平成30年9月8日(土)、橋の科学館 第34回 講演会「本州四国連絡橋の点検技術“隠れた損傷も見逃さない”」が開催され、弊社 長大橋技術センター 診断・構造グループリーダー 林昌弘氏にお話をいただきました。

 今年で瀬戸大橋が開通して30年、明石海峡大橋が開通して20年となり、世界でも類のない海上に架かる長大橋を厳しい気象環境の下で健全な状態に保つために、今日も様々な技術が開発されています。本講演では、それらの技術のうち、橋梁の異常・変状を発見、検出するための点検に関する最新の技術について紹介していただきました。

 具体的には、本州四国連絡橋の歴史や点検管理の方針にはじまり、光学計測による部材表面の劣化評価の検討、鋼床版の疲労点検・補修方法といった、専門的な話題まで分かりやすく説明いただきました。なかでも、近赤外線カメラによる塗膜劣化の検出や、赤外線サーモグラフィを用いた疲労点検などの技術開発のお話は、講演会に参加された皆様も高い関心を持っておられたように感じます。

 当日は雨天にもかかわらず、約50名の方々に参加いただきました。質疑応答の時間では、今年8月にイタリア・ジェノバで発生したモランディ橋の落橋事故の話題に触れつつ、「本四高速における維持管理との違いは何か」等、弊社が取り組む点検管理・予防保全技術に関する高度な質問もあり、充実した講演会になりましたことを事務局より感謝いたします。

 次回、第35回講演会は11月10日(土)、「淡路人形浄瑠璃の歴史と現状 ~郷土の古典芸能を守り、伝える「淡路人形座」~」を開催予定です。当日は人形浄瑠璃の特別上演もありますので、多数のご参加をお待ちしております。

詳細はこちらをご覧ください。
http://www.hashinokagakukan.jp/news/shosai.php?id=122

会場の様子
会場の様子

本州四国連絡橋で実施されている点検の数々
本州四国連絡橋で実施されている点検の数々

参加者からの質問に答える林氏
参加者からの質問に答える林氏

平成30年8月4日(土)夏休み自由研究教室を開催しました。

 当日は、小学校4年生から中学生を対象とした「いろいろな橋」について、午前1回、午後1回の計2回、授業と明石海峡大橋の見学を行い、40名余りの方に参加いただきました。
 授業では、桁橋、アーチ橋、トラス橋を中心にそれぞれ橋の特徴や仕組みなどを説明し、1枚の紙を使った桁橋、アーチ橋、じゃばら状に折り曲げて作ったトラス橋を作り、橋の強度を体感したりと、実験を通じいろいろな橋の違いについて学んで頂いた後に、参加者各自で、ストローとジョイントを用いてのストローブリッジの製作、自由な発想で個性あふれる “橋”が完成しました。
 実験コーナーでは“ザ・対決!”と称し、講師が用意した、異なる形式のストローブリッジ(四角橋とトラス橋(ともに30g))に、どちらがより大きい重さに耐えられる強い橋かを予想し、実験を行いました。
 勝利したトラス橋は、なんと2.5kgの重さにも耐えることができ、想像を超えたその結果に歓声が上がりました。

 その後は、高さ40mの管理用通路にて明石海峡大橋の見学を行いました。その高さ、グレーチングの足下に、最初は戦々恐々とされていた方も時間が経つにつれ、次第に慣れた様子で初めて見る景色を楽しむとともに、講師の説明を熱心に耳を傾けられていらっしゃいました。

 夏休み自由研究教室終了後、「橋の博士」になった参加者の皆様とお別れする際の笑顔を拝見するに、事務局としても大変満足した一日となりました。

 今回は夏休み自由研究教室と題し、小中学生を対象としたイベントを催しました。橋の科学館では、年間を通じて“橋”に関係するテーマにて定期的に講演会を開催しています。
 次回は、9月8日(土)に「本州四国連絡橋の点検技術“隠れた損傷も見逃さない”」と題しまして、当社社員による講演会を行います。詳細はこちらをご覧下さい。

みんなで橋の博士になろう!
みんなで橋の博士になろう!

何枚乗るかな?
何枚乗るかな?

個性あふれるストローブリッジ製作中・・・
個性あふれるストローブリッジ製作中・・・

いざ対決!
いざ対決!

ヘルメット装着、準備OK!
ヘルメット装着、準備OK!

高さ40mの管理路にて橋の勉強中
高さ40mの管理路にて橋の勉強中

 6月上旬、「障がいをお持ちの方を対象としたパーキングエリア等見学会」を神戸淡路鳴門自動車道と瀬戸中央自動車道で実施しました。
 この見学会は、サービス施設をご利用された障がいをお持ちの方からのご意見、ご要望等を伺い、より安全・安心・快適にご利用いただける施設づくりに活かすことを目的に、企業の社会的責任(CSR)として、活動を行っているもので、今回で9・10回目となりました。

~神戸淡路鳴門自動車道~
 神戸淡路鳴門自動車道の見学会は6月1日(金)、淡路島南PA(上り)及び大鳴門橋の鳴門側袂にある大塚国際美術館を参加者21名とスタッフを乗せたバスでめぐりました。
 最初の訪問先の西洋の陶板名画千余点を展示する大塚国際美術館では、学芸員の方に陶板により完全再現した“システィーナ礼拝堂天井画(ミケランジェロ作)” “最後の晩餐(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)”などの作品について詳しく説明いただきながら、名画の臨場感を堪能いただきました。
 昼食後は、淡路島南PA(上り)でサービス施設見学。JBハイウェイサービス株式会社(JBHS)の淡路営業センター調査役に大鳴門橋を遠望する展望テラスやマッサージ機を備えるリフレッシュルームなど施設を案内いただき、障がいをお持ちの方の目線でチェックをいただきました。

