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情報誌「瀬戸マーレ」

あ!見つけた 瀬戸内の味【瀬戸大橋エリア】四万十川の川の幸

四万十川が育てた 秋のご馳走たち

最後の清流として名高い、四万十川。
川の恵みをたっぷり育てながら、上流から下流、そして太平洋の海へ、
とうとうと流れています。

山から海へゆったりと蛇行する 川の恵み豊かな悠久の流れ

日本人の心の故郷として憧れの四万十川。
全長196㎞、高知県西南部の山や谷の美しい自然の中で蛇行を繰り返す、全国でも有名な美しい川です。

四万十川流域の景観は、2009年2月に日本初の国の重要文化的景観として選定されました。

最後の清流とも言われる、その水の美しさは際立っていて、四季を通じて川魚のご馳走が目白押しです。

アユの塩焼きやゴリの佃煮。テナガエビの唐揚げに、アオサノリの天ぷら。ウナギの蒲焼き、ツガニ汁と、郷土の味を、ゆったりとした時の流れの中で堪能できるのも、この土地の魅力です。

四万十市に入ったあたりの中流区域、半家付近
四万十市に入ったあたりの中流区域、半家付近。澄んだ水の流れを眼下に、鉄橋や沈下橋も見ることができます

伝統漁法で獲る川魚 秋の味覚をたっぷりと

そんな四万十川の川魚は、川漁師が様々な伝統漁法で捕獲しています。例えば、木の枝を束にして水中に沈め、ウナギやエビが中に入るのを待って引き上げる「柴漬漁」。
水の美しい四万十川だからこそ今でも行うことができるのです。

四万十市の河口付近では、屋形船の遊覧船が出航。船に乗って、この伝統漁法を見ることができます。
四万十川観光開発の遊覧船で船頭も務める、漁師の山下大治さんは、「石ぐろ漁に、転ばし漁、はえ縄漁。どれもウナギがよく獲れる」と話します。「ウナギの旬は秋。土用のウナギで夏のイメージが強いけど、秋に脂が乗ってくるよ」と教えてくれました。
「ウナギの天然と養殖の違い、分かる?」と問われて首を横に振ると、「育つスピードが違う。ウナギの産卵は海。赤道近くで孵化した稚魚が、川を上って大きくなる。ゆっくり育った方が断然おいしい」。養殖ウナギは、この稚魚を川で捕まえて成育したもので、「養殖も、時間をかけて育てた方がウマイよ」。

この遊覧船では、水の流れを感じながら、川の幸たっぷりのお弁当をいただくことも可能。季節ごとの魚の話、川の歴史や景観について耳を傾けるのも、興味深いひとときです。

柴漬漁をしている川漁師の岸久男さん
柴漬漁をしている川漁師の岸久男さん。柴漬漁では、50kgもの柴を引き上げ、中には川エビやウナギがどっさり

四万十川の幸がつまったお弁当
四万十川の幸がつまったお弁当。遊覧船の中でいただけます
アカメ館(遊覧船・舟母船)

清流で育っているので、ウナギ本来のうま味を味わえます。
遊覧船の受け付けを行う「アカメ館」では、定食やウナギなどを
食べられます。(写真右上)

屋形船の遊覧船、船頭の山下さん。(写真右下)
川や漁についての愉快なトークが人気です。このほか舟母船もあり。


住所/高知県四万十市山路2494の1
TEL/0880(36)2227
営業時間/午前8時30分~午後5時
レストランは午前11時~午後2時30分(LO)
休み/なし

乗船料/周遊時間50分コース:屋形船2,000円、舟母船2,500円
※遊覧船と舟母船の乗降場は異なります。
詳細は「アカメ館」に問い合わせを

URL/http://www.shimanto.co.jp/

料理イメージ
屋形船の遊覧船

上流の極上水で作られる豊かな味わいの山間米(さんかんまい)

