霧の森大福は、抹茶をたっぷりまぶすために仕上げは手作業。1箱(8個入)1,080円
幻のスイーツがあると聞き、愛媛県の山あいにある道の駅霧の森に車を走らせた。新宮町は、古くからお茶の栽培が盛んな地。そこでわずかしか生産されないかぶせ抹茶を使った「霧の森大福」がそれだ。敷地内の菓子工房で作られ、あまりの人気で、常に品薄状態なのだとか。人気の秘密はお茶にある。農薬を一切使わず、茶摘みの約2週間前から黒い布をかけ、日光を遮って栽培されたかぶせ茶は葉が柔らかく、香りと甘みが強く、緑鮮やか。そんな希少な抹茶と一緒に霧の森大福を道の駅内で味わえるのは、街道茶店「聴水庵」だけ。かぶせ抹茶を練り込んだ餅で生クリームとこしあんを包み、抹茶をたっぷりまぶした大福は、ふくよかなお茶の香りとほんのりとした苦みが広がり、甘みとのバランスが絶妙だ。
新宮茶を使ったパフェなどのアレンジメニューは、「茶フェ ゆるり」で楽しめる。生姜やワインなど意外な素材とのコラボレーションがあり、相性の良さにびっくり。スイーツと一緒に味わうのは、やっぱり新宮茶。種類を選べ、淹れ方を教えてもらえる。家で飲むお茶とは比べものにならない美味しさで、わざわざ来たかいがあった。
新宮茶の美味しさは香りの高さ。このあたりは霧がよく発生し、それが葉っぱに適度な湿気を与え、寒暖差や排水の良い斜面、無農薬栽培が良質のお茶を育んできた。その最高峰が、一芯二葉の柔らかな部分だけを手摘みした「月の雫」と「希物(まれもの)」。香りはもちろん、甘みと旨みが驚くほど強い。
目の前に太平洋が広がり、ヤシの木や白い砂浜が広がる道の駅やすは、南国感あふれる海辺のオアシス。農産物直売所には新鮮な野菜やフルーツを求めて次々と人がやってくる。その一角にあるジュースバー「ベジフルッタ」で飲まないと絶対に後悔するのが「エメラルドメロンジュース」だ。夜須のエメラルドメロンは、最高の糖度を引き出すために1本の苗に1玉だけしかつくられない超プレミアムなメロン。その4分の1玉を1杯に贅沢に使った果汁100%のジュースは、濃厚な甘さと香りが別格の美味しさ。しかもたったの500円。メロン農家が経営しているからこの価格で提供できるのだ。
海を見渡せるスイーツカフェ「mana・mana」では、地元産フルーツの旬のおいしさが詰まった手作りアイスキャンデーが色とりどりに揃う。かわいくて、なのにフルーツ特有の苦みを封じ込めた大人味があるのがいい。
見た目のインパクトがすごい。真っ黒だ。恐る恐る銀不老大福を口に入れると、ふんわりとした餅生地に白あんと生クリームがとろけるように絡みあって上品な味。JAL国内線ファーストクラス機内食に採用されているというがうなずける。銀不老豆は、昔からここ大豊町だけで栽培されてきた幻の豆。他地域で植えても気候の関係からか実がならないそうだ。つやつやといぶし銀のように輝き、カリウム、カルシウムなどが多く含まれ、不老長寿に効果があることから名付けられたと言われている。
他にも、大豊町だけで作られている日本唯一の完全発酵茶「碁石茶」もある。幻の味を手に入れるなら立ち寄るしかない。
道の駅では地元の人が手間暇かけて作ったドリンクに出会える。スイーツと一緒にこだわりの味と香りを楽しんで特別なティータイムを過ごそう。
愛媛県四国中央市新宮町馬立4491-1
TEL/0570-07-3111 営業時間/10:00~17:00
定休日/9~3月:月曜日※月曜日が祝日の場合は火曜日が休業・4~8月:なし ※霧の森交湯~館は月曜定休
豊かな緑に包まれた広大な霧の森は、スイーツやお茶を楽しめるカフェ以外にも、レストラン、新宮茶の歴史を紹介するミュージアム、天然温泉、コテージがある。川遊びや森林浴をしながらゆったり過ごせる。
高知県長岡郡大豊町杉743-1
TEL/0887-72-1417 営業時間/8:00~17:00
定休日/年中無休
高知県で最初にできた道の駅。家庭的な雰囲気でファンが多い。近くに国の特別天然記念物の樹齢3000年の大杉や、大杉に縁のある美空ひばりの歌碑などがある。レストランでは碁石茶うどんを味わえる。
高知県香南市夜須町千切537-90
TEL/0887-57-7122(道の駅やす管理事務所)
営業時間/8:00~22:00(店舗によって営業時間と定休日は異なる) 定休日/1月1日
ごめん・なはり線の「夜須駅」や県立公園に隣接し、生産者直売所、土産物店、レストランなどの店舗が点在。ブランド野菜などの買い物はもちろん、春はモリシマアカシアなどの花、夏は海水浴などを楽しめる。