中袋を、「みかん餅」で外皮を表現しています。

「因島は、ハッサク発祥の地。どこにも負けない美味しさの、この土地のハッサクをもっと広めたくて、先代が創作したのが昭和64年」。ハッサクとミカンの香りに満ちた厨房で、作り方を見せてもらいました。

まず、餅米を蒸して、ミカンの皮を練り込みます。その生地を石臼に入れ、機械と手の両方で餅をつきます。出来上がった餅を台に乗せると、ここからはすべて手作業。白あんで包んだハッサクを、一つずつ餅で包んでいきます。

出来たては、これまた果汁の鮮度と甘味が絶品。「おいしかろ?」と、柏原さん。喜んでもらうのが一番と、顔をほころばせます。

因島は、向島、生口島と橋でつながり、車での移動も便利に。関西方面や四国・高知からも訪れる人が増えています。

手際よく、ミカンの皮が入った餅であんを包みます
手際よく、ミカンの皮が入った餅であんを包みます
見て食べて楽しい 菊みかん餅も

温州ミカンが丸ごと1個入った「菊みかん餅」(1個200円)。

横から切ると、菊模様になることと、因島では最高級のミカンを菊みかんと呼ぶことから名付けられました。
白あんとみかん餅にくるまれた、甘みとジューシーさが人気です。

販売期間は、10月~3月

菊みかん餅
はっさく屋

お店に行列ができるほど人気の"はっさく大福"。


住所/広島県尾道市因島大浜町246-1
TEL/0845(24)0715
※はっさく屋での販売は、10月後半から翌年8月頃となるので事前に確認を。
年によっては変動することもあり。
賞味期限は3日で、全国発送も可。

(写真左) 生のハッサクを白あんで包んだもの(写真右)はっさく大福
生のハッサクを白あんで包んだもの。石臼でついた、みかん餅の中に入れます

気候の穏やかな因島で大切に育てられるハッサク

因島は、年平均気温が15~16℃と温暖で、日照時間も長く、ハッサク栽培に適しています。島には約1,000戸の農家があり、「美味しく良いものを作るには、手をかけないとね」と語る、和六農園・園主の岡野滝徳さん。
雨量の少ない土地で、育てる水を確保するのが大事だと言います。さらに花の季節の春肥え、梅雨時分の夏肥え、冬を越す木を弱らせないためのお礼肥えと、肥料にも目を光らせます。「私ら、自然相手だから。何かなくても、毎日、畑に出てしまうよ」。見て回るのも仕事のうちと笑顔で話します。

パリっとした実と、酸味のあるジューシーさに加え、ほのかな苦みが絶妙の因島のハッサク。広島県民に人気のハッサクは、ほぼ県内で消費されています。一部全国発送も行っており、「『今までに食べたことがないほど美味しかった』『毎年買っています』と言われると嬉しいね。みんな家族みたいに思えてくるよ」。

因島では、広島県推奨品種石地みかんほか、紅ハッサクやデコポンにポンカン、はるか、レモンなども栽培。我が子のように大事に育てているからこそ伝わる味が、ここにはあるのです。

樹齢100年のハッサクの木の前に立つ、2代目園主の岡野滝徳さんと、息子さんの和吉さん
樹齢100年のハッサクの木の前に立つ、2代目園主の岡野滝徳さんと、息子さんの和吉さん。家族みんなで力を合わせています

和六農園

住所/広島県尾道市因島田熊町2733-2
TEL/0845(22)2882

ハッサク発祥の浄土寺

ハッサクの原木が祀られている浄土寺。万延年間(1860年)、同寺の住職・恵徳上人が、境内で偶然実を付けているのを見つけました。当時は雑柑の意で「ジャガタ」と呼ばれていたようです。

かつて村上水軍が、瀬戸内海から東南アジアまで勢力を広げた際に、外国の果実も持ち込まれました。それが交配を繰り返して生まれたとか。

旧暦8月1日頃から食べられるので、明治19年に「八朔」と命名されて今日に至ります。境内には八朔顕彰碑もあり、毎年収穫された果実が奉納されています。

浄土寺
浄土寺

住所/広島県尾道市因島田熊町1444
TEL/0845(22)7021

因島でみかん狩りができるところ

宮岡屋農園

TEL/0845(24)2218
(シーズン中の午前9時~午後4時)
広島県尾道市因島外浦町74-1
入園料=大人500円、小人400円、幼児300円

和光観光オレンジ園

TEL/090(1352)6434
広島県尾道市因島大浜町1977
入園料=大人500円、小人400円、幼児350円

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見どころ

●白滝山と五百羅漢(ごひゃくらかん)

標高227mの山頂からの眺めは絶景。
登り口から山頂にかけて大小約700体の石仏が並びます。


白滝山と五百羅漢(ごひゃくらかん)
●因島大橋記念公園

因島大橋のふもとに、大橋完成を記念して作られた芝生の広場。家族やグループでにぎわいます。


因島大橋記念公園
●因島水軍城

村上水軍が残した武具や古文書が展示されています。


開館時間/午前9時30分~午後5時
休館/木曜日、12月29日~31日
入館料/大人310円、小中学生150円
TEL/0845(24)0936


因島水軍城
●鯨羊羹(中屋)

鯨の「おばいけ」を模した上品な羊羹。


中屋 東尾道店/尾道市高須町東新涯4835-3
TEL/0848(47)3070
営業時間/午前9時~午後7時
ほか、JR尾道駅構内デイリーイン等でも販売


鯨羊羹(中屋)
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