岩屋山からはしまなみ海道や向島のまち並みが一望できる。
国道317号からしまなみ海道の側道に入り、岩屋山ミステリーツアーの看板がある登山口を上る。コースが整備されているから迷うことはない。ほどなく岩のほこら〝岩屋〟が見えてきた。想像以上の大きさだ。自然の造形物かと思っていたが、近づいてよく見ると違う。
実は、岩屋山は古代太陽信仰の聖地といわれ、巨石は太陽の周期に合わせて人の手によって配置されている。岩屋は冬至の朝日の方向を向いていて、冬至の朝は奥まで日が差し込む。裏手に回ると真っ二つに割れた巨石があり、夏至の太陽はその割れ目の東側から昇り、冬至の太陽は割れ目の西側に沈む。天文学も近代的な土木技術も発達していないはるか昔に、こんなふうに太陽の動きを把握し、山の上の狭い場所で巨石を動かすなんて、ミステリアス。だから今も人を引きつけるのだろう。
さらに山を上がると、尾道の全景を一望できるビューポイントに着いた。尾道三山にある千光寺、西國寺、浄土寺は、この岩屋山に向けて建てられているという。次の機会に尾道に行って確かめなければ。岩屋山のミステリーにまだまだ興味は尽きない。