ホーム > 瀬戸マーレ vol.6 > あ!見つけた 瀬戸内の味 【しまなみ海道エリア】宇和島の海の幸
情報誌「瀬戸マーレ」

あ!見つけた 瀬戸内の味【しまなみ海道エリア】宇和島の海の幸

名物「鯛めし」で宇和島を丸ごと味わう

宇和島では、鯛を中心とした養殖産業が盛んです。
この土地ならではの「鯛めし」や、豊かな土壌で育まれた「三間米」など、
季節の味覚を楽しませてくれます。

紺碧の入り江、宇和海と宇和島だけの鯛の味

四国の西端にある宇和海。大小様々の島が浮かんだ、透明度の高い美しい海です。リアス式海岸の変化に富む入り江は、景観も抜群。波が低く水深が深いという地形に加え、太平洋からの黒潮も流れ込むため、プランクトンも豊富で魚がよく育ち、養殖が盛んです。

鯛の生産量が日本一の愛媛県にあって、宇和島は養殖鯛の産地としてその名を知られており、最近では、天然よりおいしいという声も上がってくるほどです。

そんな宇和島で、独特の食べ方をしているのが漁師料理の「鯛めし」です。生のまま、鯛の刺身をご飯に乗せていただきます。
海の男たちが火のない船上で食べていたという、全国でも宇和島にしかない食べ方です。

漁港では、漁師たちが毎日朝早くから鯛を水揚げ、出荷します
漁港では、漁師たちが毎日朝早くから鯛を水揚げ、出荷します

愛情たっぷりに育てた 養殖ブランド「愛鯛(あいたい)」

そんな「鯛めし」の鯛の育つ宇和海沿岸には、四角のイケスが並んでいます。餌を入れると、静寂だった水面の波を荒立てて、数千尾の真鯛が我先にと、元気な姿を見せます。

ミネラルがたっぷり入った、オリジナル配合の餌。これで育てているのが、養殖ブランド「愛鯛」です。
さらに、イケス内の鯛の密度を抑えることで、味、歯ごたえ、身質など、天然に負けない鯛を育て上げています。

「ここらは海もいいからね」と、養殖グループ・ネオメイト会、副会長の大塚功さん。高級魚のイメージの強い鯛を、もっと身近に、より多くの人に親しんでもらいたいと、会を発足して8年になります。水温・水深・水質など、養殖業35年で培ってきた技術を生かし、良質な鯛の生産に力を尽くしています。

ブランド名には、良い鯛に出合いたい、お客さまに愛されたい、という由来があり、「愛媛の鯛には『愛』がある。大事に育てた『愛鯛』で、あなたにアイタイ」と笑う大塚さん。「お野菜やお肉と同じ。何を食べて育っているか、きちんとわかる『鯛』なんです」との言葉に大納得。目からウロコが落ちました。

宇和島「鯛めし」は生の刺身のままいただけます
宇和島「鯛めし」は生の刺身のままいただけます。
新鮮な鯛のうまみと甘みが、舌の上でとろける食感
愛鯛

いいものを作る自信があります、と養殖鯛への情熱あふれる大塚さん(写真左)。
鯛の赤も美しい愛鯛。オリジナル配合のエサで元気に育っています。


URL/http://www.aitai-ehime.jp/

(写真左)養殖鯛への情熱あふれる大塚さん(写真右)鯛の赤も美しい愛鯛

極上の味を際立たせるホカホカご飯は三間米(みままい)で

「鯛めし」にとってもう一つ大事なもの、それは「ご飯」です。実は米どころとしても有名な愛媛県で、今、評判が高いのが「三間米」。肥沃な大地の三間平野で作られています。