大塚国際美術館でのガイド案内
大塚国際美術館でのガイド案内

淡路島南PA(上り)駐車場から施設への移動する様子
淡路島南PA(上り)駐車場から施設への移動する様子

~瀬戸中央自動車道~ 坂出管理センター主催!
 瀬戸中央自動車道の見学会は6月6日(水)、小雨が降っている中、与島PA及び倉敷美観地区にある大原美術館を参加者23名とスタッフを乗せたバスでめぐりました。
 近現代美術中心のコレクションを持つ大原美術館では、職員によるウェルカムレクチャーを受け、“受胎告知(エル・グリコ作)”や“睡蓮(モネ作)”などの名画を堪能いただきました。
 与島PAでの昼食後は、昨年度末にリニューアルし、本四高速SA・PAで初めてのトイレ使用中を表示するランプを設置するなどしたトイレをご案内。売店等の施設については、JBHSの与島営業センター所長より案内いただきました。また、この度の見学会では、NHK高松放送局、RSK山陽放送及び四国新聞社より取材いただき、参加者の方々におかれましては、インタビュー等のご協力をいただきました。

大原美術館にてウェルカムレクチャーを聞く参加者
大原美術館にてウェルカムレクチャーを聞く参加者

与島PAにて施設説明を聞く参加者
与島PAにて施設説明を聞く参加者

~おわりに~
 参加者へのアンケートから、「リフレッシュするのに適した展望台等があり大変良いと思いました。(淡路島南PA(上り))」「大型バス駐車場から店へ行く方法を少しかんがえてほしい。(淡路島南PA(上り))」「トイレの清潔さ、使いよさは特に満足した。また展望台もとても感激しました。(与島PA)」等、貴重なご意見ご感想をいただきました。
 いただいたご意見は、各管理センター及びJBHSと共有し、今後の施設づくりに活かしてまいります。
 今回の見学会にご協力をいただきました、地元ボランティア、神戸市、明石市及び香川県の社会福祉協議会並びにJBHSにおかれましては大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

平成30年5月26日(土) 橋の科学館第33回講演会を開催しました。

 第33回講演会は「明石海峡大橋を完成させた耐風設計技術“技術者たちが議論し考えたこと”」と題し、横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授 勝地弘氏にお話を頂きました。

 本講演では、明石海峡大橋を建設するにあたって大きな課題であった耐風設計において、未知の領域を探るため実施された、世界からも注目された大規模風洞実験を始めとする、建設当時の貴重なお話を紹介頂きました。

 橋桁に変位やねじれを生じさせる風荷重の影響を明らかにするフラッター解析などの、専門性の高い話題についても、分かりやすく説明頂きました。

 また、近年の吊り橋における国内外の動向や、今後注目の長大吊橋について紹介頂きました。

 当日は、明石海峡大橋の建設当時に携わった技術者の方や、橋が大好きというお子様など、幅広い年代の50名を超える方に参加頂きました。質疑応答では「現在の技術で最長の長大橋を作ろうと思えばどのくらいになるのか」他、今後の長大橋建設について興味深い質疑応答もあり、充実した講演会になりましたこと事務局より感謝いたします。

 次回講演会は、9月開催します。
 8月は、小中学生を対象とした夏休み自由研究教室を予定しています。
詳細が決定次第、当社HP等にてお知らせいたします。

会場の様子
会場の様子

世界からも注目された大規模風洞試験
世界からも注目された大規模風洞実験

近年の吊橋における動向
近年の吊橋における動向

参加者からの質問に答える勝地先生
参加者からの質問に答える勝地先生

平成30年3月17日(土)、橋の科学館第32回講演会を開催しました。

 第32回講演会は「世界の長大橋」と題して、元本州四国連絡橋公団理事、世界道路協会 道路橋委員会前委員長を務められました加島聰氏にお話を頂きました。

 今回の講演では、世界の長大橋の歴史とともに、本年4月に30周年を迎える瀬戸大橋、20周年を迎える明石海峡大橋の技術開発について紹介して頂きました。

 世界の吊橋、斜張橋の特徴を写真や年表を交えながら説明頂きました。また、現在、世界中で進行中の長大橋建設の話、それらに関する日本企業の取組みも紹介頂きました。

 また、ケーブルを守るため、ケーブル内に乾燥空気を送り込むケーブル送気システムを確立、本四架橋にて世界で初めて導入され、現在では世界標準になっている話も聞くことができました。

 当日は、明石海峡大橋の建設当時に携わった技術者の方や、橋が大好きというお子様など、幅広い年代の50名を超える方に参加頂くとともに、「建設中の世界の各橋梁において日本の支援状況について教えてください」他、活発な質疑応答もあり、充実した講演会になりましたこと事務局より感謝いたします。

 次回の講演会は、平成30年5月26日(土)に開催されます。
 国立大学法人横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授 勝地弘氏より、「明石海峡大橋を完成させた耐風設計技術“技術者たちが議論し考えたこと”」と題して講演頂きます。

詳細はこちらをご覧ください。
http://www.hashinokagakukan.jp/news/shosai.php?id=116

会場の様子
会場の様子

世界の吊橋の歴史
世界の吊橋の歴史

世界で活躍するケーブル送気システム
世界で活躍するケーブル送気システム

参加者からの質問に答える加島氏
参加者からの質問に答える加島氏