清らかな水の四万十川には、多くの支川があります。その中の一つ、河口から30㎞ほど上った目黒川の、さらに上流で、抜群においしいお米「山間米」が作られています。

2004年に山間米組合を立ち上げた、組合長の苅谷学さんは、「お米は水。極上の水で育てるよ」と自信たっぷりに話します。山や谷を流れる川から引き入れる水は、きれいな天然水です。四万十川は谷が多く、水が豊かに流れているので、川の恩恵は尽きることがありません。
さらに「ここらの土地は、高知県有数の、昼夜の寒暖の差が激しいところ。だから米に甘みとねばりが出る」と教えてくれました。

炊き上げたときの香りが、なんとも香ばしいという山間米。同組合・山間屋を営む中脇裕美さんも、「普通、新米が一番おいしいでしょ。山間米は、年を越して、次の作ができる秋まで美味です。むしろ味が熟成してきてね」と笑顔で語ります。組合員みんなで力を合わせ、美味しいお米づくりに余念がありません。

目黒川
目黒川。
こんなところに田んぼがあるの?と疑うほど山を分け入った上流に、さやさやと稲穂の揺れる田園が広がっていました
山間屋

香ばしい風味の山間米。
品種はヒノヒカリ。(写真左)
左から苅谷さん、新改さん、中脇さん。組合員25人で一等の米を作っています。(写真右)


問い合わせ/0880(31)6474
URL/http://www.sankanya.com/

(写真左)香ばしい風味の山間米(写真右)左から苅谷さん、新改さん、中脇さん

清流を見下ろしながら四万十川の幸をいただく

四万十市の北部、四万十川が南下し始める西土佐。ここで、川の恵みをふんだんに使った料理が楽しめるのが「ホテル星羅四万十」です。四万十川を見下ろせる館内のレストランでは、食事のみの利用もできます。

アユやウナギから、ゴリ・川エビ・アオサノリに、秋の味ツガニ。四万十川の数多い食材の料理が揃います。ご飯は、山間米を使用。香ばしく、素朴ながら奥深い味で、あと口においしさの余韻が残ります。

山と川と空の大自然に囲まれて、スタッフの親切なサービスも加わり、心穏やかな時間を過ごせます。

※時季により山間米がないこともあります。

種類豊富な味を楽しめる「四万十御膳」
種類豊富な味を楽しめる「四万十御膳」。
ツガニのダシが効いた郷土料理「イモ煮」も
ホテル星羅四万十

ガラス窓の眼下に四万十川が見えます。
夜は、降ってきそうな星空が頭上に広がることも。


住所/高知県四万十市西土佐用井1100
TEL/0880(52)2225
レストランの営業時間/
午前11時30分~午後2時、6時~8時15分(LO)
休み/なし
URL/ http://www.seirashimanto.com/

ホテル星羅四万十
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おすすめ

●四万十・川の駅「カヌー館」

初心者向けのカヌー教室があり、インストラクターの指導のもと、半日コースと1日コースがあります。レンタサイクルもあり。


住所/高知県四万十市西土佐用井1111の11
TEL/0880(52)2121
開館時間/午前8時30分~午後5時30分。レンタサイクルは~午後5時
休み/年始
URL/http://www.canoekan.com/

四万十・川の駅「カヌー館」
●岩間沈下橋

四万十川の代表的景観、沈下橋。
沈下橋とは、増水時に水中に沈む橋のことで、欄干がないのが特徴です。


所在地/高知県四万十市西土佐岩間





岩間沈下橋
●四万十市トンボ自然公園

世界初のトンボ保護区。秋にはマイコアカネなどの赤トンボを見ることができます。
展示施設「四万十川学遊館あきついお」もあり。


住所/高知県四万十市具同8055の5
問い合わせ/トンボ王国 0880(37)4111




四万十市トンボ自然公園
●農家レストラン・しゃえんじり

バイキングスタイルの店。その日の朝にとれた地元野菜を用いています。


住所/高知県四万十市西土佐口屋内76
TEL/0880(54)1477
公開/午前11時30分~午後2時
休み/水曜

農家レストラン・しゃえんじり
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