その美味しさについて、三間町特別栽培米生産組合・組合長の赤松保孝さんは、「8割は、土壌の良さで決まります」と語ります。

三間地方は美しい沼の多いところで、水沼が転じて「三間」となったという説があるほど。粘土質で細かい粒子の土は、一度肥料を与えると、養分を蓄える力があるそうです。これが米の味に大きく影響しています。また、「肥料は有機質肥料のみ、堆肥等を用います。安心安全をモットーに、低農薬で除草剤散布は1回のみ。出穂後は使用しません。香りも味も他とは全然違う。一度食べるとリピーターになる人が多いです」と、赤松さん。周辺都市だけでなく、全国各地から毎年注文が続いています。

農家が大好きで、喜んで食べてもらうことが嬉しくて仕方がない、と話す赤松さんの笑顔は、黄金の稲穂のように輝いていました。

毎日が楽しいと笑う赤松さん
毎日が楽しいと笑う赤松さん。米の保存方法や作業用具など「むらの発明家」としても有名
三間町特別栽培米生産組合

手間を惜しまず作られています。
実は、2010年秋収穫予定の1,800俵の米も、すでに予約でほぼ売り切れ状態だそう。現地の飲食店か、一部の地元販売店で手に入れるしかないという人気ぶりです。


URL/http://www.mimamai.com/

三間町特別栽培米生産組合

愛鯛と三間米が奏でる 漁師料理の宇和島「鯛めし」

「愛鯛」と「三間米」をおいしくいただけるのが、宇和島市内にある、旬膳・郷土膳「和日輔(わびすけ)」です。

宇和島の「鯛めし」ならではの食べ方は、まず、卵の入ったダシ汁をよく混ぜます。その中に、新鮮な生の鯛刺身を入れ、薬味を好みで入れます。お櫃からご飯をよそおって、ホカホカご飯の上に、薬味のからんだ鯛の身を乗せ、ダシ汁をかけて出来上がり。ご飯を一気にかき混ぜていただくと、漁師料理ならではの、豪快さを味わえます。

料理長の山本義男さんは、「愛鯛は、肉質もよくて、ほどよい脂肪、食感のよさが特徴です。ご飯がおいしい、という声も、よくいただくんですよ」と話します。
毎日が真剣勝負なので、魚の質を厳しくチェック。
納得のいく味を追求しています。

料理長の山本さん
料理長の山本さん。「ご飯と鯛の切り身を一緒にかき込んで下さい。ダシ汁はお好みで」
旬膳・郷土膳 和日輔

「さつまめし」のさつま汁は、焼いた白身魚をほぐして、麦味噌とすり合わせたもの。
こちらもご飯にぶっかけていただく郷土料理です。


住所/愛媛県宇和島市恵美須町1の2の6
TEL/0895(24)0028
営業時間/平日:午前11時~午後2時、5時~10時、
日祝日:午前11時~午後10時
休み/なし
URL/http://www.sk-wabisuke.com/

旬膳・郷土膳 和日輔
もっと写真を見る

おすすめ

●真珠館(道の駅・きさいや広場内)

真珠の養殖地としても名高い、宇和島。宇和海の輝く真珠の展示をしています。


住所/愛媛県宇和島市弁天町1の318の16「きさいや広場」内
TEL/0895(22)3934
営業時間/午前9時~午後6時
休み/なし

真珠館(道の駅・きさいや広場内)
●道の駅「みま」コスモス館

農作物や特産品の販売から、レストランに、美術館、記念館も併設。
レンタサイクルもあり。11月にはコスモス祭りを開催予定。


住所/愛媛県宇和島市三間町務田180の1
TEL/0895(58)1122
営業時間/午前9時~午後6時
休み/年末年始

道の駅「みま」コスモス館
●南楽園

四国最大規模の日本庭園では、季節の花を楽しめます。


住所/愛媛県宇和島市津島町近家1813
TEL/0895(32)3344
営業時間/午前9時~午後5時
入場料/大人300円、小中学生150円
休み/年末年始
URL/http://www.nanreku.jp/


南楽園
●大乗寺

境内では自然の彩りを満喫でき、宇和島の紅葉狩りスポットの一つになっています。


住所/愛媛県宇和島市吉田町立間1の3661
公開/午前8時30分~午後5時
休み/なし

大乗寺
TOPに戻る